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61_シンプルという言葉に囚われて、何かを見失っていないか?

 「さて、深いようでそうでもない会話を行って、一晩明けました。

  62日目ですね、

 累積経験点:3,251,799,815,779,262点 

 所持コイン:2,125,899,809,420,829枚

 経験点が微増しているのは、道作りで入手しましたかね?」

「ええと誰に話しているのでしょう?トムさん」

「そこはそっとしておいてください、様式美というか、発言しないとなかったことになる、テーブルトークRPGの神様が権能の影響ですので」

「なるほど」


 「昨日に引き続いて、副砲で道を切り開きつつ、怪物モンスターを排除しつつ、行軍です。特に話すこともありませんね、なんだかついてきている人たちから、表情が抜け落ちているような気が若干いたしますね」

「いや、でたらめな攻撃力とか、恐ろしい手数とか、瞬時に森が切り開かれていくシュールさとかで、空いた口がふさがっていないだけでは?」

「前の日にも見せたでしょうに」

「一晩たったら夢かと思ったのでは?」

「理不尽な」

「いや、トムさまが言うな、というやつですよ?」


 「半日ほどで、シャヨ国に到着です」

「本当にこんな所に村があったんですね」

「いや、ニチ村の元村民よ、実はこれ村じゃなくて国なんだぜ。まあ、見た目限界集落っぽいではありますが」

「驚いているのはそこではないと思いますが、トムさま」

「距離的には結構近いのですが、怪物モンスターがいる森がネックだったわけですね、まあ、道を大胆に作成しましたので、これからはじゃっかん行き来が楽になりますかね?」

「大胆にもほどがあるような気もしますが」


 「というわけで、王様、新しい住民を連れてきましたよ」

「おお、勇者よ、若者をたくさん連れてくるとはありがたい」

「えっと、あの麦わら帽子でオーバーオールのおじさんが王様なんですか?」

「その反応は懐かしいですね。そうです、政治とか統治とか、その手の能力を放り投げて、農業的な技能にその力を全て注ぎ込んだお方でありますが、分類的にはこのシャヨ国の王様でございます」

「そんな王様もいるんですね、というか、平和なんですねーここ」

「そうですよアレスさん、おそらく未来に行っても平和でしょうね。奇妙なまでにテーブルトークRPGの神様がご加護を与えていますので、ええと人口減少によって自然消滅するという危機の他はいたって何事もない場所でありますね」

「限界集落王国ですか、ある意味新しいのでしょうか?」

「うちの神様曰く、転移したての勇者は弱すぎるので、魔王の注意を惹かないようにと、辺境の目立たないところを作成しました、とのことで、辺鄙な所の限界集落となってしまったようですね」

