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05_シンプルな関係。

 「というわけで、勇者は現地妻を手に入れました」

「手に入れられしまいました、さすがは(夜の)勇者さま」

「しかし、まさかベッドでの夜戦で経験点が入るとは思いませんでしたが」

「それが我が神クオリティ、です、ちくしょうめ」

「あ、料理とか含めていろいろおいしかったです」

「おいしくいただかれたわけですが、勇者様が意外に手馴れていたのに驚きです」

「田舎だと娯楽が少ないのでそういう方向への成長が早い傾向にあるそうですよ?」

「ああ、思い当たる節がありますね」

「それにまあ、元の世界では、普通に女性には不自由しませんでしたし」

「女の敵ですか!」



 「累積経験点が、4から6にアップしていますね。……いろいろしてみたのが良かったようです」

「え、あれ初めてだったのですか、それにしては手馴れていたような?」

「そういう知識は入りやすい環境でしたからねー、もう一晩あればレベルアップしそうですが」

「なるほど……。提案なのですが、別にそれは朝からでもいいのではありませんか?勇者様の成長を促すのもこう、巫女の役目ではありますし」

「体力ありますね?」

「レベル高いですから、少々の傷とか疲れとかは魔法で治せますし」

「なるほど」



 「というわけでだいぶ日も高くなってきたわけですが、レベルアップしましたよ、巫女の あかね さん。振り分けは ちから と かしこさ ですね、


 職業:勇者

 レベル:4

 累積経験値:8 (次は16でレベルアップします)

 ・ちから 10

 ・はやさ 9

 ・かしこさ 10

 ・がんじょう 9


 ・HP:14/19(特殊な戦闘で現在HPが相手に吸い取られています)

 ・MP:6/10(いろいろ気をつかったので減少しています)

 

 ちょっとした治癒 の魔法を覚えた。


 ちょっとした治癒:消費MP3 対象のHPを 唱えるものの かしこさ 分回復させます。


 魔法の矢、と対応した治癒魔法みたいですね。便利ですけど強力すぎませんかね?」

「……」

「あ、返事がない、少しやりすぎたようだ」



 「安易にそそのかした昔の私に説教をしたい気分でございますね、後始末とかどうもありがとうございました勇者さま」

「ええ、回復されたようで何よりです あかね さん」

「?何を神の手帳で確認しているのです?」

「いえ、昨晩からの行動記録を読み返しているのですけど、普通に、その手の艶本になってますねとか、ところどころに神様の感想とか描写とか入っていて、一種の芸術的な作品になっているのに、驚きつつ、読みふけってしまいました」

「恥ずかしいのでやめてくださいませんかね?……後で私にも読ませてください」



 「国の巫女様に手を出したからには、この国に骨をうずめる覚悟があるのでしょうね?勇者さま?」

「なるほど、そうきますか王様、まあ、貴重な若い働き手ですものね、気持ちわわかるが、だが断ります、私にはやらねばならない使命があるのです」

「いやさすがに、情が薄すぎませんでしょうかね?勇者よ?王様ちょっと引きますよ?」

「私には悪くて強い魔王の力を削ぐという、大切な、そう神様から託された願いがありますので、このような、限界集落、自然消滅待った無しの王国に、いつまでも、留まってはいられないのです、王よ」

「自然に、わが国を貶めるのはやめていただきたい、普通に心が痛いですよ、勇者よ」


 「まあ、待ってください王様」

「いや、巫女さまからも言ってやってくださいよ」

「そこは、発想を転換させるのです、王様」

「それはどのような意味ですか巫女よ?」

「正直に言いまして、主要な産業もなく、狩れる怪物モンスターのレベルも低いこの辺境で、ちまちまと勇者さまに働いてもらっても、稼ぐことのできる量はしれているのです」

「また、わが国が貶められたような?それもわが国の巫女さまに」

「落ち込んでいる場合ですか、王様。つまりは、そういう稼ぎの少ない国にとどまってもらうよりも、もっと効率良く、適度な強さの怪物モンスターを狩ってもらってその稼ぎの9割くらいをこの国に仕送りして貰えば、これは、とんでもなく国庫が潤いますよ」

「おおそれは良い!」

「いや、9割は暴利でしょうよ?というか仕送りが完全に決定事項になりつつある?」


 「5割、それと、最大コイン数の制限は譲れません」

「シブチンですね勇者さま、それですとだいぶ旅が進まないと、国側に旨味が少ないのです。しかも、最大コインを制限されると、最終局面近くでのボーナスの恩恵が受けらないでわありませんか」

