42_シンプルさんが息をしていない状況でさらに追い討ちをかける所業。
「はい見事にトラブル発生ですね、王都近郊で魔王の配下に襲われていた集団を助けてしまいました、経験点的には美味しかったですし、不意打ちで片付けたので、楽ではありましたが。
なにやら、封印がどうのこうの、結界がどうのこうのとか、しゃべっていましたが、あとで、行動記録を確認しましょう。
親玉を背後からの、忍び足、能力値増強からの、一撃、目の前の人間に何かとうとうと演説をしていましたから、意識が背後からそれていたのでしょうね」
「いや、それだけで、魔王軍の幹部、四天王、毒土のモゲラー二を一撃で倒されてしまうと、命を守るのにも苦労をしていたわしらの立つ瀬がないのじゃが?」
「四天王?仏教用語でしたっけ?毘沙門天とか、その辺りでしたかね?以外と魔王軍というのは、宗教的な組織なのでしょうか?であるから、結構やることが過激なのでしょうかね?」
「世の中の宗教組織を真っ向から敵に回すその物言いいはどうかとは思うが、いや、とりあえず助かったで良いのかな」
「私の敵は、魔王とその一派ですから、そちら側が、魔王軍の仲間割れとかで同じ陣営のゴタゴタでなければ、助かったでよろしいかと?そうそう私の名前はトムと言います。旅人です、大地を駆ける一筋のアスリートと言ってもよろしいかもしれません」
「言っている意味はよくわからないが、わしは、サブマーリンという役割的的には、魔法使いにして、立場的的には、王都の学園の理事長であるな」
「学園?というか名前が潜水艦?」
「そうじゃ、貴族、平民に広く門戸を開いておる、先進的な技術やら、魔王に対抗するための戦力やらを揃えるために、多くの若者を集め、教育している、先進的な機関であるぞ」
「そういうのもあるのですか、いや、初めて知りました」
「結構大々的に、国内では募集とかしておるし、国外からもその教育内容やら、研究設備やらの充実がすごいので、問い合わせが殺到しておるくらい、知名度が高いのであるがな?」
「あー、私、外国人ですので、それも結構辺境?あたりのですからねー」
「田舎者であったか、いやそれならば仕方あるまい」
「何気に失礼な老人だなぁ」
「それで、王都を守る結界?のようなものは大丈夫でしたのでしょうか?」
「きわどいところじゃったが、補修が間に合ったわい、まさか、郊外実習に出た瞬間を狙って、要石を攻めてくとは思わなかったがな」
「なるほど、生徒さんに、それらを見せようとしていたのですね。見学会が、魔王の配下とブッキングですか、双方運がなかったような気がしますねえ」
「どうやら、学園側の人員に魔王と通じているものがおったらしくての、見学で内側の魔方陣の配列を説明しておる時に、細工をされてな、ものの見事に不意を打たれて、防御するだけで精一杯という感じになってしまったのじゃよ」
「へえ、ちなみにその裏切りものさんはどうなったので?」
「戦闘に巻き込まれて、塵となりましたな」
「結構物騒な戦いだったのですね」
「まあ、ワシ結構強い魔法使いじゃからな。これ自慢じゃが、王都でおそらく一番じゃな、国全体で見てもまあ5本の指に入るぞ」
「この学園長がいないときに魔王が攻めたらよかったんじゃないかな?いや、これを機会に戦力を削ぐために一挙両得を狙って、攻めたのかな?」
「そうじゃな、実際お主が闇討ち?不意打ちをしてくれなければ、かなり厳しかったろうな。生徒を見捨てるのは最後の手段だったしの」
「あ、見捨てる選択肢もあったんですね。聞かされた、後ろの生徒たちの顔が青くなってますが?」
「その程度の覚悟がない、情けない生徒は、この学園にはおらんよ、なあ」
「結構引きつった笑顔のように見えますね、生徒さんたち」
「この国の王都って、結界で守られているのですね」
「そうじゃよ?これも結構有名な話のはずじゃが、そう簡単には魔王の配下とか怪物が潜入出来なくなっておるぞ。仮に潜入出来ても結界のおかげで、その能力はかなり制限されたものになるはずじゃしの」
「侵入自体はできるんですね」
