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27_周囲が混乱していると素材集めすらシンプルさを失い。

 「そういえば辺境伯さま、Jr、Jrとご子息を呼んでいますけれども、名前はアーサーさまでは?」

「ああ、それはペットの犬の名前だな。息子の名前はロビンJrだぞ」

「いろいろとオマージュが入っているのはなんとなく分かります」


 「さて、いろいろと報告も終わりまして、ここからは素材回収タイムですね、領都とニチ村との間の宿場町、トモの町へ、魔法の定期パスで飛んできました。

 さて、ヌマオオカトンボを中心に狩りましょう。虹色の羽を合計24個、今10個ありますから、後14個、必要ですね。目指せ、認識阻害マント、ですね」


 「私の他にも、沼地で戦っている方がいますね。邪魔にならないところで観察しましょう。

 人数は3人ですね、2人が接近戦用の武器で抑えている間に、後ろの1人が遠距離武器で攻撃という陣形ですか。

 前衛は男性と女性のペアですね。互いに邪魔にならないように呼吸と間合いを計っていますね。

 装備は片手で振り回せるくらいの長さの剣と、胸くらいの大きさが隠れる盾ですね。

 鎧は、革製で金属ではないようですね、なるほど足元が気になるので重量を抑えているわけですね。

 相手はカエルですか、確か、ヌマオオガエルですね。

 前衛2人は、基本防御に重きを置いて、後衛の弓使いの男性が、確実に矢を当てて、HPを削る戦法です。

 慣れているようですね、一体の怪物モンスターを確実に落としていくつもりですね」


 「前衛の剣撃でもHPを削っていきますね。弓は、開いた瞬間の口やら、大きな目玉を狙っているようです。

 確かに、そこそこ皮が厚いですからねカエル、ヌルヌルしているところも防御力を高めているようです。

 失血を強いて、体力を徐々に落としていってますね。

 ただ、少し焦りが見えてきましたね、彼らの想定より時間がかかっているようです。

 戦闘の影響で、他の怪物モンスターが来ることを恐れているからでしょうね。

 倒しきれなかったようですね、新規の怪物モンスターがエントリーしてきそうです。

 まだ、気がついていないようですね」


 「ドバンとすごい音とともに、沼から大きな影が飛び出てきて、血を流していたヌマオオガエルを一口に収めましたね。

 余波で、前衛の剣士2人が吹き飛ばされています。

 現れたのは、初見の怪物モンスターですね、大きなナマズでしょうか?体長が10メートルくらいありますね、ヌマオオガエルが一口ですか、スケール感が狂いそうですね」


 「ヌマオオガエルを噛み砕いて飲み込んでいますね。ナマズってカエルを食べるのですね。で、まだ食欲がありそうです。転倒している人間をスナック感覚でデザートにするのでしょうか?

 助けましょうか?

 テーブルトークRPGの神様からまたボーナスがあると嬉しいのですけど」



 「こんにちは、何か私にできることはありますか」

「へ?いやどこから?ヌマオオナマズの突進を、え、剣で受け止めている?」

「結構重いですね、逸らしておきましょう。

 これの攻撃点自体は、私の がんじょう と、鋼の鎧を抜けませんね。

 ヌマオオナマズというのですか、わかりやすいですね。

 質量差から吹き飛ばされそうなものなのですけど、能力値の補正ですかね?

 

 さて、この怪物モンスターもらってもいいですかね?」

「え?は?」

「言葉が通じていませんかね?これ、狩って自分の獲物にしていいですか?ということなのですが」

「ええと、できましたらどうぞよろしくお願いします?」

「なんだか混乱しているようですが、言質は取りましたよ?」


 「まあ、相手の攻撃は通らず、こちらの攻撃が通るなら、負けるはずもなく。ちょっとタフではありましたが、カニよりは柔らかでありましたから、結果として時間はかからないですね」

