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50_シンプルに繰り返すということは、根気があるとか努力家とか褒めらる要素でもあるかもしれません。

 「同じような経験を、何度もしなければならないのは、とても大変ではありませんでしたか?シンシアさん少なくとも私はそのようなことはしたくありませんね」

「それはそうですね、同じ行為を、それも既にやって終わったことを、何回も繰り返すのは苦痛でした。トムさんの言う通り、早く辞めたくて仕方なかったのですが、あの邪神のせいで強制的に繰り返されてしまいまいて」

「結局あの、逆ハーレム物にして悪役令嬢物語を司る神様の目的って何だったのでしょう?」

「異世界から、おもちゃになりそうな人間の、魂を引っ張ってきて、ゲームの中でその人物が、右往左往しながら、もがいているのを楽しむのが目的だったようですね。フローラさんがこの場合のおもちゃになりそうな魂の持ち主ということで、呼ばれた存在で、悪役令嬢役の私は、それとは別に偶然引っ張りこまれた感じですね」

「どーかなー、話を盛り上げるために、逆ハー邪神がそっちも引っ張ってきたんじゃないかなぁ?」

「フローラさんとは違って、延々と繰り返すことによって磨耗する精神に対するケアがありませんでしたから、それはなさそうでございますが。正直自分で精神を制御する魔法を習得していませんでしたら、一回目のループで廃人になっていた自信はございますわ」

「精神に関わる魔法の素質こみで、転生させたのかもしれないわよ?そして徐々に壊れていく様を観察されて喜んでいたとか」

「……ありそうですわね」

「性格悪いやつだったからなぁ。それでトムさん、でいいのかな?」

「はい、トムさんとお呼びくださいな」

「じゃあ、トムさん、邪神はもうこっちには完全にちょっかいを出されることはないのかな?」

「おそらくは。不意打ちで、背後から後頭部に、神製バールのようなもので致命傷を与えた上、今は、神の山林に埋められたようですから、復活は当分難しいかと?うちの、テーブルトークRPGの神様が言われるには、神様間のルールにも幾つか抵触しているようですので、その償い?罰とかが終わるまでは、息をふきかえすことはなさそうですよ?」

「神様のイメージが、かなり変わってしまいましたわ」

「そーね」

「意外と族っぽくて、俗な神様ばかりですよ。むしろ抗争中のヤクザといった方がよろしいかもしれません」


 「あの邪神からは、すべてのイベントをクリアして、スチル収集を100パーセントにすれば、解放してやると言われていましてね」

「ほー、細かく、世界をジャンプするように巻き戻していたのはやはりそのせいですか」

「色々と愚痴を言ってしまいたいですので簡単に聞いてください。バッドエンドのスチルは精神的にも肉体的にもきつかったです、肉体的な死亡エンドとかも珍しくありませんでしたし」

「最近の恋愛ゲームって、殺伐としているのですね」

「この世界の元となったゲームのタイトルが、愛殺乙女鮮血舞踏会、でしたから」

「殺意高いタイトルのような気がします。昨今、普通なのでしょうかそのテイスト。それにしてもよくそんなゲームをしようと思いましたね」

「攻略キャラクターが好みだったのと、戦略シミュレーションとかダンジョンアタックとかの要素も面白そうで、実際ゲームとしては難易度が高かったですけど、やりごたえがあって、はまったのよ」

「私も恥ずかしながら、主要ルートの一つをクリアするぐらいには嗜んでおりまして」

「なるほど、シンシアさんも、フローラさんも前世で同じような設定のゲームをしていたわけですね、でこちらに、転生ということは、あちらでお亡くなりに?」

「結構聞きにくことを聞きますわね。まあ、もう主観では20年以上前の出来事ですけれども、病気で若くして亡くなりましたわ」

「私は、交通事故だと思うよ。ハイウエイを走っていたら、目の前にセスナが降ってきてさー」

「豪快ですね」

「思わず笑っちゃったよ」


 「それでは、別に魔王を倒すために行動していたわけではないのでしょうか?」

「魔王の存在はシナリオで明確に描かれていましたし、魔王を倒す者を育てるための学園で、発生するエピソードを中心にしたゲームでしたから、最低限は意識していましたし、魔王の配下を排除するシナリオもありましたから、全く関係ないわけではございませんね」

「そうだね、私のハーレムとなってしまっている生徒会のメンバーは最終的には、魔王討伐へその力を結集するメンバーという位置付けだし、フローラである私も、卒業後に魔王対策に乗り出すことになっていたからねえ」

