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03_シンプルなシステムですか?

 「さて、もう一度確認しましょうか。仕事とかによって経験点が累積されて、自身が成長するシステムですね。以下、10レベルまでに必要な経験点の表を書いてみましょう。


 レベル = 累積経験点 2の何乗 で表を作るとして。


 1レベル=0点 (空欄)

 2レベル=2点 2の1乗

 3レベル=4点 2の2乗

 4レベル=8点 2の3乗

 5レベル=16点 2の4乗

 6レベル=32点 2の5乗

 7レベル=64点 2の6乗

 8レベル=128点 2の7乗

 9レベル=256点 2の8乗

 10レベル=512点 2の9乗


 つまり

 Xレベル = 2の(Xー1)乗 分の累計経験点が必要と。

 仮に、新しいことに挑戦するという神から与えられた仕事を一つこなすごとに2点経験点が入るとして、10レベルまで上げようとすると256回、こなさなければならないわけですか。当然、慣れた仕事では経験点が入らないわけですから、熟練すればするほど、レベルが上げにくくなるわけですね。つまりは人間の限界に近づいていくと。

 で、だいたい神からの仕事が平均で10日に一度とかの頻度であるとすると、2560日ですか、一年が365日くらいだとすると、7年弱ですかね?とすると、もう少し、危険の少ない仕事でレベルアップをするんじゃないかなと予測する一般人なら、平均レベルは上じゃないでしょうかね?」

「そうですね勇者さま、ちなみに、世界はシンプルに、一年は360日で、12ヶ月、一月は30日に調整されていますね」

「あれ巫女さんいたんですね?それはとても私のような異世界からの勇者とか、訪問者とかに都合がいいのですが?」

「はい、私は今しがた、来たところです。で、日月ですが、つまりは、異世界から訪れた勇者さまたちを無駄に混乱させないために、惑星周期とか自転の速さとかを調節したとか、神様たちが言っていましたから、間違いないと思いますよ?」

「そういう労力は別のところに使ったほうが良いのではないかなぁ、神様ズ」


 「長く生きていると、だんだんと神様からのお仕事の声が聞こえなくなりますので、そうですね、年齢で、100を割ると年間で得られる仕事の数と、ちょうど合うくらいですかね?体感ですと」

「1歳未満ですと、日々が仕事に埋もれますよ?」

「ああそれは、だいたい、神さまからの仕事が成功する見込みがあるくらいまでは、声がかかりませんし、絶対的に見て手強い仕事でなければならないですから、そうですねだいたい8歳から12歳の幅で、最初の神さまからの仕事が始まりますね」

「私は、キャベツの収穫で経験点をもらったのですけど?」

「キャベツの収穫を甘く見てはならぬ!」

「いや王様、どこに辛く見る要素があるのですか?」

「……味が左右される切り方とか、旬を見分ける目とか、後、腰がなギクってならないようにするための技術とか、芋虫にびっくりしない精神とか」

「あー王様芋虫が、苦手でありますか」

「今は克服したわい!」

「いや偉そうに胸をはられても……」


 「ええと、仮に10歳で神の仕事を始めたとして、一年めは10回、端数を切り捨てて、11歳で9回、12歳で8回くらいですかね?13歳で7回、14歳でも7回、ああつまり、ええと、年齢をXとすると、積分でいいのか、とりあえず100年生きるとして?


 ∫ 10→100(100/X)


 ですかね?」

「そうですね、1/x は、積分すると、log |x| ですから、

log 100 - log 10 で 自然対数表どこでにありましたかね?ああ、これです。あてはめまして。


4.60517-2.30258 = 2.30259 ですね。


  つまり、生涯で、230回、経験点でいうと、460点くらいになるんでしょうか?」


「特定の危険が少ない仕事一筋で、10レベルを超えるかどうか、というところでしょうか?後、意外なまでに、数学が進歩している世界であるという事実に驚愕なのですが?」

「乙女のたしなみですので、ほほほほほほ」

「乙女のレベル高いですね」


 「20歳くらいまででだいたい、仕事が70回、獲得経験点が140点くらいですから、8レベルくらいが青年の平均でしょうか?」

「ええと能力値の伸びが、

 

 ・一般人は一律1上昇の、1点任意割り振りなので勇者は優遇されている。

 

 ですから、一点集中で、16くらいで、平均的に成長すると、だいたい10くらいになるわけですかね?」

「そんなところでしょうね」

「計算は合いますね」

「まあ、合わせるために定数とか、式を構築したと、神様は言っておられましたし」

「それは色々台無しじゃあないかな、巫女さま?」


 「レベルの限界は99なのですね」

「そうですね、累積経験点は、2の98乗ですから、ええと」

「2の10乗が1024でしたから、それを9回、掛け合わせて、さらに、2の8乗の256を掛ければいいですね、ええと、


 316 912 650 057 057 350 374 175 801 344 点ですか?


