11_シンプルな森での冒険。
「ゴーストにも問題なく青銅の剣は通用しましたね、しかし、問題なのは、そこではありませんね、幽霊の冷たい手 という攻撃は、魔法と同じで防護点を無視して、ゴーストのかしこさ分のダメージを与えてきましたね。
HP 37/49 (一撃で11点減少しました)
ですか、幸い、ゴーストのHPは低めでしたので、攻撃が命中すれば一撃でしたが、はやさもそこそこありましたから、最初の一撃をかわされたのが、痛かったですね」
「まずは回復をしておいて、
HP 49/49
MP 20/25 (魔法の探査を2回使用したのち、治癒を使用しました)
神の手帳で、行動を確認しましょう。
怪物の名前はゴーストで確定ですね、レベルは7ですか。HPは14くらいでしょうかね? はやさ 10、かしこさ 11、といったところでしょうか?
青銅の剣の命中確率が64%ですね、先生で 魔法の矢 を使用する方がいいでしょうかね?それとも、1回は 冷たい手 を食らうことを覚悟して、剣で攻撃しましょうか?
剣で攻撃するなら、2回は攻撃を受けた後で、治癒をした方が効率は良さそうですね。
魔法の矢を中心に戦闘を組み立てるなら、最大で9回まで、安全度と、魔法の探索分のMP消費を考慮に入れると、5回か4回が、1日で戦える限界かな?」
「考えるまでもないですか。11減った状態のHP38だと、アバレイノシシの突進時に100を振ると致命傷になりかねなません。ですので、ゴーストと遭遇したら、問答無用で先制で、魔法の矢 ですね、その方が、効率が良さそうです、あと4回ゴーストと出会って戦ったら、今日は帰りましょう」
「今度は狼ですかね?ちょっと大きいですね、とりあえず戦ってみましょう。
素早いですね、でも攻撃そのものはあまり威力がないようです。こちらの守りを抜けられませんね」
「HPもそこそこですかね、はやさ が特色なので、ちょっと当てにくい感じですが、レベル差があるのでそれほど問題はなさそうですね、1回攻撃を当てると、倒せましたね。神の手帳で記録を調べましょう。
・名称はシンリンオオカミ。
・レベルは6。
・経験点とコインも6。
ですね。おっと、資源水晶を落としましたね。
・オオカミの毛皮、の資源水晶が一つ。
はやさ が12ですね。がんじょう ちから は、6ですかね。HPは12くらいですか。
群れてこられたら、少し苦労しそうですが、神様のお力で必ず1対1になるので、問題なさそうですね」
「お待ちかねのゴーストですね。魔法で探索 の魔法を使っているおかげで、視界が悪くて暗い森の中でも不意打ちを受けません。やはりこの魔法は、このような場所では常時発動が基本なのでしょう。
魔法の矢 で一撃撃破ですね。MPは2消費しますが、短時間で駆逐できるのはやはり強みでしょう。
・勇者トムはゴーストを倒した。
・経験点7点、コイン7枚を手に入れた。
・幽霊の雫、の素材水晶を手に入れました。
新しい素材水晶を手に入れましたね。ビルさんに使用方法を聞いておかないといけませんね、
現在のMPは18ですね、あと3体か、4体ゴーストと遭遇したら、一度シャヨ国に、戻りましょう」
「と、これで今日4体目のゴーストですね、体感だと15分から30分に一度くらいの遭遇率ですか、まあ、積極的に探しているせいもありますが、結構な数ですね。
現在のMP:13、一度、魔法で探査 を掛け直していますね。
あ、またその探査に反応がありますね。
ゴーストですけど、少し輝き方が違いますね、赤黒いような?種類が違うのでしょうか?
警戒しつつ、先制で魔法の矢 です。相変わらず一撃で倒せますね。
神の手帳で、行動記録を確認しましょう。
・ゴーストメイジが現れた。
お、普通のゴーストではなかったのですね。
・勇者トムはゴーストメイジを倒した。
・経験点16点、コイン16枚を手に入れた。
HPはそれほど多くないですね、少なくとも25よりは低いはずです。幽霊系列は、ちから と がんじょう は少なそうですから、最多でそれぞれ12くらいでしょうか?
最低12レベルとすると、かしこさ は20~23でしょうかね?
魔法的な攻撃をしてきそうと予想できますけど、HPが49の私なら、なんとか2回は耐えられるでしょうか?