「ということは、このまま魔王への対抗組織としての役割を果たすのでしょうか?」

「私の伯爵家はそもそも国王を補佐して、人類の生存圏を確保するために動いてましたから、それから大きく逸脱するような流れにはなりませんでしょうね」

「こっちも、変わらないかな?ゲームでは、フローラが中心になって、魔王と対決しないと、世界が滅びるようなバットエンドも実際あったし。さすがに自分から滅びるような行為はもうしたくないなぁ」

「そうですわよね、ですから、あの王子はあなたにお任せしますわよ?」

「え、私、黄金王子攻略ルートで行くの?正直あれ、正義感が強すぎて、理想主義の夢見がち坊やだからいらないのですけど?」

「酷い言い様ですわね、根はいい子で、単純ですから、制御は簡単ですわよ?理想の旦那さまだと思いますわよ?」

「王妃っていう立場がついてこないなら、一考の余地があるかもしれないけど、いや、それでもないですね、性格とか合わなすぎます。私はこのまま周囲との距離を保ちつつ、ハーレムエンドというか、友情エンドを目指すよ」

「そうですか?なら、黄金王子は王位継承権をなくしてもらって、放浪の旅にでも出てもらいましょかね?正直、王様には向かないのですよね、彼は、良い人すぎて」

「シンシアとの婚約話も、うかつに他の女性に騙されないように、つけこまれないように、という偽装でしたからねえ」

「本人は、それほど私を嫌ってはいないようでしたけど……自分の伴侶は自分の目で見て決めたい、というようなお花畑思考なボンボンですからねぇ」

「ループの中、何度か、王子失脚エンドとか、王都脱出夜逃げエンドとか、ヒロインとともに謀殺エンドとかありましたものね、確かに、王様に祭り上げて、王妃になるのはちょっとねぇ」

「完全にあれを操ることも視野に入れていましたけど、せっかくシナリオから離れらるのですから、私も自分好きなようにいきたいですわね」

「あれ、シンシアって、特定の相手がいるのですか?」

「さあ、どうでしょう?」

「笑みが怪しいですよ?」


 「赤裸々な女子トークって、微笑ましいなあ」

「いやトムさんや、そこは笑うところではないと思うのじゃがのう?」


 「まあ、魔王に関しては、私が倒す方向で調整していきますので、そちらはそちらで、独自に対応していただけたら。特に王都へはすでに魔王の配下が、悪魔の手下という人間に化けられる怪物モンスターが入り込んでいる可能性がございますので、対応をしていただけると良いですね」

「ああ、それでしたら、すでにシナリオの中で解決済みですわね。メグレアの一族ですわね、入り込んでいた魔王の配下と、協力者は、彼女の呪いでこの世から排除済みですし、後の精神的な問題は、私が少し工作をしましたので、問題わありませんわ」

