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20_シンプルに、私たちの冒険はこれからだ!

 「40日目の朝です、例のごとく経験点が2点増えていますね」

「どんどん過激になっていきそうで、また最初の頃に戻っていくのが逆に新鮮です勇者さま」

「褒められましたね、ありがとうございます巫女さま」


 「さて、

 累積経験点:2,454点 

 ですね。

 魔法の定期パスでいつものように、空間疾走蒸気列車で移動して、宿場町モトです。


 現在MP:23


 ですね、さあ、カニ狩りです。……カニの身は落ちないのでしょうかね?」


 「魔法で探査を併用すると、完全に不意打ちを防げるのがいいですね、泥の中からの不意打ちも丸見えです、新しい怪物モンスターにも出会いましたよ。



 ・ヌマオオガエル 経験点 20点 +20コイン


 そのまま大きなカエルでしたね。舌で絡められると動きが阻害されそうでしたが、基本不意打ち要因でしたので、装甲が紙でございました。一撃で落とせます。



 ・ヌマオオカトンボ 経験点 18点 +18コイン


 大きなヤブ蚊でしたね、鋭い針のような口で血を吸って、きっとHPを吸い取るとか、したかったんでしょうね?防護点に阻まれて、通りませんでしたが。



 ・ヌマのシリョウ 経験点 48点 +48コイン


 ゴースト系の上位種でした。魔法的な攻撃で、防護点を無視してきました。これが多分一番の強敵でしょうね。HPが少ないので、2撃ほどで落ちますが、相手の攻撃でこちらのHPを吸収して自分のものにしているようなので、油断は禁物です。


 基本避けたいのですけど、死霊の雫 という素材水晶を落とすので、制作物次第では、刈る対象になるかもしれません。


 ・泥炭スライム 経験点 20点 +20コイン


 この地域の大当たり、二番目。一番目は、テツハサミカニ。炎に包まれて、体当たりをしてくるけれども、その攻撃に準備時間が必要らしくて、先制で真っ二つにしてしまえば問題なし。

 落とす素材水晶に、泥炭スライムの核があったので、これと、テツハサミカニの鉄の甲羅を集めれば、鋼シリーズの装備が手にはいる、と思う。


 以上ですね」



 「MPも少なくなってきました、そろそろ帰還しましょう。

  今日の収穫は、

 

 ・オオハサミカニ 4匹 +160

 ・泥炭スライム 3匹+60

 ・ヌマオオガエル 2匹+40

 ・ヌマオオカトンボ 2匹+36

 ・ヌマの死霊 1匹+48


 でした。


 取得経験点 合計 344点

 取得コイン 合計 172枚(国庫に入金計算済み)


 ですね。

 

 手にいれた素材水晶は、

 鉄の甲羅 4個

 泥炭スライムの核 2個

 ガマの油 1個

 虹色の羽 1個

 死霊の雫 1個


 です。


 累積経験点:2,798点


 になりました。十分ですね、帰りましょう」



 「ただいまです巫女さま」

「お帰りなさい勇者さま」

「……いきなり口を塞がないでください。まだ今日は用事がありますので、それでは、道具屋と鍜治屋へ行ってきます」

「はいお待ちしてます」


 「スミスさん、泥炭スライムの核を手に入れました、これで鋼装備をお願いできますか?」

「十分だなガハハ、何を作る?」

「とりあえず、鋼の剣ですね、鉄の甲羅2個と、泥炭スライムの核を一つです、コインはいかほど入りますか?」

「250枚だな、ガハハ」

「結構しますね」

「まあ、普通の鍛冶仕事でできる最高峰の武器、防具だからな、ガハハ」

「そうなのですか?」

「これ以上となると、銀とか、黄金とか、白金とか、そういう希少な金属が必要になるぞ、後魔法の金属とかだな、ガハハ」

「そういうものがあるのですか?」

「ミスリルとかが有名だな、ガハハ」

「あ、どこかの映画で聞いたことがありますよ、それ」

「まあ、メジャーどころは押さえておくスタイルというわけよ、ガハハ」

「では、鋼の剣をお願いします。


 所持コイン:1,091枚


 となりました」

「では、キンコンカンっ、ガハハ、ガハハ、もひとつガハハ!と、できたぞ」

「素材水晶からの錬成は、本当に早いですね、受け取ります。性能はと、


 鋼の剣

 攻撃点の決定% 攻撃点

 1~10% 45点

 11~50% 40点

 51~90% 38点

 91~100% 35点

 

 強すぎませんかね?親方?」

「ガハハ、店売りだと、コイン5000枚はする一品だぞ?そもそも青銅器の剣を簡単に両断できるような性能なのだから、このくらいには成るというものだ、素材と鍛冶職人の腕がいいのもあるかもしれないがな、ガハハ」

「説得力があるような無いような?



