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41_シンプルになると、何時から僕らは誤解していたのであろうか?

 「ちょっと待ってくださいね、辺境伯、予定を確認しますので。

 メモ帳を見ますと

『お仕事:王都に到着しよう 取得経験点:256点

(報酬:辺境伯からの金銭と、王都関連のコネクション)』

 

 お仕事が依頼されたなら文句もありませんね、その依頼引き受けましたが、細かいところを詰めて行きましょう」


 「王都までは馬車で一月ですか、1日40キロくらい進むとして、1200㎞離れているのですか?まあ、馬車の速度はそれほど早くないですからそんなものでしょうか?

 そうですね、正確な地図とかはないですか?なるほど、あっても戦略上の機密だから渡せないと、まあ、そのへんはなんとかなりますかね?街道沿いに進んでいけば問題ないでしょうし。えーとショートカットとかもするとして、時速100㎞で巡航するとすると、最遅で12時間ですか。障害物とかあるとすると、また分かりませんが、訓練がてら、走りきってもいいかもしれませんね?」

「走る気か!?」

「まあ、そこらの早馬よりは早いですしね、私。途中の宿場町を経由すれば、かなり楽に行けるはず?しかし結構離れているのですね、王都からは」

「この大陸全体が一つの国だからな、結構広いぞ。まあ、辺境伯領は、ほとんど独立しているようなものだが」

「王都の位置は、ここから南東ですか。街道が曲がりくねっているのは、険峻な山を避けたり、大河を迂回して幅の狭いところにかけてある橋を経由するから、とかでしょうかね?まあ、ためにし王都の方へ行ってみましょうか?

 とりあえず、報酬のお話をしましょうか?」

「金銭的な後押しは確定だな、あとは、魔王を退治するのだろう。王国内の後ろ盾はあったほうがよかろう、全面的に私の名前をつかって構わない。あとは、そうだな、兵力が必要なら、国を一つ引っ繰り返せるぐらいの規模で準備できるぞ」

「兵力は当面いらないですかね?後ろ盾はあったほうが良いと思います。多分王都に行くと事態がさらにややこしくなる可能性が高い気がしますし。人間に化けた、悪魔の使いを倒す時にも、その周囲の状況を波立たせないようにしていただきたいですし、ええ、利用させていただけるなら、これは嬉しいですね」

「うむ、そのあたりは問題ない。王都在中の部下を紹介しよう」

「ありがたいですね、ではそのあたりで手を打ちましょう、随時報告に来れるようにはなると思いますので、まあ、王都に辿り着ければ?」

「その機動力は本当に恐ろしいものがあるなあ」




 「というわけで、ちょっと王都に行くことになりましたので、若女将さんには、アレスさんたちのフォローをお願いします。まあ、こちらに来る頻度は変わらないわけですが、おそらく?空いても、1日くらいでしょうね」

「かしこまりました、ご主人様。今日は、結構早いのですね?」

「時間が中途半端にできましたので、どうします?」

「私の口から言わせたいのですか?」

「ええ、是非に」

「……♪」

「耳元で囁かれるのも、感じますね。いいですよ、してあげますね」




 「結構早く、若女将が果ててしまいましたね?やはり ちから が上昇しているせいでしょうか?

 さて、ちょとニチ村に声をかけておかないといけませんね、帰りがけに寄りましょう」



 「ニチ村です、ニッチ村長、今日は」

「ありゃ、トム様です。今日はどんなご用件で?」

「じつは、この村に若い冒険者が数日後、おそらくは7日後、前後1日くらいで訪れるんだ、パーティの代表者はアレスという美少年だ」

「はあ」

「この一行を私が迎えに来るまで少し留めておいてほしいんだ。アレス一行には、6日後から8日後までは私がここにいることを伝えている」

「もちろん、村の救世主であるトム様の頼みですから、良いですよ?納税しすぎた税も戻ってきましたし、その一行が20人とかでなければ、十分に歓待できます」

「そこまで多くはないよ、全員で5人だね。若い女性だらけだから、そのあたり注意してあげてくれ。技量的にはかなりの腕前の冒険者だから、うっかり手を出すと、痛い目を見るから、そこは注意しておくように」

「トム様のお客さんに無礼を働くようなやつは、この村にいないとは思いますが、一応注意しておきます」

「よろしく頼む、後、これは食料の補填とか、備品の補充とかに使ってくれ、100ルーナほど入っている」

「あ、これは普通に助かります。遠慮なくいただいておきます」

「それから、私の住んでいる国への移住とかしたい村人は決まったかな?」

「今話し合いの最中ですが、10名ほど、移住希望者が出る予定ですな」

「そうか、タイミングが合えば、アレスたちが来た時に合わせて、引き連れていこうかと思っているのだが?」

「それでは、そういう段取りで、行かせていただきますね」

「よろしく頼みます」

「はい、トム様」


 「さて、森の移動を確認するために、東の森をちょっと踏破し直してみようか?いや、さすがに夕方が過ぎ、日が落ちると危ないか?