「ええと、結構酷い神様のような、整合性を大切にしているといえばいいのしょうか?」

「まあ、おおよそノリと勢いで行ってしまった神様だとは思いますが」

「おお勇者よ、否定できないので、そろそろやめていただけまいか?」


 「新しい住居も用意してあるというか、まあ、空家を整備し直したものじゃが、プライベートを保証できる程度にはあるからな」

「ありがとうございます、王様?」

「疑問符はつけなくても良いぞ。何はともあれ、新しい住人をこの王国は歓迎しよう」



 「トムさま、何だか扱いがいいのですが?」

「ああ、アレスさん、新しい住人に若い女性が多いからですね」

「?」

「農家の嫁不足といえばわかりやすいですかね?」

「ああ、納得しました。……私も若い娘勘定なのですか?」

「そうですよ。基本的には自由恋愛推奨ですけど、できれば地元の青年団の誰かとくっついて欲しいですかね?」

「ま、前向きに善処します」

「無理にくっつける方向には行きませんよ。まあ、自活する必要はあるでしょうが」

「近くに怪物モンスターが出るのですよね?」

「狩人的に働くのも有りですね。まあ、農業レベルが私たちの元の世界並ですので、農家として生きても結構安定しますよ、少なくとも植えることはありませんね」

「そうじゃの、自給率が最近200%を超えているのは、自慢じゃな」

「自慢なのですね、というか王様、余分の農作物とか輸出するあてもないのに、どうしているんですか?」

「そこはそれ、王妃が保存食に調理済してくれたりしとるからの。あと、古米として貯蔵する技術も完璧じゃぞ」

「本当に技術水準がちぐはぐというか、突出しているのですが」

「今更だけれども、ここは他と次元が違うのでしょうね」



 「以上、アレスさん一行と、ニチむらからの移住者を案内してきましたよ。ただいまです巫女さま」

「お帰りなさいませ、勇者さま」

「発言がされないと、アレスさん以外には来ていないような感じですが、ちゃんといますからね、猫耳少女に、アマゾネス的な戦士と、小さな幼女みたいな魔法使いと、何か色っぽい退廃的?なシスターさん。何人かは、むらの青年団とくっついてくれるといいですね」

「そうですね、ちょっと見てみましたけど、皆さんそれなりに魅力的な女性でありましたし、うちの青年団も奮起するのではないでしょうか?まあ、田舎の青年にしては柔ではありますが、誠実に尽くせば、ほだされる方もいそうですしね。一人見た目犯罪的な女性もいましたが」

「魔法使いの見た目幼女さんですかね。年齢的にはとっくに成人しているそうですよ?まあ、うかつに年を尋ねるようなことはしていませんが、何か魔法的な原因があるようではありましたが」

「呪いですかね?まがまがしいものは感じませんでしたが、勇者さま」

「巫女さまが感じないのなら、呪いではないのでしょう。もしくは、何かの魔法の副作用的なものかもしれませんね」


 「さて、では今日は色々と、研究やら、訓練やらに時間をあてて、明日から本気を出すようにいたしましょう」

「明日から本気ですか、なんだか、ダメな人間の発言のようですね、勇者さま」

「そう匂わせてみました。と言いますか、正直、最近もまた働きすぎのような気がいたしまして。ほぼ2ヶ月で神へ至る道を進み始めるとか、強さがインフレーションしすぎるでありましょうよ、いや肉体的な疲れはないのですが、精神的に疲れてきたような気がします。能力的には十分余裕があるはずなのですけれども」

「テーブルトークRPGの神様が、行なっているシステムにそった補正があるわけですが、やはり借り物という状態が不具合を誘発しているのでしょうか?」

「どうでしょうね。大体自分のものとして使うことができる、使いこなせるようになってきた、と思いますよ。因果律を制御できるようになりましたから、システムごと自分の支配下に置いてしまったという状態ではないでしょうかね?さすがに干渉が大ので、勝手にレベルを上げたりすることはできそうにはありませんが、魔法にアレンジを加えたり、装備品の使用方法を変更したり、運用に手を入れたりできるくらいですか。そうそう、能力値は結構十全に使用できるようにはなっているのですかね?精神的な苦痛をあえて残しているのは、ストレスの軽減のためでありましょうかね?」

「完全に精神がコントロールできるようになると、かえって人間から乖離することに対する認識のズレとかを防いでいるのでしょうかね、勇者さま」

「無意識にそのようにしているのかもしれませんね」


 「明日はとりあえず、この大陸を飛び回って、主要都市などのスポットにたどり着いて、魔法の定期パスの位置情報を増やしていこうかと思います」

「よろしいのではありませんでしょうか、でも細かい村々まで回りますと、かなりの数になりますよ、勇者さま」

「速さはかなりのものになりますし、計算すると軽く音速を超えるのですよね、本気の飛行速度。衝撃波とかどうなっているのでしょうかね、一度試した方が良いのではないでしょうか?」

「適度な魔法的なシールドが保護するのではありませんか?」

「いえ、自身へのダメージとかではありませんので。問題なのは、周囲への影響ですかね。騒音とか、どうなるのでしょう」

「……試してみればよろしいのでは?」

「それもそうですね」


 「凶器になりうる衝撃波でありましたね、あと騒音もすごいものがありました」

「耳が痛いです、あと、平原を抉ったあととかどういたしましょうか?勇者さま」

「まあ、そのうちに風雨で均されるでしょう」

「そうですね、いいえちょっとまずいかも?最近この辺りで狩をしている青年団の方がいますし」

「では、結界とかバリアとかを利用して押し付けて均しましょうかね。衝撃波とか騒音は出さないようにしようとすると、消すこともできそうですね、速度はそれなりに落ちますが、それでも音速は超えますが」