ただ、取得経験点とか、から推測すると、レベルが16でもおかしくはないわけですけど、それにしては、HPが低すぎますよね?
……何か特殊な力とか持っているので、経験点が増えているのかもしれません。加算されているのか、乗算されているのかは、まだわかりませんけど。帰ったら、巫女様に尋ねてみましょう。
おそらく普通のゴーストに付け足されている、メイジ、という単語がキーワードなのでしょうけれど、どういう意味なのでしょうね?
あ、神のメモ帳に、質問として書き込んでおけばいいのかもしれません、書いておきましょう、かきかき」
「森の中では、シンリンオオカミの出現率が若干高いですかね?これで今日5匹目です、アバレイノシシは結構珍しい部類ですね、ゴーストは、シンリンオオカミのちょっと下くらいの出現頻度ですかね?
ゴーストメイジは、アバレイノシシと同じくらいでしょうか?
東の森での成果は、
・シンリンオオカミ5匹、+30経験値 +30コイン。
・アバレイノシシ1匹、 +10経験値 +10コイン。
・ゴースト4匹、 +28経験点 +28コイン。
・ゴーストメイジ1匹 +16経験点 +16コイン。
手に入れた素材水晶は、
・シンリンオオカミの毛皮 2個。
・アバレイノシシの肉 1個。
・幽霊の雫 2個。
でしたね、
現在MP:10
で、魔法の探索を合計4回使用しましたから、森で、4時間経過ですね。疲れてきましたし、一度シャヨ国に戻りましょう。
・魔法の定期 を唱えます。
問題なく発動しますね、森の木々をかき分けて、伸びる線路は少しシュールですね、では乗り込んで、シャヨ国へ」
「というわけで、この幽霊の雫という素材水晶を手に入れたのですが、道具屋のビルさん」
「勇者様、これは、集めて加工すると、魂のなんとか、というアクセサリーになるだーよ」
「その魂のなんとか?というの何でしょうか?」
「形状で名前が変わるだーよ、ピアスとかネックレスとかそんな感じだーよ。幽霊の雫だと12個で一つ作れるだーよ」
「結構必要ですね」
「一つ珍しさが上の、霊魂の雫だと、幽霊の雫の4つ分になるだーよ、つまり霊魂の雫だけなら、3個でできるだーよ」
「なるほど、ええと肝心の効果はどんなものなのでしょうか?」
「魔法的な攻撃を1点、常に減少させるだ、ただ、複数つけても効果は累積しないだーよ」
「便利ですね、ではこれからしばらくゴースト狩りをすることにしましょう」
「上位素材の霊魂の雫は、ゴーストの上位種が落とすだーよ、メイジとか、プリースト、とかだーな」
「そういえば、そのメイジとか、プリーストとかってどういう意味なんでしょうか?」
「怪物が持っている職業のようなものだーな。メイジは魔法使いで、プリーストは司祭だーな、メイジは攻撃的な魔法を、プリーストは呪い的な呪文を使うだーよ」
「ああ、魔法が使えるので、経験点にボーナスが入っているのですね」
「その辺りはよくわからねーだーよ?わしただの道具屋だけん」
「ということがありまして、しばらく東の森でゴーストを狩っていこうかと思います」
「なるほどゴーストを退治する者になるわけですね、つまりはゴーストば……」
「なぜか言わせないほうがいい気がしてきました」
「東の森でゴーストが発生しているのには気がつきませんでした。もしかすると、出奔した青年とかの成れの果てでしょうか?」
「そういうメカニズムで発生するのですか?この世界のゴーストは?」
「どうでしょうね?動く死体とかのほうがありそうですが、それはそれで、悲劇を想起させますね、こう武者震いがしてくるというか?」
「その感性はちょっとずれていると思います巫女様」
「13日目、東の森を中心に探索した結果の収支報告です。
・取得経験点 合計 96点
・取得コイン 合計 96枚
・素材水晶の売却 合計 25枚 以下内訳
アバレイノシシの肉 10枚(王妃様へ売りました)
オオガラスの風切り羽根 3枚
シンリンオオカミの毛皮 12枚(一つ6枚で武器防具屋へ売りました)
コイン合計121枚、半分を国庫へ、手取り61枚。
所持コイン 329枚
・取得経験点合計 74点
・累積経験点 618点(次は、1,024点で11レベルになります)
といった感じですね」
「結構実入りが良いように感じますね?勇者様」
