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22_領都での暗躍はシンプルに行きません。

 「ところで、エリザベス様、梱包されることについてどう思われますか?」

「意味がわからないのですけど?」

「手荷物扱いなら、領都ペンタまで一瞬で行く方法があるのですが?」

「え?いや、さすがにそれは問題があるような?信用ある部下を置いてはいけませんし」

「まあ、そうですよねー」


 「そういえば、村を救った扱いになったので、経験点が入りましたね。取得経験点は、+256点でした。あと、悪魔の使いを倒した経験点が、96点ですか。特殊能力が多かったので、経験点の増加乗数が多かったようですね。


 累積経験点が、4,558点


 ですね。

 おおっと、テーブルトークRPGの神様の影響が強く及んできましたね、怪物モンスターの死体がコインに変わりました。+96枚ですね」

「シュバルツの死体が消えてしましたわ!証拠がなくなってしまうのは困りますわ!」

「あ、そういう問題もありましたね。ええと、死体が素材水晶になりましたから、これを展開してもらいましょう。一度シャヨ国に戻らないといけませんね」

「変な現象が起きているはずなのに、なぜか妙に納得しそうになってますわ!」

「上手く侵食しているようですね、我が神の力が」

「なんだか邪神ぽいですわ!」

「失礼な、そんなすごいものではありませんよ」



 「ええと。


  所持コイン:2,191枚

 

 ですね」

「見たこともない通貨ですわ!」

「私のところではこれがメジャーなのですけどもね?」

怪物モンスターから無制限に貨幣が作られると、経済が破綻しますわ!」

「いや結構どうにかなるらしいですよ、神様ちからで?」

「眉唾ですわ!」

「その辺りの概念も再侵略するのでしょうかね?」



 「とりあえず、日も傾いてきましたし、ニチ村を出発するのは、明日でしょうかね?」

「夜通しの早駆けはさすがに無理ですわ!」

「では、また明日、この村を訪れますので。 魔法の定期パス

「なんですの、あの空飛ぶ巨大な物体は!」

「はいはい、そのうち気にならくなりますからねぇ、ではまた」



 「ということで、辺境伯爵領の反乱騒ぎを止めるべく、領都やらその辺り、飛び回ることになりましたのですよ、巫女さま、王様」

「おお勇者よ、事態が複雑になりそうとは、情けない」

「いや、私が複雑にしていうわけではないですが。まあ、シンプルに、辺境伯爵を物理的に除外してしまえというなら、できなくもないですが……。いやさすがに無理ですかね?」

「相手に魔法使いがいなければ、凶悪なまでに高められた防御点と、常人の3倍ほどの体力と暴力がありますし、まあ、いい勝負にはなりそうでございますが、いささか戦力差がありすぎるように思います、勇者さま」

「やはり、巫女さまもそう思いますか?まあ、夜陰に紛れて、枕元に立つというてなら、なんとかなりそうな気がします。逃走経路は開けた場所がありましたら、魔法の定期パスで、確保できますし?」

「勇者という名のテロリストが爆誕しそうでございますね、勇者さま」

「さすがに、テロリストの支援国家になるつもりはないぞ、勇者よ?」

「大義名分は、後からどうにでもつけられそうですし、もみ消せるつてもできてますから、問題はないですよ?巫女さま、王様」

「思った以上に過激でな勇者じゃの」

「それもそうですね、勇者さま」

「巫女さまも過激じゃったか」


 「まあ、隣国が荒れるのは、治安上問題があるし、王様も協力することには吝かないぞ」

「完全に世界から忘れ去られているこのシャヨ国に何か影響があるかどうかは別としてですね」

「それ以上言うと王様泣いてしまうぞ。いいのかわしが泣くと色々面倒くさいぞ?」

「なんつー脅しですか。ともあれ、強くて悪い魔王が関わっている時点で、勇者が動かないでいるわけにはいかないのですよ、こう展開的にも、属性的にも」

「身も蓋もないですよ、勇者様」

「まあ、そもそもの発端が、ロールプレイングゲームの神様が、この世界の利権に食い込むために、送り込まれた刺客の勇者というものでしたから、大概、身も蓋もないわけです、巫女様」