「巫女さま、そもそもこのような限界集落王国にそれほどの予算が必要になるとは思えないのですけれど?5割でも過剰かと?」

「限界集落であるからこそ、資本の投入が、それも早期に必要ではありませんか!」

「そもそも、盛り返すチャンスがあるという前提が、夢見がちすぎるのではないでしょうか?」

「夢を諦めたら、人間そこでおしまいだと思うのですよ勇者さま」

「現実を早くに見た方が、傷は浅いですよ?巫女さま」


 「確かに大量のコインを目の前にして、欲望とかの押さえが効くかどうか、となると、この王様、あまり自信がないですな」

「ないんですね、いや、そもそもそこまで行けるかどうかという、狸の皮算用的なお話でもあるのですが」

「そうですね、まずはテストケースとかを重ねてやってみましょう。そもそも、まだまともに怪物モンスターとも戦ったことがないのですから、勇者さまは」

「主に、キャベツの収穫とか、ベッドでの野戦とかで、レベルが上がってますからねー」



 「ということで、今日は最初の国、というか集落から出て、平原で怪物モンスター相手に、戦闘をしてみましょう」

「はい、巫女さま」

「とりあえず、このあたりには、雑魚の代名詞であるスライムが生息していますので、まずは正面から、根で殴って、戦いかたを練習してみましょう」

「へえ、スライム、粘性がある涙滴のゼリー状の怪物でしたっけ?大きさが、膝までくらいの」

「そうです、有名ですね」

「そうなんですか?そういえば、元の世界でもアクセサリーとかのデザインになっていましたね」

「ゲームとか興味なかったんですか?」

「いえ、一人でそいういうもので遊ぶよりは、友達とか女の子とかと遊んでいた方が楽しかったからですからね、私」

「リアルが充実していた勇者さまだったわけですか……意外とと昨今珍しいのかもしれません」

「普通に生活してただけの田舎の高校生なんですけどね?」



 「あ、現れましたね。スライムです。基本的にはこちらの攻撃が先なんですよね?」

「神様の影響で、戦闘もシンプルになってますからね」

「間合いを小走りで詰めまして、この根、1メートル半ほどの長さのこれで、叩けばいいのですよね、と、世界がセピア色になりましたよ、


 『お仕事:怪物モンスター相手にはじめての戦闘をしてみよう。

(報酬:ドロップするコインなど 経験点:2点+怪物モンスターの経験点)』

 

 ですね。


 攻撃は、基本の50に はやさ の 9 を加えて、59。

 相手の はやさ の 1 を引いて 58%ですね。


 ダイスを転がして、42ですね。成功です。

 根がスライムに命中します。


 ここからが初めてですね、さらにセピア色で時間が止まって、同じように10面のダイスが二つ宙に浮かびますね。


 えっと、1から100までのの数字を任意に一回決めて、武器によるダメージを決定するわけですね、武器によって、そのロールによる数値に対応する値が違うと。


 木の棒というか、根ですと、1~25の間で4、26~50の間で3、51から75の間で2、76から100までの間で1ですね。小さい方が良いのですね、これは、判定の方法性を揃えたのですかね?


 感覚的には、大きな目の方が強い、がわかりやすそうですけど?ここは、いろいろ武器を使ってみて、使い心地を確かめて、神様に改善要求を出すかどうか決めましょうかね?


 ええと、今はダイスを振らなければいけませんね。ころっと、73ですか、2点ですね。

 それに ちから を足して、 合計が12点ですね。


 この12点から、相手の がんじょう を 引いた値が、実際に減少するHPとなるわけですね。

 ええと、スライムの がんじょう は、1ですか。11点のダメージです。

 スライムのHPは2でしたから、余裕で0になりましたね。


 怪物モンスターはHPが0になると、光を放って消え去ります。はい事前情報通りですね、お肉とか欲しい時はどうするのでしょうかね?