「ひどい頭痛に悩ませられるようじゃし、一定のレベル以下のものじゃと身動きも出来なくなるがの」
「結構有用ですね」
「維持するために、郊外に6箇所要石が必要じゃがの、要石自体も結界の範囲何に入っておるから、本来なら常駐の警備員とかで十分対応できるのじゃがなぁ、今回は綺麗に策にはまったようじゃ、敵ながらあっぱれじゃな」
「そういうノリでよろしいのでしょかね?」
「結界の話って、機密性の高いものじゃないのですか?怪しげな外国人に教えてもよろしいので?」
「少し調べればわかる、子供でも知っている話じゃからな。むしろ大きく宣伝して、王都の平穏が維持されている根拠として、市民の心の拠り所とかになって、治安の維持にも一役買っておるからの。さすがに仕組みとか、解除方法とかは秘匿された情報じゃが、そういうものがここにあるという事実は、別に隠す必要はないぞな」
「なるほど、示威行動の一環のわけですか」
「みんな大丈夫か!助けに来たぞ!」
「あ、イケメンですね、金髪の少年?ですかね、綺麗な剣に鎧ですね」
「おお、セイバー生徒会長、それに、フローラさん達も、助けに来てくれてありがたいが、もう事態は収拾したのじゃよ」
「はあ?!魔王の四天王が現れたのではなかったのですか?」
「こちらのトムさんという旅のお方が、討ってくださいましての」
「本当ですか?!いやええとそれは良かったのですけども?……あれ、こんなシナリオ展開ありましたっけ?」
「どうしましたか?フローラさん?」
「い、いえ、その」
「フローラさんみたいな、ピンク色の髪って初めて見ました。あと、助けに来てくれた他の生徒も美形ですが、髪の色が青とか緑とか黄色とか赤とか、独特ですねー、染めてあるようには、見えませんが、地毛でしょうか?」
「無事ですか、皆さん!」
「今度は、銀髪のお嬢さんですね、多数の兵士を引き連れていますね」
「シンシア女史まで来たのですか?いえ、無事ですよ、先ほどもセイバー生徒会長達にも言いましたが、こちらのトムさんが、危ういところを助けてくださいまして」
「へ?いや、そういうこともあるのですかね?……まあ、現実では、そういうこともあるかもしれませんね」
「シンシアさんて、所属はどこなのでしょう?学園長」
「成績優秀な生徒だぞ、しかも伯爵令嬢で美人。ちょっと性格はきつめだが、いやそれがいいというコアなファンは多いぞ」
「結構余計な情報が入った気がしますが、ありがとうございます」
「私言われるほど、きつい性格ではありませんでしてよ?風評被害ですわ!」
「少し時間が経過しまして、現場で、事情徴収中です、目の前にいるのは、衛兵長だそうです。あと、学園長さんも一緒に来てくれました。
それで、事情と申しましても、王都へ向かって旅をしていましたら、戦闘に巻き込まれそうになりましたので、速やかに中心となっている怪物を狩った、ぐらいしか言うことがないのですが?」
「いやさすがにそれで衛兵が納得するのもどうかと思うのじゃが、まあ、生徒の命の恩人だからな、便宜を図ってくれ」
「サブマリン様がそうおっしゃるのでしたら……」
「一応これが冒険者カードの代わりになるので、どうぞ身分証明です」
「あ、国外の冒険者組合所属者でしたか、はい、ありがとうございます。確認しました、身元保証人がロビン辺境伯さまになってますね?」
「そうなのですか?いつの間に、ええと、まあ、コネクションは成立しているのでいいのでしょうかね?」
「なぜに疑問系なのかの?辺境伯のところの子飼いじゃったか?むしろ秘蔵っ子と言っても良い実力じゃなぁ」
「不意を打てば誰でもできそうですけどね?」
「その不意を打てる実力と、一撃の大きさを両立させるのが難しいのじゃがな」
「そういえば、怪物の死体が見当たらないのですが、学園長」
「トムさんの一撃で跡形も残らず吹き飛んだようじゃぞ?」
「すごいですね」
「いえ、死体が消えるのはこちらの仕様ですので、それほどのことでは」
「「仕様?」」
「こちらの話です」
「これからどうするのじゃねトムさん」