「すごいな君は、ヌマオオナマズなんて、数十人で狩るような獲物だぞ」

「まあ、仕様が違いますから。


 取得経験点:40点

 取得コイン:40枚

 素材水晶:大鯰の肉


 ですか、美味しいのですかね?」

「うおっ!ヌマオオナマズの死体が消えた!どういったトリックなんだ?」

「はいはい、そういうリアクションはもう随分前にやりましたので、さてこれからどうしましょうか?」


 「危ないところを助けていただいて、ありがとうございます。私たちは、トモの街拠点にしているギルド所属の冒険者で、私の名前はジェーンと言います」

「いえいえ気にしないでください。狩りのついでですから。私は旅人のトムと言います」

「トムさんですか、お強いのですね。職業は剣士でしょうか?見事な剣捌きでした」

「どうなのでしょうね?職業的には勇者というそうですよ私」

「勇気ある者って、職業なのでしょうか?いえ別に文句があるわけではありませんが」

「そうですよね、生き方とか性質ですよね、勇者っていう単語は。私もよくわかっていませんが、まあ、単独で大体の職種をカバーできるマルチな職業、らしいですよ」

「へえ、便利そうですね」



 「ジェーンさんが女性の剣士、ジョンソンさんが男性の剣士、ジェフリーさんが、弓士ですか。なんだか同じような名前ですね」

「まあそうですね。最初は偶然でしたけど、たまたま頭文字がJで始まる仲間が揃ったので、それを面白がって、ギルドに参加する条件にしましたから。あまり構成員がいないので、できるこだわりですが」

「へえ、というかギルドってなんなのですか?組合っていう意味ですよね?」

「冒険者が集まってつくられる、まあ互助会のようなものかな?冒険者組合によって、ある程度の権威とかも認められている任意集団といえばわかるでしょうかね、トムさん」

「会社みたいなものでしょうかね?」

「カンパニーのような軍隊色はあまりないですね。上下関係も結構フランクなところも多いですし。第一、為政者側が管理していませんから。そうですね、怪物モンスター相手の傭兵団というのが近いでしょうか?」

「ちょっと詳しく色々聞きたくなってきましたね」

「そうですか?それなら、一度一緒にトモの町へ戻りませんか?時間も時間ですし、矢玉とか装備の補充とかもしたいですから」

「そうさせてもらいましょうか」



 「トモの町です。ここが冒険者組合ですか、ジェーンさん」

「そうです、周囲に怪物モンスターが結構出没するので、街道筋の町にしては規模が大きくなっています」

「なるほど、そろそろ夕方ですが、結構な人出ですね」

「依頼を達成したりして、その手続きに来ている人が多いのでしょうね。あと怪物モンスターから剥いだ素材などを、買い取ってもらいに来たりもしているようです」

「そういうシステムなのですね。つまり冒険者は、怪物モンスターというリソースを得て生活の糧にしている人々ということでしょうか。命がけで、生きて行くという、生活そのものが冒険であるから冒険者ですか?それって、無謀な生き方であるとか、そのようなことを、馬鹿にされているような呼称ではありませんかね?」

「まあ、そういう一面もありますけどね。日々何かに挑戦しているような生活が好きであるとか、そういうロマン的な何かを追い求めていく意味合いも込められている、のかもしれません。誰が言い始めたのかとか、なぜそれが定着したのか、とか、そもそもはどんな意味があったのか?などには諸説があるようですけども」

「意外に深い意味があるのかもしれないですね、ジェーンさん」

「まあ、狩人組合だと、田舎臭がすごいので、カッコよく言ってみようというネーミングかもしれませんが」

「それはまた、発案者のセンスを疑いたくなりますかね?」



 「そういえば、トムさんは、冒険者の登録とかしているのですか?」

「ああそれですね、実は他国でそれっぽいものに登録している設定になっているそうです」

「設定?」

「気にしないでください、このメモ帳が登録証とか身分証明証の代わりになるようですね」

「へえ、そいういう国もあるのですね」

「国際免許証といった感じなのでしょうか?このメモ帳は」


 「そもそも冒険者組合ってどういう設定なのでしょうか?」

「冒険者組合は国家間を超えて広がっている、巨大組織です。加入条件はかなりゆるくて、現役の犯罪者でも罪が発覚していなければ加入できますし、それすら、無視して組みいれてくれる支部もあるそうです」