「それもそうですね」

「あっさり認めるのもどうかと、王様は思うのじゃがなぁ」



 「具体的には、辺境伯爵ご令嬢のエリザベスさんについて行って、情報を収集しつつ、あとは臨機応変に切っていくのが、大まかな作戦なわけですが」

「勇者様、それは作戦というのでしょうか?」

「巫女様、そもそも、戦場となる領都の情報がないので、作戦の取りようがないのですね」

「おお、勇者よ、行き当たりばったりとは、情けない。一度領都で情報収集とかしてみれば良いのではないかの?」

「それも手ではあるのですが、令嬢側のフォローとかがあったほうが、情報収集もしやすそうな気がします。途中の護衛も必要でしょうし」

「どうやって着いていくつもりなのです、勇者様?」

「どうやってって、ああ、そうですね私乗馬とかはさすがにできませんかね?」

「高い はやさ の能力値任せにできないことはなさそうですが勇者さま」

「足手まといになりそうな予感がありますね、巫女様」



 「45日目の朝です。


 累積経験点:4,550点


 ですか、順調に増えていますね」

「このような事態でも平常運転な勇者様に感服です」

「では、行ってきます巫女様、2、3日留守にするかもしれません」

「行ってらっしゃいませ勇者さま」



 「というわけで、私は、領都ペンタへ先行しようと思うのですけど、エリザベス様」

「なぜだか、この巨大な空飛ぶ乗り物にすでに慣れてきたわたくしが怖いのですが。それはともかく、どういうことでしょう?」

「早馬での移動に慣れていないのですよ、それに領都の雰囲気とか地形とかにもざっくり慣れておきたいのです」

「ならば、領都の3番街、小料理屋の、<風の吹くまま亭>を訪ねると良い。わたくしが自由に動く為に用意しておいた、民間の協力者たちよ。おそらくは、魔王軍の手のものは伸びてないと思われるわ」

「それは、便利そうですね。仮に伸びていたら、すぐにわかりますので、接触は避けますね」

「書き付けを渡すから、少し待ちなさい。と、これを見せれば、向こうには信用されますわ。若女将によろしく言っておきなさいね」

「ありがたく」


 「シュバルツに変身していた魔物の使い、死体に戻しておきましたので、お渡ししますね」

「どういう仕組みなのでしょう?不思議ですわ!」

「私も、これが食材扱いで、王妃様に復元してもらった時は戦慄しましたが。意外と、食べると滋養があってよろしいようですよ?毒抜きは必要ですが」

「意味がわかりませんわ!」



 「それではまた後ほど」

「明日の夕方くらいには、こちらも領都へつく予定ですわ」

「合流はどう致しましょうか?」

「<風の吹くまま亭>を起点にすればよろしいわ。不測の事態が発生したら、領都のお城で合流しましょう」

「どうやって入ればいいんでしょうね?」

「あなたなら、結構簡単に侵入できそうですけども?」

「できるかできないかと言われると、できそうですね」

「私が言うのもなんなのですけど、結構デタラメですわよ?」



 「というわけで、私は領都ペンタにきたわけです。都市への出入りは、旅人申請でそれほど問題なく入ることができましたね。一応門番がいたようですが、それほど厳しいチェックはしていないようです。


 神の手帳を見せると、冒険者というものに、勝手に間違われてしまいましたが、どうも身分証明書としての認識がされているようですね?


 まあ、怪物モンスターが闊歩するご時世、武装しているだけで怪しまれないのは、良いことではあります。治安維持上どうかとは思いますが。

 商人とかはさすがに、税金関係で足止めを食っている方がいるようですね。それ以外は意外とスルーしているようではあります。あからさまに怪しいのは止められているようでしたが。


 人通りは、魔王軍が活発化しているという噂の割には、多いですね。と言いますか、結構ごった返しているような?軍が編成されているので、それに伴って、人や物資が増えているせいですかね?」


 「まずは、<風の服まま亭>へ行きますかね、3番街は、インフォメーションを見るにこちらですね。平民の住居と言いますか、生活空間でも、結構上等な部類に入る区画のようです。と、運河のそばのあの建物ですね。

