第14話 暴け、地下に潜む陰謀 ~ロック、シザー、ペーパー~
カーン
試合開始のゴングが鳴った瞬間、アリスとロックは既に座っていた観客席を離れていた。
(おい、アリス、やっぱり実況席には誰もいねぇ。)
ロックはアリスに向かって、ほかの観客の声で、伝言がかき消されないように、ジェスチャーで伝えた。
アリスはロックのジェスチャーを確認し、闘技場の地図を確認した。
(やっぱり、私達、ギルド関係者が来ることを知っていたと考えるのが自然ね。実況席から、一番近い出口は三番出口だから、ここから出たと考えられるわね。・・・、ブラフの可能性も捨てきれないけど。)
アリスはロックの目の前に近づいて、三番出口に向かうようにジェスチャーで指示を出した。
(一緒に行くぜ。)
ロックは要らない動作をふんだんに使った無茶苦茶なジェスチャーながらも、アリスはその意図を完全に理解していた。
ロックとアリスは三番出口に向かう。
出口から、外に出た時には闘技場の喧騒が建物を貫通し、二人の体を揺らした。
「おい、アリス、俺たちギルド関係者が、ニルを選手にして、選手関係者にしないとここに入れなかったのは・・・。」
ロックは言葉を詰まらせる。
「あの、試合の実況役と解説役、そして、今戦っているマッスラー・キングが前に倒した偽Aランクパーティのクエストを代行していたからよね。クエスト依頼文に書いてあった通りなら。」
アリスは答えた。
その時、ロックの背後から、実況役が近づき、首元にナイフを突きつける。
「死にたくなかったら、俺の言う通りにしろ。」
ロックとアリスは同時に呆れた顔をした。
「はぁ、ロック、この人、人質にする方を圧倒的に間違えたよね。」
「だな。『部分石化』」
ロックは背後の実況役に石化した肘で、肘うちをかまし、背負い投げで、投げ飛ばした。
「あと、もう一人、どこにいるんだ?」
「フッ、後ろだ。」
ロックの後ろから解説役が襲い掛かろうとしていた。
その時、
えぃ
アリスが解説役の金的を蹴り上げ、解説役は悶絶し、のたうち回った。
「ナイス。」
ロックは、アリスに向かってサムズアップをした。
ロックとアリスは二人を持ってきていた縄で拘束し、ニルが戦っている闘技場に入っていく。
そして、我がもの顔で実況席に座り始めた。
「さぁ、実況役と解説役が急遽いなくなってしまったため、これからは代理実況役のアリスと・・・」
「代理解説役のロックがお送りいたします。」
「さぁ、ニル選手が刀身を燃やし、キング選手に詰め寄るぅ!」
「ったく、結構ノリノリだな。アリス」
「なんなんだ、あいつら?」
キングは見慣れない実況役と解説役に目を奪われていた。
「ナニヲ、ヨソミシテイル。」
バチーン
「おーっと、ニル選手の燃える刀身がキング選手の自慢の胸筋に直撃ぃ!」
「これは、きれいに決まりましたね。」
キングはバリケードまで、吹き飛ばされた。
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