「それはなんだか危なくないですか?」

「加入した後で、組合に不利益を与えるようなことをすると、容赦なく狩られるので、その辺りは大丈夫ですかね」

「あ、結構物騒なのですね」


 「年齢制限は一応ありますが、自分の意思がきちんと示せれたらば、その辺りも曖昧ですね。まあ、加入するときに一定の金銭が必要になりますので、ええと大体一月分の食費くらいが相場ですね、この国だと、30ルーナに設定されていましたかね?ですので、ある程度、自分で稼げるくらいのことができないと、まあ加入はできませんね」

「意外にハードルが高いのですか?」

「見習いみたいなことを、先輩冒険者のところでやって、ある程度稼げたら、登録するとかが、まあ一般的でしょうか?」

「なるほど」


 「冒険者組合に所属すると、このような金属製のプレートを配布されます。身分証ですね、で、その素材やら刻まれている文字やらで、実力を示したりします。ランクとか言ったらわかりますかね?

 一番下が、青銅で、次が、銀、一番上が金ですね。それぞれの金属に、マイナスが二つ、プラスが二つついて、5段階に細かく分けられています。

 基本的には、加入仕立てで、青銅のマイナスマイナスから始まっって、青銅のマイナス、青銅、青銅プラス、青銅プラスプラス、で銀のマイナスマイナス、といった具合に上昇していきますね」

「上がると何かいいことがあるのですか?」

「ランクごとに受けられる仕事の度合いが決まってますので、上がっていった方が、単価の高い仕事をすることができますね。あと、ランクが上がると組合から受けられる特典が上がりますね。特定の道具が安く買えたり、宿泊費がただになったり、負傷の治療とかが、割り引かれたり、ですかね」

「なるほど、実力のある人材を囲っておきたいのと、目に見える報酬を出すことで、怪物モンスター退治に対するモチベーションを上げようとしているのですね」

「まあ、身も蓋もない言い方をすると、その通りですね。ランクを上昇させるには、組合から依頼されている仕事を達成する必要がありますし、まあ、単純に怪物モンスターを狩っていっても上がっては行きますけど」

「シンプルなのはいいですね」

「何々の怪物モンスターを討伐してください、とか素材を納品するとかの仕事は、常時募集していますしね」


 「私の場合、この神のメモ帳はどのランクに当たるのでしょうね?」

「ランク外の特例措置ではないでしょうかね?仕事を受諾するときに個々に審査をするとか、失敗に対する補償を組合がしない代わりに、仕事を受ける制限がないとか、後、割引とかのサービスは行えないけど、身分証明はされるとか?だったような覚えがありますね」

「なるほど、そう組み込まれるわけですか」


 

 「この組合証には、自分の強さを自動で客観的に表せる仕組みもありまして、簡便なものですが、強さを数値で表しているのですよ、ええと、冒険力とか言いますけどね」

「恥ずかしいネーミングですねえ」

「もう慣れました。ええと、だいたい戦闘とか野外活動とか、身のこなしとか、環境とかの対策とか、それらがあまり得意でない一般人で、冒険力が1とか2ですね。

 駆け出しで、冒険力が5から6です。で、独り立ちできるかな、というので、9から11ですね。ベテランで、15くらい?最高峰とか呼ばれる方々が、20に届くくらいでしょうか?」

「意外にざっくりしていますね」

「詳細に知りたい時は、半期に一度の冒険力測定で調べていますね」

「冒険力測定?」

「短距離走のタイムとか、同じく持久走とか、跳躍力とか、肉体能力のテストですね。加えて、試験官相手の模擬戦闘とか。また、筆記試験での知識を問う測定とか、野営道具の使用とか、料理とか、まあ、測定するジャンルは基本の肉体測定意外は任意に追加できます。それらの測定結果によって、自身の資質とかを客観的に確認して、今後に生かしていくわけですね」

「あー、体力測定と、学力測定みたいなことをするのですか。結構現実的ですね、というか冒険者の識字率高くないですか?」

「口頭でも試験は受けられますけど、文字が使えると便利ですからね。冒険中に使う頻度の高い文字くらいは、覚えている人は多いですよ」

「へえ、そのあたりしっかりとしているのですね、皆さん。というか文化レベルがちぐはぐですね」

「言っている意味がよくわかりませんが?」


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