「あー、呪われた伯爵家、惨劇の24時間、稲光の中で、令嬢たちは見た、ですね。ホラーテイストでしたわね。メグレアを生存ルートに持って行ってましたっけ、今回は」

「その節は、生徒会のアルピノ男の娘と、陰険紫眼鏡の意識をそらしていただいて、助かりましたは」

「うん、あまり悲惨な選択肢は、スチルを集めるため以外にはしたくなかったからね」

「本当ですわね、誰が考えたのでしょうあのようなシナリオ」

「ゲームとしてやってた時は、結構ノリノリで、進めていたんですけどね」

「現実だと、かなりのホラーというよりは、グロテスクよりでしたものね」


 「ということだそうですので、トルクマン近辺での魔王軍が影響力は、払拭されたようですね、エリサベス様」

「なんだかアレヨアレヨの間に問題が解決したようですわね、めまぐるしくてたまりませんわね。一応辺境伯の手のものを使用して、確認させますわね」

「これで、辺境伯が奥様の存在喪失を隠さなくて良くなりますね」

「ええ、思慕の情が破壊されないうちに、あの行為がなくなりそうですわね」

「趣味として嬉々として、しばらく続ける可能性も若干ありそうではありますが」

「やめてくださる?次に目撃したら、殺意を抑えられないかもしれませんのに」

「辺境伯には伝えておきます」



 「とすると、王都でのお仕事は、これでおしまいということなのでしょうかね?」

「どのようなお仕事だったのかは知りませんが、逆ハー邪神がいなくなりましたなら、正常な時の流れに戻るとは思いますよ。本当に有難うございました」

「私も、改めて言わせてもらうわ、助かりました、有難う」



 「学園長さん、一件落着はしましたが、ちょっと事情がありまして学園での籍が欲しいのですが?」

「いや、恩人のトムさんのいうことだから、もちろん構わんが、まだ何かあるのかの?」

「別件で、ちょっと調べごとがしたいのです。あとは、仕留めた神様の影響がまだあるかもしれないので、その確認のためですかね?」

「問題ないの、学年はどうするかの?」

「人間関係が便利そうですので、最終学年の3年生で、まあ、授業にはまともに出ないかもしれませんが」

「ちなみに、何を調べたいのかの?」

「農業関係の技術と、商業関係ですかね?最近の王都の流行りとかも調査したいですね」

「……?まあ、内政系列の講義も充実しとるから、問題ないが、てっきり戦力強化のための実践的なカリキュラムを希望するとか思ったのじゃがな?」

「まあ、そっちの方は、少々ルールが違うので、参考になりにくいということもありますし。差異を確認するために、見学とかするかもしれませんが、基本実践で腕を磨く派、というかシステムのようですからね」

「?見学とかならいつでも構わんぞ、わし自らが、案内してやろうぞ」

「それはありがたいですね」





 「ということで、王都での問題はかなり解決したかと、辺境伯さま」

「仕事が早いな、トムよ。うむ、では、エリザベスからの報告書を待って、こちらも夫人生存の偽装を徐々に控えることにしよう」

「すぐには辞めないのですね」

「意外と面白てな。あと、辺境伯の立場では入り込めないような茶会とかでの、情報収集がしやすいので、便利なのだよ」

「目覚めましたかね?」

「何のことかな?」



 「ただいま戻りました、神子様」

「おかえりなさいませ勇者さま」

「今日は何やかんやありまして、神様を一柱、葬ってきました」

「本当に何があったのですか!?」



 「というわけで、移し身とはいえ神様を狩ってしまいましたので、大量の経験点がゲットされまして、ええと、桁が多いですね、いくつでしょう?


 『勇者トムは、学園逆ハーレム、悪役令嬢、ループ物の小説を司る、神の移しアバターを倒した。

 勇者トムは、経験点、1,125,899,906,842,624点をてにいれた』


 1,125兆8,999億684万2,624点 ですか、2の50乗ですね。

 結構な量です。


 累積経験点:1,125,899,907,925,996点


ですか、コインも同じだけ手に入れていますけど、2の50乗と表記されてますね、これ崩せるのでしょうか?……できましたね、2の49乗コイン2枚になりました。これ、国庫に半分入れると、ひどいことになりそうな気がするのですが……、とりあえず、とり決め通り最大コイン数を入れておきましょうか?要相談ですね」



 「レベルも山ほど上がりましたねー。


 『勇者トムはレベルが上がった ~

 『勇者トムはレベルが上がった ~

 『勇者トムはレベルが上がった ~

 『勇者トムはレベルが上がった ~

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 『勇者トムはレベルが上がった、勇者トムは51レベルになった』


 30レベルも一息に上がってしまいましたよ。リソースを取り返すどころか、過剰に摂取した気もしますね。すでにバランスとか取れるような段階ではないような気がするのですけど、どうするつもりなのでしょうね?テーブルトークRPGの神様は?」


 「現在の能力値はと、


 職業:勇者

 レベル:51

 累積経験値:1,125,899,907,925,996点 (次は2,251,799,813,685,248点でレベルアップします)

 ・ちから 127

 ・はやさ 127

 ・かしこさ 127

 ・がんじょう 127


 ・HP:254/254(全快です)

 ・MP:32/127(MP回復のブレスレットが良いお仕事をしています)


 15個ほど新しい魔法を覚えていますね。あとで内容を確認しておきましょう。かなり物騒な魔法がありそうです。


 22LV:魔法の英知 消費MP:4

 24LV:魔法の翼 消費MP:5

 26LV:魔法の矢強化 消費MP:1

 28LV:魔法の治癒強化 消費MP:1

 30LV:魔法の呟き 消費MP:2

 32LV:魔法を防御 消費MP:6

 34LV:魔法で探査の強化 消費MP:1

 36LV:魔法の瞬間起動 消費MP:3

 38LV:魔法の並行起動 消費MP:3

 40LV:魔法の設置 消費MP:5

 42LV:魔法でHPの吸収 消費MP:5

 44LV:魔法でMPの吸収 消費MP:1

 46LV:魔法の付与 消費MP:8

 48LV:魔法の多重起動 消費MP:1

 50LV:魔法の限界突破 消費MP:0


 魔法の解説に物騒な単語が並んでいますね、

 ……もう魔王、倒しに行ってもいいんじゃないですかね?私」


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