「取扱説明書では、光速に近いところまで出せるようですが?」

「大気圏内で出す速度ではないと思いますね。しかし、素の状態で慣性制御までしているような手応えでありますね」

「ジャンルが違うような気がしてきたのですが、勇者さま」

「奇遇ですね、私もそう思います巫女さま」


 「大きさ的には、地球と同じでしたっけかね、この惑星は?」

「そうですよ、勇者さま」

「質量とかも同じで、衛星も一つでしたっけか」

「潮汐力とか、差異を持たせた世界とかのギミック、生かす余地がありませんので、無駄に凝るよりはよろしいかと?」

「大陸の分布は結構独特でしたけどもね。ざっくりと、衛星軌道を巡っただけですけど」

「光速の0.01%でしたか?巡行速度が」

「直径が1万3千キロメートル弱でしたっけ?円周が4万メートルくらいですよね、光速が秒速30万キロでしたかね?一周して戻ってくるのに、20分と少しかかってますから、そうですねだいたいそのくらいの速度ですね」

「天翔流星でしたよ勇者様」

「秒速30キロですからねー、時速、10万キロ超えですか?単位がおかしい気はしますね」

「で、最高速度は試さないのですか?」

「速度の上昇に伴う質量の増加が気になるレベルでしたので、さすがに、これだけ大きな質量のそばでの光速起動は問題がありそうですよね?」

「コミック的な描写だと、大気圏内で光速に近い速度で動き回って戦闘をしているものもありましたよ、勇者様」

「なんでそんな知識があるのかは、あの神様の影響ですのであまり不思議には思いませんが、現実的に人一人の質量でもその速度域だと、重力異常とか起きそうな気がするのですけども」

「勇者様なら大丈夫そうですけどね」

「慣性制御をしっかり働かせれば、まあなんとかなるかな?そもそも地上で必要になる速度ではないとは思いますが。つくづく個人の機動でウラシマ効果を考慮しないといけないというのは、面倒臭いような気がしますよ、巫女様」

「世の光速戦闘をしている方々って、そのあたりどう折り合いをつけているのでしょうかね、勇者様」

「まあ、因果律を制御しているのではありませんかね?限定的に」


 「エネルギーは速度の2条に比例して増大するのでしたっけ?」

「多分そうだとは思いますよ」

「速度だけで、十分な凶器になりそうですよね、この強化外骨格は」

「必要な機能だけ、収納空間のようなところから引っ張ってこれるようになったのでしたでしょうか、勇者様」

「改良してみました、単独で引っ張り出すのは問題なさそうです。複数同時展開はまだ難しいですかね、そのうちできそうではありますが」

「剣で攻撃する意味がなくなりつつありませんか、勇者様」

「ちから を増加する魔法がありますから、全く無駄ということはありませんし、場合によっては手加減も必要ですから、まあ、状況次第でしょうかね?問答無用な火力が手に入ったのは、確かですが」

「地上では敵なしですね」

「陸海空、それに宙でも、結構いい成績を収めそうではありますが」

「世界最強の勇者さま、でしょうか?」

「どうなのでしょう?人間のカテゴリでは上位に入りそうではありますね。ええと私がまだ人としてのカテゴリに入れられているならばですが」

「神様の方から数えたほうが近い人間というのは、確かにそれは人類でありますか?という問題が出てきそうではありますね」

「メンタル的には最初から人外ではありませんか、と言われたことはありましたが」

「前の世界での勇者さまの交友関係が少し気になりますね」


 「大陸はおよそ10くらいなのですね、結構、綺麗に分かれていましたが。海と陸の比率は、6対4くらいでしょうか?」

「もう少し海が広いですかね?テーブルトークRPGの神様によると、神様たちが多めに管理する場所が必要でしたので、異世界の地球より海の比率が少なめになったそうですよ」

「複数の神様が影響、管理している大陸とかは普通にありそうですね」

「今の勇者さまなら、感覚で判断できませんかね?」

「……近づいたらできそうな気もしますね。まあ、後が怖いのでちょっかいとか出す気にはなりませんですが」

「いい勝負をしそうな気がしますね」

「神界以外ならねー」


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