 ……魔法で探索を常時展開してるなら、別に関係ないわけか。

 では走ってみますか」



 「ただいまです、巫女様。魔法の快速を使用すると、あっという間に東の森を抜けることができることが判明しましたよ。」

「お帰りなさいです、勇者様。この薄暗がりの中、走られたのですか?危なくないでしょうか?」

「魔法で探索を使用すると、特に暗闇でも問題ありませんね、綺麗に怪物モンスターも置き去りに出来ましたよ」

「そうですか、本当に強くなられになりましたねぇ、勇者様」

「もう巫女様の拳でも宙は舞わないと思いますよ」

「そういうこともありましたね」



 「明日からは、領都から、走り出して、王都まで行ってみようと思います」

「新しい依頼でありますか?」

「はい、辺境伯様からのと、テーブルトークRPGの神様の仕事になります」

「あ、久しぶりですね」

「そろそろ神様世界でのゴタゴタも、落ち着いてきたのでしょうかね?」

「そうだといいのですが、それでどのくらいの時間がかかりそうでしょうか?」

「道程で言うと1200㎞ほどとのことだから、直線距離だと、1000㎞くらい?とふんでいます、巫女様」

「1日100キロ進むとして、12日ですか?勇者さま」

「貴族が馬車で移動すると、30日かかるそうです巫女さま」

「1日40㎞ですか?遅くありませんか?」

「時速5キロで、8時間進む、と考えるとそれほど不思議はないかと?道の状態にもよりますが、馬車は徒歩と同じくらいの巡航速度になるようですね」

「そうなのですね、では勇者さまも30日ほど旅の空でしょうか?」

「魔法の定期パスがあるので定期的に帰還しますし、そもそも新しく覚えた、魔法の快速を使用していきますので、かなり早く到着する予定ですね、それこそ1日で走破するのを目指したりしますよ、巫女さま」

「時速120㎞で、10時間ですか、それほど無茶な数字に見えないところが、常識をそろそろ見直さないといけなくなってきている気がしますね、勇者さま」

「魔法の加速を使うと、はやさ を135程度にはあげたままで走れるからね。あとは、集中力が切れないようにすれば、問題ないですよ。どれだけ重ねられるかも、試してみれば、最高速度はさらに上がる可能性があるからねえ、巫女さま」

「何かに衝突しないことを願いますね、人が、馬車を跳ね飛ばすような事故がおきかねませんね」

「まあ、実際、弱めの怪物モンスターとかなら、一撃でありましょうね、なるほど、今度はそうしてみましょう」

「まるで、走る災厄ですね、勇者さま」

怪物モンスターの災厄なら、人間にとっては福音でありましょうさ、まさに勇者の所業といったところです」

「その悪い笑みがなければ、結構いい話なのでありましょうね」



 「テーブルトークRPGの神様も、神様世界でのゴタゴタがひと段落したみたいですね、書き込みがありました。


 『転生冒険者成り上りものの神様と、転生迷宮作成者暗躍ものの神様は締め終わりました。この大陸はテーブルトークRPGの神様であるところの吾輩に優先権があるのに、結構好き勝手されてしまって、リソースが消費されてしまいましたが、きっちり補填させましたので、勇者トムの冒険はこれからが本番です』


 微妙にもう冒険を終わらしていいようなフレーズな気がしますが、続くのですね。

 

 『ただ、まだ、他の神様の影響が我が大陸を侵食しているようであるので、その排除が必要だ』


 単純にテーブルトークRPGの神様がへっぽこなだけな気がしてきましたね、どれだけ、入り込まれているのでしょう?


