第11話 語られる塔の真実 ~転ばぬ先の刃~
「待って」
アリスは叫んだ。
「ア、アリスどうしてここに?」
「念のため、クエストをギルドで受注しているか確認しに行ったの、そしたら、そんなクエスト私達受け
てないんだって。つまり、偽クエストだよ。」
「なっ、じゃぁ、ミルテさんは・・・」
ロックはアリスに目を向けた。
「カイラス・ミルテ、ミリナさんの情報によれば、彼は有名な初心者狩りの冒険者なんだって。」
少年は話についていけず、口をあんぐりと開けていた。
「ニセクエスト?ミルテ?ミリナ?ギルド?」
ボン
少年の頭はあまりの情報量に、オーバーヒートしてしまった。
「っで、こいつは一体何者なんだ?」
ロックは熱暴走で倒れた少年を指さした。
「さぁね、分かんない。でも、なんとなく悪い子じゃなさそう。目を覚ましたら話を聞いてみましょう。」
「さっき、こいつ、俺を殺そうとしてたけどな。」
ロックは卑屈に笑った。
「ロックのセンサーと違って、私のは精度がいいからね。きっと、大丈夫だよ。」
「ハイハイ、私がわるぅござんした。」
ロックは赤べこのように首を縦に振った。
「ウ、ウゥ、」
少年はゆっくり目を覚ました。
「オマエラ、ダレ?」
「ハハッ、開口一番にお前らと来たか!」
ロックは爆笑した。
「ねぇ、君は誰?」
アリスは優しく問いかけた。
「ボク、ニル。コノトウニ、スンデル。」
「なんで、ロックを襲ったの?」
当のロックは未だ爆笑していた。
「イツモ、クエスト、ウケタヤツ、ココニ、キテ、ボクヲ、オソウ。」
「だからって、殺しちゃダメでしょ。」
アリスは顔をしかめる。
「チガウ、コロシテナイ。ソレ、ゴカイ。」
そういうと、ニルは掌から刀身を出す。よく見ると、刀身の刃の部分がつぶれていた。
「確かに、これじゃぁ、人は切れないね。」
アリスは納得した。
「ボク、イツモ、オソッテキタヤツ、キゼツサセテ、シタニ、オイトク。ツギノヒニハ、ナクナッテル。」
「なるほど、大体わかったわ。」
そういうと、ツボに入っていたロックを呼び、事情を説明した。
「はぁ、そういうことか。じゃぁ、こいつは、あくまでミルテの初心者狩りに利用されていただけってことか。」
「そういうことだと思う。」
「アノサ、オマエタチ、モシカシテ、テイコクニ、イク、ヨテイ、アルカ?」
ニルは唐突に二人に尋ねた。
「あぁ、一応俺たち、帝国に行くためにパーティを結成したからな。」
「もしかして、ニル君も帝国に行きたいの?」
「ウン」
ニルは大きくうなずいた。
「ボク、ジツハ、フジミ。デモ、フジミ、ツライ。」
「ダカラ、オウトニアル、フジミヲコロスケン、ホシイ。」
「え、えぇ。」
ドン引きする二人とは、対照的にニルの顔は期待に満ちていた。
「おい、アリス、こいつ理由はどうあれ、帝国に行きたいらしいぜ。どうする?」
「私達、戦力としては乏しいから一人でも味方が欲しい。まぁ、うん、付いてきてくれるなら、助かること、この上ないわ。」
「ツイテキテ、イイノカ?」
「う、うん」
「ヤッター、アリガトウ。」
ニルは、跳ねて喜び、今日一番の笑顔を浮かべた。
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