 ええと、単位をつけて読むと


 31穣6912”じょ”6500垓5705京7350兆3741億7580万1344点


 ですね。確かに限界にふさわしいような累積経験点数っぽく聞こえます」

「でしょう」

「いや巫女さんがドヤ顔になる必要はないのでありますけど?」


 「ちなみに人の一生が100年とすると、秒換算で、3億くらいですから、一秒に10垓点ほど稼がなくては、届きませんね」

「巫女さま、単位がおかしいです」

「神様も、やべ、やっちまったかも?と、思わず言ってしまったとかしなかったとか?」

「簡単ではあるのしょうけどねぇ」

「おそらく、終盤では経験点がインフレするのでしょう」

「いや、終盤って何ですか。というか、巫女さまの視点ってどこからのものなのか改めて不思議に思います」

「(似非)神様視点ですかね?」

「神様の前に何かついてましたよ!」

「もしくは、(似非+邪)神様視点ですか?」

「いや、さらに付け足したらいいというものでも」


 「まあ、日常的な感覚でピンとくるあたりの数値で考えますと、100万点を越えたあたりで到達する20レベルくらいが、一つの区切りになりそうだと予想するのですが?」

「そこの斜め下を行くのが、われらが神様クオリティではないでしょうか?勇者さま」

「巫女さまって、神様敬ってないよね?」

「なぜばれましたか!」

「一応隠す努力はした方が良いのでは、あの神様、けっこう落ち込みやすいですよ?」

「タフなのも知ってますし。それはともかく、悪くて強い魔王様と対決するには、最低でも20レベルくらいを想定しているとのご神託がありました、30レベルだと余裕があるのじゃないかな、と、裏ボスへ挑むなら、40から50くらいはあった方がよろしいようですよ?」

「ええと、悪くて強い魔王の後にもそんな存在がいるのですか!」

「あ、これはネタバレでしたね。お忘れください。そもそも、他の神様との兼ね合いもありますから、けっこう未確定な情報ですし、あくまでも、その先があるとしたら、このくらいじゃないかなという、感触というかふわっとした感じですから」

「あいかわらずの、行き当たりばったり感になんだか安心してしまいました」


 「あと能力値にも限界があるのですね、

 

 ・能力値の上限は255です(ある種の伝統を踏襲しています)


 かっこの中の解説は、多分何かのジョークですね。2の8乗に1足りない数なのが、ポイントなのかもしれません。まあ、成長時の振り分ける点数を、一点に集中しても、63レベル以降ですから、あまり関係ありませんね」

「直接能力値を増やせるような、魔法的なアイテムがあるかもしれませんよ?勇者トムさま」

「それって、バランスを崩しませんかね?よくわかりませんが?」

「救済策が必要になるような成長をしてしまう勇者さまとか、いるかもしれませんし」

「……まあ、報酬として出されたら、強烈な動機、いわゆる”引き”になる可能性はありますね」

「うっかり敵が強すぎたりした時とか厳しすぎるお仕事になってしまった時とかの、世界のバランス調整もしやすいですね、とニッコリ笑って言ってみる、巫女ちゃんです」

「うわあ、ご都合主義が半端なくお仕事をしそうな気配がします」

「さすが我が神様クオリティですね」

「ある意味信頼はしているわけですか」



 「職業というものに、実際的で数値的な効果があるようですね。


 ・能力値の上昇はそのものがついている職業による。


 勇者という職業、の他にも、目標を達成するために便利な職業とかあるのでしょうか?」

「巫女とかどうですかね?一応怪我とか疲労を回復させる魔法とか使えますし、能力値の伸びは かしこさ が優先されますけど、一応 ちから すばやさ がんじょう も一般人よりは伸びやすいですよ?」

