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Death Game Orientation(デスゲーム オリエンテーション)

十二人の生徒が、命を賭けて挑むデスゲーム×学園ストーリー

土、火、水、風の四属性をメインに、街に群がるモンスター達を討伐し授業をクリアして自身の評価を上げていけ!

生き残るのは真の才能がある人間のみ

誰が生きて誰が死ぬのか完全オリジナル作品

《Death of the Academia》をお楽しみください

「〜〜〜〜♪」


愉快な鼻歌が廊下に響き渡り、自分達の担当するクラスへ足を動かす。その姿に呆れた顔をして彼女は放った———


「廊下では静かに歩いてください」


「釣れないなぁ……フラーナちゃん。そんなんだから、一番最初に襲われるんだよ〜」


「———っ。何か言いましたか?」


「嘘だよ〜すみません。もう何も言いません!」


{フラーナ・セリカ}火属性担当の冷静沈着で清楚系美少女。漆黒の赤色の長い髪と瞳に赤色のセーラー服。胸元には白いネクタイをつけている。

かつて火属性の中で最強と謳われた一人である。


「そこはII組の教室ですよ」


「おっと危ない。俺達の担当はもう1個奥の教室だったね」


「早く行かないと生徒達に申し訳ない……急ぎますよ」


フラーナに諭されて、足早にI組の教室に迎う。そしてI組の教室の前へ行き思い切って扉を開いた。


「おっはよー!諸君これから宜しくね〜ってあれ?」


「……何をしているんだか」


元気な挨拶も虚しく、教室に入った瞬間、生徒達の視線を一斉に、冷たい視線を貰い受けた。


「グラン先生が大変無礼を致しました。私から皆様に謝罪させてください」


「どうして……」


{グラン・マウロ}土属性担当の緩めに結んだ薄い黄色髪に白い瞳を持つ元気が取り柄の、少し痛い男性。

自分より下の人間に舐められると、機嫌を損ねる子供気質場面もある。

淡いオレンジ色のワイシャツの袖を捲り、黒縁眼鏡をかけている男性。

そんな彼はかつて土属性の中で最も強いと称された一人である。


「皆揃ってるね〜 じゃあ今から今後の流れを話したいと思います」


二列三つずつ机が並び、生徒達はつまらなそうで、でも真剣そうに教卓のグランに視線を向ける。


「良い表情だね。席についても問題なくクリアしてくれて、嬉しいよ。じゃあ早速自分の名札の裏面を再度確認してくれるかな?」


グランの指示通り、生徒達は名札の裏に目を通す。


「その文字は君達の実力を測るランクだ。上からSS、Aとなっており一番悪いランクで、Bランクだ。

これから授業を受ける度にその評価は変動し続け、お前達を強くするだろう……」


「今は二人ずつ同じランクですが、同じランクの中で競わせた時の成績が良かった者を上位に示しています。ここまでで質問はありますか?」


「あの……」


手を挙げたのはAランク共通3位の{ストリクス・アルヴィオン}白髪のセンターパートの前髪にウルフカットの強き者を演じる少年。彼は自分に色が無く、それをはっきりさせる為に学園へ入学する事を決めた。


「もしそのランクが変動して上から下へ落ちた時に、ペナルティなどはあるんですか?」


「良い質問だ。単刀直入に言えば命に関わる……」


「命に?」


グランの声のトーンが低くなり、その場は一瞬で緊張が走る


「まぁその内ちゃんと話すさ。後はそうだなぁ……」


あっさりとしすぎた回答に、誰も首を突っ込むことはなかったが、ひとりの生徒が訝しげに、グランを見ていた。


「成績順位の変動による下位は、脱落する可能性が高まってしまう。そして上位3名は恩恵が与えられます」


そうしてポケットの中から黄金のプレートバッチを取り出した。


「成績上位の2、3位はこのバッチが与えれらます。このバッチを持っていれば、下位に落ちた時に一度だけ脱落を免れる恩恵があります。重複は不可、脱落をするまで期限は無いですし、本当に自分に必要だと感じた時に、使ってください」


「そして1位の生徒になったら、1日限りの学園外への出歩き、場合によっては、自分に必要な好きなバッチをプレゼントする。評価基準は、格属性担当担任の俺達の独断と偏見だから、そこは分かって貰えると助かるよ」


「回答は以上ですが、御理解頂けたでしょうか」


「分かりました。ありがとうございます」


「他に質問がある人は?」


互いに周りを見渡して誰も挙手しない彼等を見たグランは、ふっと微笑み最後に宿題を言い渡す。


「じゃあ俺からの説明は以上だ。

今からフラーナの案内に従って、寮に行ってもらう。それと俺からの宿題は、寮にある規定の制服を一つ選んで次の授業に着てくる事。以上だ」


「では皆さん成績順に二列で並んでください。寮にご案内致します———」


教室を出てすぐ左に曲がり、II組の教室を通り過ぎて、角を曲がり、再び真っ直ぐ歩いて行く。


「あの今になってで申し訳無いんですけど、招集前に俺達に言ったII組ってのは何者なんだ……?」


ふと疑問に思った事を口に出したのは{ヴェイル・イグニス}火を専門とする戦士。SSランク共通1位の彼は気が強く、どんなことにも全力な性格の生徒。


「II組は、貴方達よりも下のランクの生徒達の集まりです。人数は変わらず六人、こことは別に寮があり日が経てば、相まみえましょう」


「ふーん……そういう感じねぇ」


「さぁ話している間に着きました。ここが皆さんがこれから使う寮になります」


辿り着いた場所は、向かい合って三つずつの部屋が用意されており、それぞれの名前が書かれた室名札が掛けられていた。


「ランキングによって部屋の質が異なる事はございません。そして、順位変動による部屋変更も勿論。

部屋の中は、特殊な防音魔法をかけているので、部屋に入ってしまえば、独り言も仲間との会話も、誰も耳にすることはありません」


部屋を試しに開けると、見え隠れする透明な壁があるのに気づいた。



「それと何か気になることがある場合は、中に電話があるので、それを私にかけてください。ここまでで、質問はありますか?」


今回も、最後に質問は行われることなく終わった。


「では私はこれで……それと夜食は二十一時。就寝時間は二十三時なので、その前に、制服を決めておく事をお勧めします。明日八時には、身支度が済んでいる様お願いします」


改めてフラーナは頭を下げて振り返ること無く寮を立ち去った。

そして十二人の人生を賭けた授業(ゲーム)が始まろうとしていた——

お試し1話を公開です!こちらの作品は不定期での更新となりますが現在連載中の作品が完結した後にしっかりと描く予定です

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― 新着の感想 ―
xからきました! 物語が始まる感がちゃんとあって、どうなるのかという期待感もあって…… 非常に勉強になります。
RT企画のご参加ありがとうございます! 導入としての構成力が高く、キャラの個性もはっきりしていて、物語の「不気味さ」や「期待感」をしっかり感じさせる、非常に良い一話目です。個人的にはフラーナの冷静な説…
このデスゲームは、ただ事じゃないぞ! バトルが始まる予感www
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