51_主人公の大幅強化をしたからといって、物語がシンプルになるわけでもなく。
「というわけで、500兆ほどのコインを瞬時に稼いできてしまったわけですが、王様」
「おお勇者よ、そこは5,000兆というとトレンドであったぞ。まあ、あって困るものではあるまい。防衛費に回すこともできるし、入れておくがよかろう。しかし、向こう1000年ほど戦えるほどの財源がぽっと入ると、コツコツやるのが嫌になるのう」
「それはダメ人間の思考ですよ、王様」
「まあ、農産物とか、食料とかの自給率が100%を超える我が国では、特に輸入するようなものもないしの、錬成して、装備やら、道具やらを強化しておくこととするぞ」
「それがよろしいかと、素材水晶とかも必要でありましょうし」
「それにしても、コインが実質無制限にあるようなものじゃしな、財源は問題なくなったのう、あとは人口を増やすだけじゃな」
「十分な報酬があれば、それは容易かと思いますよ、王様」
「インフレにならないように注意せねばならんな」
「やあ、ビル、実は珍しい素材水晶を手に入れたんだよ、これさ。
素材水晶:神の義体
これで何か作れるかな?」
「神の義体だーよ、驚きだーよ。道具と言うよりも、鎧に近いものになるだーよ」
「鎧ではないのですか?」
「強化外骨格とかいうものの素材になるだーよ、コアに当たるものがあれば、鍛冶屋と協力して作れるだーよ」
「何ですかね、そのごっつい名称は、コアになるようなものって何ですかね?」
「ダンジョンの核とか、精霊の大水晶とか、古龍の心臓とか、大悪魔の宝玉とかだーよ」
「どれも今持ち合わせがありませんね、いや、ペンタのダンジョンへ行けば手に入りそうですね、素材のグレードとかあるのですか?」
「ほとんど差異はないだーよ、ただ、属性がついたりするだーよ。あとコアは、換装可能に、追加可能だーよ」
「何ですかその卑怯くさい装備は」
「そもそも、この素材そのものが卑怯なんだーよ、トムさん、何やらかしただーよ?」
「失礼な、まっとうな勇者業をしていただけですよ、了解しました、明日にでもダンジョンへ行ってきましょう」
「よろしくだーよ」
「というわけで、いろいろありましたが、再度帰宅しました、巫女さま」
「おかえりなさいませ勇者さま、なんだかすごい勢いで国庫が潤ったと言いますか、溢れ出しているのですが?」
「500兆ほどコインを入金してきましたから、レベルも驚くほど上昇してしまいました」
「50レベル越えって、伝説級ですね。いっそ超神話級とか、神に至る階梯とか行ってみますか、勇者様」
「神様ってあれでしょう?目指す意欲が薄れるのですが?」
「反論できませんし、正直確かにオススメはしませんね、なるほど、謙虚だから人々は神を目指さないのではなくて、知ってしまったから、遠ざかるのかもしれませんね」
「仮にも巫女さんから出るセリフじゃないなぁ」
「ところで、計画通りに学生服を男女共に一式購入してきましたよ?」
「コスチュームプレイですね、楽しみです、勇者さま」
「58日目の朝です。
累積経験点:1,125,899,907,925,998点
所持コイン:625,899,908,430,998枚
昨晩も楽しかってですね、いろいろな衣装を集めてみるのもよろしいかもしれません」
「ええ、興奮しましたね」
「では行ってきます、あかねさん」
「行ってらっしゃい、トムさん」
「まずは、オーガン国王都ですね。学園長いますかね?」
「おう、トムさんじゃな、今日から出席かね?」
「いえ、いろいろと準備がありますので、当分はそれに当ててみようかと、ただ、何かありましたかね?という確認ですね」
「今の所、異変はないのう。何度かのループの結果、施設が充実しておるくらいじゃ、生徒にも混乱は見られないの」
「そうですか、それならよろしいですね。あと、図書館って、自由に使えますか?」
「生徒なら問題ないぞ、すでにトムさんの在籍書類は偽造、じゃなかった、作っておるからの。学園長と辺境伯のダブル推薦枠じゃ」
「目立ちそうですね」
「この時期に3年生へ編入ということで、もともと目立っておるわ」