「草原でスライムを相手にしている時代が懐かしいですね、巫女様」
「現在最大MPが25点あります、帰還時の 魔法の定期 の消費MPが7点ですから、18点分使用できますね。ギリギリですと、不測の事態が起こった時に対応できませんから、回復魔法一回分の3MPをとっておいて、MP10になったら、狩りを切り上げることにします」
「よろしい考えかと、勇者様」
「ですので、使用できるMPは15点ですね、魔法で探索 は森では常時使用していたいので、そうですね、3時間分3MPを差し引いて、残り12点です。ゴーストに遭遇したら、ノータイムで魔法の矢を使用する戦術ですので、最大で6匹は1にちで狩れますね」
「はい、間違っていませんよ、勇者さま」
「感触では、幽霊の雫は、半分くらいの確率で落としますので、1日に3個は手に入りますか、12個でアイテムにできますので、単純に計算して8日くらいで目標の数に達しますね?」
「ええと?12個なら4日ではないでしょうか勇者様」
「せっかくですから、指輪に加工して、二人で持ちましょう。ええと結婚指輪の代わりです、給料3ヶ月分には足りないかもしれませんが、どうでしょう、あかねさん」
「……とても嬉しいです、トムさん」
「というやり取りがありまして、14日目の朝です。経験点も順調に2点いただきました。
累積経験点:620点ですね。
「魂のなんとか、系列のアミュレットは、そのまま購入しようとしたら1200コインはかかるので、十分な結婚指輪の代金だーよ」
「そうなのですか、ベンさん」
「幽霊の雫は50コインで買い取ってるだよ?」
「限界集落にしては貨幣が充実しているような?」
「逆だな、勇者さまよ」
「あ、王様、これから田植えですか?」
「うむ、良い天気だからな、国民総出で行う予定だ」
「さいで。ところで逆とは?」
「コイン自体は、怪物からコツコツと貯められるが、それの消費先が、無いのでな、だぶついているのじゃよ」
「……インフレになりませんかね?つまりはコインの価値が下がるとか?」
「コインそのものを、素材の加工材料として使用しているからな、媒体として必須なのじゃ。なのでそれそのものに価値があるので、それほど暴落はせんよ。まあ、物々交換で済ますことが多いのも事実じゃがな」
「なるほど」
「では、田植えに参るとしようかな」
「とても、一国の王様のセリフとは思えませんね」
「ゴーストメイジやゴーストプリースとから、霊魂の雫が結構落ちましたので、6日で、揃いましたね。MPの消費をしない条件で他の怪物も狩ったので、経験点をコインも結構美味しかったです。
今日は、召喚された日を1日目として、20日目の夕方です。
6日間の収支報告です。
・獲得経験点 602点
・獲得コイン 391枚(国庫に半分納め済み)
・幽霊の雫 17個
・霊魂の雫 4個
レベルが、10から11に上昇しましたね。合わせて確認しておきましょう。
職業:勇者
レベル:11
累積経験値:1,224 (次は2,048でレベルアップします)
・ちから 27
・はやさ 27
・かしこさ 27
・がんじょう 27
・HP:54/54(全快です)
・MP:3/27(魔法の定期で帰還したところです)
ですね」
「綺麗で素敵な指輪ですね、嬉しいです」
「お揃いで色は青です、道具屋のビルさんにシンプルなデザインでお願いしましたので、石とかはありませんが」
「十分です、それ以上です、いいですね、トムさんの奥さんですか、踊ってしまいそうです」
「そこまで喜んでくださると、私も嬉ですよ、あかね さん」
「結婚式とかしましょうか?勇者さま」
「ぜひしましょう、披露宴とかはどうします?巫女様」
「……田植えとか、忙しそうですので、簡単なものを振る舞うくらいでどうでしょう?勇者様」
「王様と王妃様に相談ですね。特に王妃様には、肉系列の素材水晶を渡して料理をお願いしないといけませんね」
「衣装とかは、神殿のものを使いましょうか」
「私は鎧を磨いておけばいいですね」
「楽しみになってきました、勇者様」
「私もです、巫女様」
「その結婚式、準備の前になのですが、森で気になる場所を見つけたので、調査とかしたいのです、森の奥で奇妙な塔を見つけまして」
「……これはまたフラグが立ったのでしょうかね?勇者さま」
「旗がどうしたのでしょうか?」