「王都へ入ったら、帰宅しますね、学園長さん」
「帰宅?家が近くにあるのかね?北方辺境伯領からの旅人だと思ったが?」
「まあ、その辺りはなんとでもなりますので」
「もし泊まるところがなければ、我が家の招待するが?」
「あ、それは結構です」
「そうか、食事と寝床くらいは提供するし、いろいろと話も聞きたいから、結構歓待するつもりじゃが?」
「あまり遅くなると妻の機嫌が悪くなるのですよ?」
「妻帯者じゃったか!」
「いろいろと、聞きたい話もあるので、また会いたいのじゃが?」
「明日にしませんか?今日はいろいろ疲れましたし、疲れたでしょう?」
「そうじゃな、では明日、学園を訪ねてくると良い、大抵はそこにおるからな。門番とかには伝えておくぞ」
「わかりました、では明日ですね。
ところで、あの桃色の髪の女の子と、銀髪の女の子が、何やら言い合っているのですが?口喧嘩?というか、当てこすり?周囲の男子陣がフォローしているような、油に火を注いでいるような、よく分からない状況になっていますが?」
「いつものことじゃな、フローラさんは男性からの好意を受けやすい女子でな、シンシア嬢はもう少し節度を持って殿方に接するべきでは、という立場じゃな。まあ、ちょっとした青春のスパイスのようなものじゃろう?」
「激辛の様相ですけど?」
「……セイバー生徒会長と、シンシア嬢は婚約しておるからのぅ。不誠実とか、浮気を疑われているとか、そのような面白おかしい状況も発生しておるので、野次馬的に楽しめるコンテンツでもあるぞ?」
「それでいいのか教育者の元締めが、というかかなりドロドロしているような?」
「シンシア嬢が大人の対応というか、冷静にいなしているので、フローラ嬢が空回りしている様相でもあるからな、それほど深刻には捉えとらんよ。まあ、どうしようもなくなったら、介入するつもりではあるがの、早めに対応したら、生徒の成長を促せないからのう」
「泥沼の恋愛問題で、生徒か何を学ぶのか、非常に気になりますが、まあ、私には関係ありませんかね?」
「ちなみに、セイバー生徒会長に王位継承権があるというところが、最高のスパイスなわけでな」
「いやそれは早めに事態を収拾しろよ、学園最高権力者。……他人事ながら、この国の行く末が心配になりますね」
「というようなことがありましたが、こちらは通常運転で帰宅しました、ただいまです巫女さま」
「おかえりなさいませ、勇者さま。まあ、すでに一体四天王を倒されたのですね」
「弱かったですね、まあ、不意打ちでありましたから、それほど異常ではありませんでしょうが」
「基本最初に倒される四天王とか、3星とか、7幹部とかは、最弱なのがお約束なのだそうですよ?」
「どこの世界の約束なのでしょうか?テーブルトークRPGのお約束なのでしょうかね、
結構な経験点が入りましたよ、四天王?一体で32,768点ですか、それに道中に吹き飛ばしていた怪物と王都到着の仕事分の経験点を加えまして、
累積経験点:1,083,372点
所持コイン:505,000枚 (ざっくりと国庫に入金済み)
ですね、次にレベルアップするまでに、100万点は切りましたね、先が長いような気もしますが、あっさりと万単位の経験点が手に入ったりしたので、レベルアップは思ったより早いかもしれませんね?」
「イベントボスキャラであったので、経験点にボーナスがあったのでしょうかね?勇者さま」
「その可能性はありそうでですね、ということは、四天王を後、30体ほど狩れば良いのでしょうか?」
「勇者さま、普通四天王は4体ですので、後3匹しか狩れないと思います」
「……時間の経過で補充されませんかね?むしろ、いっそ養殖とかできないでしょうかね、こう四天王の生簀とか作成して、適度な時間をおいて狩りに行くとか?」
「釣り堀じゃあ、ありませんでしょうに、勇者さま。……やるなら牧場でありましょうかね?」
「経験点稼ぎ用に、四天王牧場ですか、一考の価値があるでしょうか?巫女さま」
「結構目が真面目ですね、勇者さま」