「言われてみればそうですね」
「あら、能面勇者じゃない」
「エリザベス嬢、辺境伯さまへはとりあえず、口頭で、夫人の実家の件報告済みです。そちらが調査したのち、書面で確認したら、緩やかに偽装を解除する方向だそうですよ」
「……しばらくは、あの痴態を晒すのね」
「まあ、夫人になった辺境伯は、美人ですし、仕草もどうに入ったものですから、それほど嫌わなくとも?」
「わたくし、結構最近まで、義母と一緒に裸の付き合いをしていたことを思い出したのよ……」
「それはまあ、ご愁傷様?ですかね?それにしても、意外に仲がよかったのですね」
「父に化けていた怪物が冷たかったから余計にね。でも今思い出すと、赤面しかしませんわ。女性同士だと思っていたのに」
「そうそう、能面勇者。報告書が書きあがったら、私も直接父上に、報告したいので、送迎を頼みますわ、王都との往復で」
「ええと、送迎というか運搬になりますよ?」
「……ええ、それがよろしいのよ……、ふぅ」
「別に溜まってるなら、移動とは関係なくて縛りますが?」
「!?いいえ、やはりこう、建前は必要だと思うのよ……多分」
「左様ですか」
「慌しいような気がしますが、次は、辺境伯爵領、領都ペンタですね。若女将さんこんにちは」
「あらいらっしゃい、ご主人様、今日は何の御用ですの?」
「ようがなければ来てはいけないのかい?」
「そんなことはございませんわ、ぜひ、気軽にお立ちよりになって、そして踏んで行ってくださいまし」
「うん、結構進行しているね。今日は普通に食事に来ました、個室を用意してくれるなら、片手間まに踏みますよ?」
「ああ、このないがしろにされている感じが、よろしいですわ♪」
「さて、腹ごしらも終わりましたね。川魚と、荒巻ジャケのようになった若女将が美味しかったですね。次は、ペンタのダンジョンですね。最下層の管理室まで、最速で移動してと、宝物庫を確認すると、やはり、古龍の心臓がありますね。ダンジョンのポイントを大量に消費すると、さらにいろいろ手に入りそうですが、冒険者から得られるポイントが赤字になるのは避けましょうかね。まっとうに運営しているなら、少々無理をしてもいいのですが、ほぼオートで動かしていますからね。安全度を高く見積もりましょう。
そして、最下層の闘技場で、魔法の試し打ちというか、確認というか、考察ですね、ちょっと神のメモ帳で確認しながら、やってみましょうか、と
22LV:魔法の英知 消費MP:4
24LV:魔法の翼 消費MP:5
26LV:魔法の矢強化 消費MP:1
28LV:魔法の治癒強化 消費MP:1
30LV:魔法の呟き 消費MP:2
32LV:魔法を防御 消費MP:6
34LV:魔法で探査の強化 消費MP:1
36LV:魔法の瞬間起動 消費MP:3
38LV:魔法の並行起動 消費MP:3
40LV:魔法の設置 消費MP:5
42LV:魔法でHPの吸収 消費MP:5
44LV:魔法でMPの吸収 消費MP:1
46LV:魔法の付与 消費MP:8
48LV:魔法の多重起動 消費MP:1
50LV:魔法の限界突破 消費MP:0
ですね」
「うわあ、とんでもないな、これ。まず能力強化系ですが、48レベルで覚えた、魔法の多重起動を併用すると、一回の魔法で、同じ魔法が複数起動するわけですね。MPの消費は、重ねる魔法の消費分と、増やした分それぞれに1点と。で、本来は、人間の能力値限界である、255が上限になるはずなのですが、50レベルで覚えた、魔法の限界突破でその上限がなくなると、瞬時に能力値が4桁になりましたよ、恐ろしい。ちからをあげたら、ダンジョンの再奥レベルの怪物が一撃です」
「さらに、36レベルで覚えた魔法の瞬間起動で、他の作業をしながら、瞬時に魔法が唱えられるとか。剣とかで攻撃しながら、魔法が唱えられるとかどんだけズルっぽいのですか?さらに38レベル時の魔法で並行起動では、別別の魔法を一緒に発動できるとか、慣れが必要でしょうけど、3つか4つくらいなら、初見でも発動しましたよ、MPがかなりかかりますけど、好き放題できませんかねこれ?強すぎるでしょう?