 「道具やのビルさん、色々素材水晶を拾ってきたので、できる道具を教えてください」

「いらっしゃいだーよ、見せてもらうだーよ、


 ガマの油は、HP回復の薬になるだーよ、一つとコイン4枚で、一回の回復が12点の回復薬を作成するだーよ。


 虹色の羽はこのままなら、装飾品になるだーよ、綺麗なだけでなくて、装備とかに混ぜると、相手を幻惑するような効果が見込めるだーよ。24個ほど集めて、マントの材料とかにするといいだーよ。コイン120枚で作成するだーよ。


 死霊の雫は、12個集めると、防魔の〇〇というアクセサリーになるだーよ、魂の〇〇と同じようなアクセサリーだーよ、こちらは魔法的な攻撃に対して、2点の防護点があるだーよ、しかも、魂の〇〇と併用できるだーよ、制作費用は200コインだーよ」


 「うわあ、思った以上に色々有用なアイテムの元になることがわかりました。回復アイテムは良いものに変えておきたいですし、幻惑効果のあるマントは欲しいです。もちろん防魔の〇〇は必須ではないでしょうかね?

 腰を据えて、素材を集めることにしましょう。とりあえずは、鋼の鎧ですが。


 とりあえず、ガマの油で12点回復薬を作ってください。ビルさん」

「了解だーよ、トイっと、ほいですだーよ」

「はい、4コインです

 所持コインが1,087枚

 になりましたね」

「毎度ありだーよ」


 「というわけで、村へ行くまであと、3日、宿場町を中心にして素材を狩っていこうと思います、巫女さま」

「了解しました、日帰りですね?勇者さま」

「もちろんです、移動時間を考えなくて良いのはいいですね、巫女さま、おかけで、毎晩巫女さまの新しい面を知ることができます」

「私も色々開発されて嬉しいですよ、勇者さま」





 「ということで、41日目、42日目、43日目、と3日間ちょっと狩りをしてきました。

その成果がこちらになります。


 ・取得経験点 : 1408点

 ・取得コイン : 1008枚

 (制作依頼費、国庫入金分減額ずみ、多いのは、不必要な素材水晶を売却したため)


 装備は、

 武器:鋼の剣

 防具:鋼の鎧(防護点64点)

 アクセサリー1:魂の指輪(魔法防御点+1)

 アクセサリー2:防魔のネックレス(魔法防御点+2)


 回復薬(12点分)6個


 で、


 累積経験点:4,206点


 となりましたので、レベルも上昇しました。

 神のメモ帳によると、能力値とかはこのような感じになっています。


 職業:勇者

 レベル:13

 累積経験値:4,206点 (次は8,192点でレベルアップします)

 ・ちから 32

 ・はやさ 32

 ・かしこさ 32

 ・がんじょう 32


 ・HP:64/64(全快です)

 ・MP:3/32(今日も1日頑張りました)


 1日で苦手なものを避ければ、450点くらいは稼げるようになりましたし、10日くらあればもう1レベルくらいは上げれそうですね。

 その前に、ニチ村に行って、ワインを渡さなければならないわけですが」

「明日はゆっくりすればよろしいではありませんか?休養日も必要ですよ、勇者さま」

「そうですね、明日のお仕事はワインを届けるくらいですから、それほど問題も起こらないでしょうから、きっと、ゆっくりとできるでしょう巫女さま」

「それです、勇者さま?」

「どれです?巫女さま」

「そのようなセリフが、フラグを立てるといいます、勇者さま」

「ええと、よくわかりませんが、わかりました、巫女さま」



 「なるほど、そうならないだろうと、先に予想を立てて宣言すると、逆にそうなる、ということが、旗を立てるという意味なのですね」

「ええと、言っている意味はよくわかりませんが、状況がややこしくなっていて、すみませんという気持ちでいっぱいである村長の内心はあらわにしておこうと思います」

「相変わらず素直なのは人間としては美徳だと思います、それでこの状況なのですが、この綺麗なお嬢さんが、とある貴族のご令嬢でございまして、希少な貴腐ワインをご所望ということでよろしいのでしょうか?」

「はいそうです、トムさま。この貴族のお嬢さまの名前はエリザベスとおっしゃるそうです」

「その通りよ、平民。理解できたのならさっさとよこしなさい」

「高飛車で、金髪。言動から見るに、自分の容姿その威力と、貴族としての権力とかの、やや曲がった、力ずくの使い方を存分に知っているという感じでしょうか?