 と、ごめんなさいよ、若女将はいらっしゃいますか?」

「はいはいはい、いらっしゃいませ。あらやだ、結構物騒な装備の、でもいい男が来たよ。雰囲気はよさそう、口調も礼儀正しい、若者だね?」

「聞こえてますよ若女将。旅先でちょっとした縁で綺麗な金髪の女性に、ここを紹介されてね。と、まずは、彼女からのお手紙を渡しますね」

「これはこれは、どうもわざわざすいませんね、と、拝借いたしまして……。はい、なるほど、では奥のお座敷にどうぞ、おあがりください」

「いや、座敷あるんですね」

「ちょっとここらではない独特な作りをしているのが、うちの売りでして、ほほほ」



 「……という、顛末で、とりあえず、私が先行してきたわけです」

「シュバルツさんが、魔王の手下で、お嬢様を洗脳して操っていたわけですね、許しがたいですね」

「まあ、もう物言わない躯となっているわけですけど」

「その辺り、感謝しても仕切れませんですわ。ありがとうございます」

「結構あっさり信用されましたね?」

「もちろん、裏は取りますが。お嬢様に会えばすぐにわかる内容を疑うつもりもありませんし、何より、私、人を見る目は結構ある方ですのよ?」

「シュバルツさんのことは見抜けなかったようですが?」

「いえ、彼は最初から胡散臭いと思っていたのですよ、イケメンで結構好みでしたが」

「節穴疑惑が高まってきました、大丈夫でしょうか?いや、私的には都合がよろしいのですが」


 「これからどうするおつもりですか?」

「領都を軽く歩いて、雰囲気を肌で感じてみようかと。具体的には逃走ルートを確認しておきましょうかと」

「何をされる気かは分かりませんが、高い壁に囲まれた領都ですから、門をきっちり閉ざされると、外に逃げ出すのは、難しいですよ?」

「開けた場所か、見晴らしの良い高い建物とかがあれば、問題ないので。ルート取りの確認ですかね?私の身体能力でしたら、フリーランニングででも移動すると、建物が密集しているあたりは、縦横無尽に走り回れそうですし?」

「そうなのですか?」

「仮に落下しても、あまりダメージを受けそうにないのですよね、頑丈な体をしていますので」

「どんな体なのでしょうか?」

「実は私脱いだら結構すごいんですよ?」

「ゴクリ」


 「並行して、昨今の情勢とか噂とかも欲しいのですけど。具体的にはどれだけ、魔王軍の手下が入り込んでいるのか、の、辺りをつけたいのですね」

「洗脳されている人が、どれだけ広がっているのかですか?」

「それもありますし、そのものズバリ、人に化けて潜り込んでいる怪物モンスターの所在を調べておきたいのですよ。なので、ちょっと重要そうな施設を巡ってこようかと」

「案内は入りますか?」

「あれば嬉しいですね」

「では、有能なのをつけましょう」


 「それでは行きましょうか、トム様」

「と若女将が来るのですか?」

「私がうちで一番有能ですから。店は番頭と料理長に裏も表も任せてきましたので心配ありません、それから、私の名前は、トバリ、とお呼びくださいな」

「了解しましたトバリさん、それでは、領都の案内をお願いしますね」



 「まずは、領軍の司令官辺りから調べたいですね」

「ワーグナー将軍と言う方が、領軍の軍側のトップですね。午前中ですから、閲兵をしているところでしょうか?どうやって調べるのですか?」

「30m以内に近づければ、すぐにわかりますよ。その仕組みは、とりあえず秘密にしておきましょう」

「結構遠くからでもわかるのですね。ええとこちらです。戦意高揚のために、華やかなところは解放されて見学も可能ですから、ここをこう通ってですね、この建物の、ここです。ここからなら、兵士を鼓舞する朝礼を行っている、ワーグナー将軍を間近で見られます」

「なるほど、優秀ですね。ええと、 魔法で探索 と、将軍は白ですね。ただ、側近に、人間に変身した怪物モンスターが紛れ込んでいますね、将軍は洗脳されている可能性が結構高そうです」

「本当に簡単にわかるのですね、と言うか、大事のような気がします」

「自分でも便利だとは思いますよ。確かに、面倒くさいですよね、ここでヤったら、本命に対応する時間を与えそうですし、夜にでもざっくりやっておきましょうかね?名前も覚えましたし、ダクランさんというのですね」

「結構物騒な人でした」



 「ダクランさんが一人離れましたね。人気のないところへ向かってます」

「探っているのがバレたので、誘いをかけているのでしょうか?」

「単純に人目を避けているような感じですけどね、ちょっと行ってきます」

「……ええと、ひととびで屋根の上とか、身のこなしが半端ないのですが、トム様?」



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