「ぜひ仲間にスカウトしたいですね」

「嫌ですよ、命の保証がない職場とか、どれだけブラックなんですか」

「神様に拉致られて、そういう職場で働いている、勇者の前で言う台詞ですか、巫女さま」

「知ってますよ、相応の報酬が約束されている上に、最低限命と精神の保証はされているということは」

「ちっ、結構世間慣れしてやがりますね、田舎者のくせに」

「意外と性格悪くないですか?勇者さま」

「冗談です」

「あわよくばとか考えていたことが、丸分かりなのです。やりますね、わくわくしてきました」

「巫女さま意外と鉄火場向きでした!」


 「旅の仲間(肉の壁)とか欲しかったのですけどねぇ」

「かっこの中の本音は、もう少し隠した方がよろしいかと勇者さま。基本我らが神様かっこわらいは、単独での勇者冒険譚を予想して、バランスを整えていますので、諦めてください」

「ヒーローは孤独だ」

「バランスを調整して、勇者トムが結果を残してくだされば、次回作からは複数人で協力して、とても強くて悪い魔王を倒す世界をリリースできるかもしれません。なので、今回は頑張って一人で、バランス調整役を全うして、使い潰されてください。お願いします、私の勇者さま ぽっ」

「いや、使い潰されくださいとかおっしゃられた後で、頬を染められても、怖いだけなのですが、ちくしょう、顔だけはいいので騙されてあげましょう、私はいい男ですから」

「顔だけはいいだなんて、ありがとうございます。実は体つきにも自信がありますよ?」

「本当に巫女さまなのか?神性さがまるでなくて俗っぽすぎるんですが?」

「私の奉じる神様って、あれですよ」

「納得しました」

「それはそれでひどいような……」


 「魔法とか、どうなっているのでしょうね?


  魔法の矢:消費MP2

必ず対象に命中します。

かしこさ の分だけ対象のHPを減らします。

注意、この魔法が効かない対象もいますので過信しないように。


 現在MPが5ありますから、2回発動できて、HP減少量は5点ですね。私のHPが9点ですから、無条件で2回発動されれば、倒れてしまいますよ?強すぎませんか?」

「まあ、魔法使いとか勇者とかの比較的稀な職業の方々しか覚えられない、超能力みたいなものですから、結構強めなんだそうですよ?でも、接近戦の間合いですと、魔法を使っている間に殴られたりしますし、逆に殴ったりもできますから、それほど無敵というものでもないです」

「射程距離とかあるのですね、いかほどですか?」

「会話ができるくらいが、射程距離ですかね?走ったら殴り掛かれるくらいと言っても、よろしいでしょうか?」

「アバウトですね」

「明確に距離とか決めてしまうと、後々辻褄合わせが面倒臭い……もとい、精神とかが、その場の、ええと、魔法的エネルギーに影響を受けてしまうので、その辺りは感覚で、なんとなくとしか判断できない、ということでしたよ、勇者さま」

「前半本音が漏れていましたが、一応納得しておきましょう」


 「魔法の習得はレベルに依存するのでしょうか?」

「そうです、勇者の場合は、2の倍数の時にだけ習得できますね」

「習得する魔法のリストとかあるのでしょうか?一応成長の指針にしたいですね」

「そこのところは、初見のドキドキ感を大切にしてください、の文章の後に、星マークとキラっていう擬音が入ったご神託がございますね」

「まさかネタに走る気じゃあないだろうな?ただでさえ単独走破が前提なのに、魔法とかのリソースで遊ばれるとかシャレにならないんですが」

「『ギクゥ』だそうですが、まあ、基本そこまでひどいことにはならないのではございませんか?」

「ほう、それは何を根拠に?」

「ただでさえ、その力が少ないマイナーな神様ですのに、そのわずかな力をジョークに回すほど余裕はありませんよ。よっぽどそういうネタに走るような残念な性格をしていないと……ええ、ありえませんね、絶対にないですよ!」

「何だか、そう断言されるたびに、かえって不安になるのはなぜなのでしょうか?」


 「根本的に魔法ってどういう仕組みなでしょうかね?」

「神様の結果が先に来て、過程を捏造する力を利用しているのではないですかね?まあ、世界にある魔法のエネルギーというものを具現化しました、とか言ってれば、簡単で、この世界では、どこからも文句が出ないのでは、勇者さま?」

「物理法則とかの兼ね合いとか、相互の干渉とかは考えないほうが良いようですね」

「そういうのは、別の異世界転移者が関わるそれ専用にテーマを決めた世界でやられたらよろしいのではないかと思いますよ?しかも、おそらくすでにどこかでしてるはずですし。

 だいたい、この世界は”シンプル”とか”簡単”なのがテーマですから」

「左様でございますか」


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