四蹴 國神を沈めた力
無道清流
「くっくっく、あっはっは‼」
「これが、無道清流‼ 國神を沈めた力‼」
楔宇一は久し振りの登場にも拘わらず大いにチビってしまう。この男、無道は一体何者なのだろうか。
「俺は無道清流。よろしくな、楔くん!」
「あ、ああ」
楔は恐怖からか従順する。それはそうだ。相棒のベビータが國神を沈めた力で沈められてしまったのだから。
「この力を試したい。楔、どっかと練習試合しようや」
「あ、ああ。なら牛尾か鯨田かな」
「強い方は?」
「た、多分牛尾……」
楔は余計な事は言わないように気を付けながら、取り敢えず素直に答えていく。
「牛尾かあ。じゃあそことマッチングしてくれ。なるべく早えと有難え」
「あ、ああ。分かったよ」
「ん? 俺達と練習試合?」
「ああ、どうだ平くん?」
「あー、そうだなあ。まあ良いよな、シノブ?」
「ええ。私達もこの作品始まってから一度も試合してないし」
「はは、冗談が上手い」
「……」
「え、マジで……?」
一応はサッカー小説で、10万文字近く書いていて一回も試合しないなどということはあるか? いや、無くはないだろうが、それは果たしてサッカー小説と言えるのだろうか。というより10万文字もの間、この人達は一体何を積み重ねてきたのだろうか。楔は脳内の疑問符をダイレクトシュートし、超越視界を瞬きでリセットする。
「で、どうだい?」
「ああ、やるよ。やろうぜ、楔くん」
こうして牛尾中と鯨田中の練習試合をすることが決まった。決戦は週末だ。そしてその時こそが
楔宇一