 『それでだ、王都に行く仕事を依頼したのもその一環である。どうやら、王都を中心にして、別のジャンルの小説を司る神が暗躍しているらしい、勇者トムには、この神の正体を突き止め、その核となっている存在を排除するか、心を折ってほしいのだ』


 なるほど、了解しました。


 『なお、他のジャンルの神々が残していったリソースは、勇者トムがそのまま利用できるように細工をしておいた、しかしちょっとバランスブレイカーであるので、使用する際には注意が必要じゃ……というか、もう十分に遠慮なく使い倒しているようであるな!テーブルトークRPGの神様もびっくりじゃ。

 副作用がないように、経験値が入らなくなるような制限をかけておいたので、素材を手に入れることぐらいしかできないが、十分に活用するがよかろう。

 ちなみに、財宝として用意してあった武器も使用可能じゃが、今の装備より強いものは存在せんぞ?

 というか、速攻で竜素材装備を作られてしまうと、先々のアイテムが相対的に劣化するんじゃがのう……。

 まあ、これも、他の神が干渉してきた結果だから仕方あるまいが、ううむ、そのあたりのことを計算して、テストプレイの結果を考慮することにしよう』


 あ、ダンジョンのリソースはもっと大胆に使用しても良かったのですね、なら遠慮なく。


 『魔法の効果もこちらの想定外なくらいの威力を見せておるようじゃ、それらもまた他の神様の影響に違いない、わしが適当に設定したせいではないぞ、本当だぞ?下手にバランスの調整もできなくらい、世界が混沌としてきたので、怖くて初期設定からいじれなくなったわけでは、ないんだからね!』


 なんでしょうかね?このノリは?

 まあ、そのままの感覚で使っていけば良いとのことですね、了解しました。


 『以上現状の確認であった。それでは引き続き任務遂行よろしく』


 はい。で、今度は、何のジャンルの小説を司る神さまなんでしょうか?

 それにしても、侵食されすぎですね。

 元々混ぜられやすい神様だったのかもしれませんね、テーブルトークRPGの神様って」




 「56日目の朝です。

 累積経験点:1,059,126点

 所持コイン:503,825枚

微増しているのは、魔法の快速で移動時に引っ掛けた怪物モンスターの経験点が入っているからですね、なるほど、コインも自動的に取得していますね、便利な仕様です」

「気が付かないうちに、引いていたのですか?勇者さま?」

「幽霊系列だと、本当に反動がありませんからね、おそらく東の森で、何体か轢いたのでしょう。素材を撮り損ねましたかね?」

「ちょっと哀れではありますね」

「まあ、今度通る時は少しは手を合わせる振りでもしておきましょうかね?」



 「では今日は予定どおり領都まで一度、魔法の定期パスで飛んで、1200キロ先の、王都まで走ってみようと思います」

「勇者さまの能力とか知らなかったら、何を言っているのかわからない台詞ですね」

「まったくですね、では行ってきます、一応、夜には戻る予定ですが、もしかすると、先で一泊するかもしれません」

「了解しました、いってらっしゃいませ」



 「魔法で探索を使用すると、方位もバッチリ把握できますので、コンパスいらずですね。さて、方角を確かめて、領都を出発しましょう、安全のために街道を通りましょうか?それとも目立つのを防ぐために、外れて動きましょうか?」


 「まあ、真っ直ぐ行ったほうが、早いですよね、少々の道の悪さは、このバカ高い能力値でなんとかなりますし。

 山を越えて、谷を越えて、と、跳躍力も半端ないですね、幅跳びで100メートルくらい跳んでいませんか?

 高さ的にも、20メートルくらいは余裕ですね。

 途中の怪物モンスターは基本回避で良いですね、今回は速さ重視で。

 相手に気がつかれる前に、走りされるというのは、かなり便利ですね。

 だいたいの植生とか、分布とかは後で、神様のメモ帳を見ながら、確認しましょう」



 「空を飛ぶ怪物モンスターはさすがに振り切れませんかね?

 ……振り切ってしまいましたね、最高速が少し上がったような気がしますよ。

 慣れてきたら、もう一段階くらい魔法の快速を重ねがけしてみますかね?」



 「できるものですね、これで、3重がけですか、はやさ 180 とか、息が苦しくなるレベルですね。

 実際にはそんなことがないのは、はやさが上がった時の不具合も、打ち消していく魔法の力が働いているのでしょうか?

 それとも、がんじょう の能力値 で無理やり防いでいるのでしょうか?

 案外、竜系の装備のおかげかもしれませんね、この辺り、後で少し検証してみましょう」


 「途中の宿場街には、少し寄ってみましょう。魔法の定期パスの、位置指定をしておかなければいけませんからね

 まあ、中には、入らないわけですが」


 「さて、このペースだと、本当に今日中に、王都につきそうですね、何事もなければですけど、


 こうやって”旗”を立てておけば、逆に大丈夫なのでしたっけ?」


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