 そして、経験点が入って、累積経験点 8→11点に。

 

 さらに、その場に、コインが残るわけです。 


 『勇者トムは1コインを手に入れた。』


 直接通貨が発生しているわけですけど、経済のバランスとかどうなっているのでありましょうか?すぐにインフレしそうな気がするのですけど?」

「その辺りは、神様がバランスを取っていますから。コインの流通量は、最低限コントロールする仕組みを作っているそうですよ、勇者さま」

「そうですか」

「それに、怪物モンスター相手に、コインを稼ぐような職種は、結構少ないですからね」

「この、スライムくらいなら、子供でも倒せそうですけど?」

「普通の人は、戦闘の専門技能とか生えていませんから。まず当たりません。逆にペチペチと反撃を食らって、ゆっくりとやられてしまいます。結構、怖いらしいですよ、じりじりとHPを削られて、逃げても回り込まれてしまって、徐々になぶるように、仕留められるのは」

「うわぁ、想像したくありませんね」

「それに、この辺りに出てくるのは最弱のスライムだけではありませんから、ちょっと格上のものが出た日には、命の危険がマッハでございますよ、勇者さま」

「それは、この目の前に現れた、長い前歯が凶悪な大きなネズミのようなやつでしょうか?」

「あ、それですね」



「と、躱されてしまいましたね。おおねずみの反撃ですか。

 

 相手の攻撃をかわすには、同じく、戦闘の技能ですね。基本は50で、はやさ を足し合わせると。合計は59。で、おおねずみの はやさ 6 を引いて53ですか、しかし、攻撃を命中させるのも、躱すのも同じ戦闘技能とか、簡単すぎませんかね?


 ダイスを振ると、おおっと、80ですか、失敗ですね。


 おおねずみの鋭い前歯が命中しましたね、ダメージは、私の根と同じですか。この辺りは、オートに判定が進みますね、と、最大の4ですか?

 おおねずみの ちから が3ですから、合計で、7点のダメージです。


 私の がんじょう が9で、布の服_厚手 の防護に付け加える点が2ありますから、合計11で、7点を引いても、残りますね。全くダメージが通じませんね?


 もしかすると、神様は、もっと最初のレベルで、集落の外に出ることを想定していましたか?余裕ですね」

「まあ、いきなり平原に行くことも想定して、設定していたというのは、考えらることですね、勇者さま」

「念のために、巫女さまについてきてもらいましたけど、あかね さんの活躍の場はなさそうです」

「それはそれで、良いことですよ、勇者さま」


 「あっさりと、おおねずみも倒しましたね。経験点は3点ですか、これで累積点が14点になりましたね」

「あと2点で5レベルですね、コインは+3まいです。今日の稼ぎは合計4コインですね、半分を国庫に入れるとして勇者の取り分は2コインですね」

「いきなり容赦がないですね!」

「衣食住は、私の神殿で保証しますから、それほど暴利でもないでしょう?勇者さま」

「それはそうですね。では、気をとりなおして、もう少し狩っていきましょうか」

「あまり集落から離れると、強い怪物モンスターが出現しますので注意してくださいね?」

「それ、どういう原理なんでしょうね?」

「一応、あの国は神様に守られています、という設定ですから?まあ、悪くて強い魔王の影響が最低限しかない土地ですから、そこから離れるということは、影響が強くなる=強い怪物が、出現するようになる、という仕組みではないでしょうか?勇者さま」

「魔王にも見向きされない土地とか、どれだけ辺境なのでありましょうか」

「限界集落で、消滅カウントダウン待った無しという、お国ですからねー」




「とりあえず、6レベルになりましたから今日はここまでにしましょうか?


 職業:勇者

 レベル:6

 累積経験値:32 (次は64でレベルアップします)

 ・ちから 15

 ・はやさ 14

 ・かしこさ 15

 ・がんじょう 14


 ・HP:29/29(回復魔法で全快しています)

 ・MP:8/15(魔法を試したので少し減っています)


 魔法の束縛 の魔法を覚えた。


 魔法の束縛:必ず対象に命中します。使ったものの、かしこさ の分だけ対象の はやさ を減らします。消費MPは3です。注意、この魔法が効かない対象も存在します。


 この魔法も強くないですかね?」

「強いと思いますよ?昔、国にいました警察とかを兼ねていた魔法を使える兵士さんが、使用していましたけど、 はやさ が 0になると動けなくなりますから、犯罪者とか捕まえるのに重宝していましたね」

「へえ、そんな人がいたんですね」

「今は、人口減少から、国民すべて顔見知りだけになったおかげで、犯罪者がいなくなったので、その兵士さんは、出稼ぎに出ていて、国許を離れていますけど」

「国の要職がどんどんいなくなってるんですけど、大丈夫なのですかね?」

「……まあ、勇者さまには、期待をしていますとだけ言っておきます」


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