 ええ、別に村の納税がきちんとなされるのならば、この貴腐ワインの売却先はどこでも良いのですけれども?」

「それは問題ないわ、そのくらい私の裁量でどうとでもなる金額よ、『いつもニコニコ、キャッシュでポン』ね」

「意外に愉快な言動の方でした、ええと村長さん問題なさそうなら、売りますが?」

「ええ、こちらとしても問題ありません」

「では、お納め下さい、現金の方は、ポンっと、村長さんへ渡してくだされば、よろしいですので」

「現品はこれね、シュバルツ、これは本物?”鑑定”しなさい」

「……本物でございます。お嬢さま」

「では、商談成立ね!ソル金貨10枚確かに、ニチ村の村長ニッチに渡したわよ!」


 「それはよろしゅうございました、では私はこの辺で失礼させていただきます」

「最初のお仕事は、片付いたわ!次のお仕事というか、本題ね!このグレードとは言わないけれど、追加でワインを用意しなさい、平民!」

「ええと、村長、どうしこんなことになっているのでしょう?」

「村で金策をしている時に、誰かがわしが貴腐ワインの存在をじゃな、ぽろっとこぼしてな、その話がなぜか、周囲へ噂となって飛び回ってな、目の前のご令嬢の耳に入ったということで」

「なるほど、で、行商人さんに案内をさせて、やってきたと」

「そういう流れですな、まったく、困ったことで?いや、手っ取り早いのでこれはこれでいいのでしょうか?」



 「お酒を勝手に用意するのは違法じゃないのですかね?」

「旅人や冒険者なら問題ないわ!あれは定住者向けの法律よ!」

「なるほど、では、いかほど必要でありますか?少し確認しなければならないので、帳面を捲らさせていただきますよ、ええと、なるほど?」

「120本ほどあればいいわ!」

「まあ、そんなことを言い出すのではないかとは思ってましたけど、ニッチ村長、どういうことかなぁ?」

「ええと、金策中にトムさんなら、普通のワインくらいなら数ガロン単位で用意できますと、うっかり吹いてしまいまして、いえ、商業的な煽りと申しますか、リップサービスだったのですけど……どうしましょうか?」

「ちなみにいつまでのご要望で?」

「3週間後のパーティに必要よ!」

「いやしかしそれは無理というものでは……」

「村長には聞いてないわ!」

「可能か可能でないかというならば、まあ、可能ですけれども。ええとですね、ニッチ村長、後、エリザベス嬢?」

「何でございましょう」

「何、平民?」

「後で証言をおねがしますね、ええと、 魔法の矢 からの、魔法の矢っと」

「血迷っているのですか、いきなり何を!」

「うぎゃあああああ!」

「不意打ちからの、2連続、魔法の矢 ですが、効く相手っぽかったから良かったですねー」

「シュ、シュバルツー!!」

「黒服の執事っぽい人が、捻れた角を頭から2本伸ばした、奇妙な姿になりましたね。肌色も、赤銅色というのでしょうか、人の肌ではないようなものに変化した上に、一回り以上大きな体になって、それから、ちょっと毛深くなったようです」

「へ!あれ?いや何なのですかこれは?」


 「神様の手帳を確認してみましょうか、ええとこの倒れている怪物モンスターは、名前を悪魔の使い、というそうです。得意技は、人間の姿への変身と、意識操作とか洗脳とか見たいですね。


 せっかくの擬態も、神のメモ帳の行動記録に、しっかり正体が載っているのが、笑い話のようなものですが。


 『勇者トムは、執事に化けた悪魔の使いに貴腐ワインを見せた』

 『執事に化けた悪魔の使いは、鑑定の魔法を唱えた、貴腐ワインが本物であることを確認した』


 とか、


 『悪魔の使いによって、意識を誘導されている、お嬢様こと実は、辺境伯爵の娘であるエリザベスは、勇者に話しかけてきた』


 とか、そこは隠さないといけないとこが、すべてお見通しというか、ガラス張りになってしまっているのは、いっそ哀れとも言えますね」



 「確かに、ここ数年の行動とかがおかしいですわね、わたくし、操られていたということでしょうか?」

「意外に立ち直りが早いですね。そうそう、室内のお供の方とか、護衛とか、外に控えている、同じく護衛の兵士とかには、怪物モンスターは紛れていないようですね」

「そんなことまでどうやってわかるのですか?ええと平民さん」

「トムと言います。エリザベス様。そういうことがわかる、ええと特殊な技術があると思ってください。魔法の一種です」

「それではトムさんも貴族ですの?」

「少なくともこの国の貴族ではありませんよ」


 「結局どうなっちまったのだろうか?トム様?」

「ニッチ村長、少なくとも、この村は救われたでよろしいのでは、でも、そうですね、これからどうしましょうか?」

「すべて、終わったということでしょうか?」

「いいえ、村長。むしろ、これからが、物語の始まりなのではないでしょうか?そうですね、昔の知人から聞いたセリフを使わせてもらうと


 『私たちの冒険は、これから始まるのだ!』


 といった感じでしょうか?」


「それは、何だか、すでに、終わっているような気がするのですが、トム様?」

「用法を間違えましたかね?」



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