……おそらくは、ここまで強くなることを見越していなかったのでしょうかね?それとも、そもそもノリと勢いだけで、デザインして、後で調整しようとか思っていたのでしょうか?
……両方のような気がしますね」
「42、44の吸収系も怖いですね、吸収するには魔法の矢を放って攻撃しなければならいですが、それぞれ、普通にダメージをを与えた後に、その10分1のHP、MPを回復するという。26レベルの魔法の矢の強化によって、強化したものに乗せらたば、放てば放つほど、MPが回復してしまうじゃありませんか。まあ、そもそも効果のない怪物もいるそうですので、過信は出来ませんし、MPがない対象もいるので、一概に無敵とは言えませんが、継続能力が段違いに上がりましたね。
さらに恐ろしいのは、この魔法を46LVの魔法の付与を使用して、武器なんかにかけた日には、戦闘中とか、集中力が切れない間、殴るとMPとかHPが回復する能力が付くということでしょうか?与えたダメージの10分の1回復でも、ほぼ一撃でMPタンクは満タンですよね」
「……あれ?魔法の英知、かしこさを伸ばすのですが、一緒にMPも伸びてませんかね?
……さすがにエラッタだとは思いますが、この状態でMPが元に戻ったら0以下になるように魔法を使ったらどうなるのでしょう?」
「0以下になりましたね、−の数値ですか。ええと、この状態でわ、魔法がが使えないようですね。うかつに増えた分を使いすぎないようにしないと、困りそうです。わずかに0以下ですので、ブレスレットと、MP回復薬を使用して、回復させるて、今日はシャヨ国に戻るとしましょう」
「さて、まだテーブルトークRPGの神様は何も言ってきませんね、では予定どおり、道具屋へ赴きましょう」
「ビルさん、古龍の心臓を持ってきましたので、強化外骨格を作成してくださいな」
「驚きだーよ、神の義体ほどじゃないけど、それも伝説級の素材だーよ。鍛冶屋のスミスさんのところへ、一緒に行くだーよ」
「ガハハ、まさか生きているうちに、こんな素材を実際に手に取ることができるとわな、ガハハ」
「本当だーよ、職人冥利につきるだーよ」
「コインはどれほど必要なのかな」
「ガハハ結構いるぞ、1億コインだな、払えるか?」
「分割は効かないだーよ」
「いえその程度なら即金で払えますから大丈夫です、ううむ、私もお金持ちになったようですね、神様、さまさまですね」
「ではいくぞガハハ、ガンガンガンと」
「行きますだーよ、トイトイトーいと」
「「できた、だーよ、ガハハ」」
「ありがとうございます、相変わらず錬成は早いですね、と性能は、
強化外骨格:機械仕掛けの神/デウス・エキス・マキナ シングルコア:龍神
ちから が16倍になる
がんじょう が16倍になる
魔法のダメージを がんじょうの8倍 防ぐ
特殊武装:龍の吐息
威力 ちから と同等、魔法扱いのダメージ
射程距離 ちから メートル
弾数 4発 (4時間で1発生成)
所有者制限
自動修理、洗浄
自動サイズ調整
飛行能力付与(秒速 すばやさ メートル)
活動限界 256 秒 (休止状態で、1024秒 ごとに 1秒分回復)
普段は、所有者に寄り添うように、収納空間へ収まっている。使用時は、所有者の設定した条件を感知すると、1msでその身に装着される。
うん、物語を終わらさられるような装備が来ましたね、いいんでしょうかね?」
「コアがまだ殖やせるから、さらに強くなるぞ、ガハハ」
「増加させるな時には、1000万コインが必要になるだーよ」
「あ、まだインフレするのですね、そろそろ終わりが見えてきたような気がしますね」
「それにしても、ただ装着しただけで、ちからが、2032 ですか?一体何と戦うつもりなのでしょうかね?オーバースペックすぎますね。魔法を併用するとどうなるのでしょうか?元のちからを16倍するのでしたら、簡単に5桁とか入ってしまうわけですが?ええと、常人の1000倍のちからとして、握力が25tですか?正直何ができるのかすら、想像するのが難しいですね。でさらに、コアを増やすと、強力になると?もう、物語のバランスって何なのでしょうか?と言うレベルなのですが、本当にこのまま行ってよろしいのでありましょうか?」