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修学旅行行くよ!

 こんにちは、ナコです! 前回お友達の黒野ペラこと黒のっぺらぼうが転校してきたんだけど、その子を見た英語の先生がぶっ倒れちゃって、ペラちゃんが授業をすることになりました! すげぇな!


「えー、転校生初日に私が授業をすることになるとは思わなかったので、正直焦っています」


 そりゃそうよな。そもそも生徒が授業をすること自体珍しいことなのに、お前のっぺらぼうだもんな。


「でも、やってみたかったことはあります。それは、修学旅行です! さ、今から行きましょう!」


 私たちは沖縄に行くことになった。実は今私は、とてもワクワクしている。ちんすこうが大好きなのだ。お菓子の中で1番好きかもしれない。


 黒のっぺらぼうが独自にハイジャックして自由に出来るようにした飛行機に乗り込んだ私たちは、意気揚々と沖縄へ向かった。


 女子たちの流行の話、男子たちのバカ話、先生たちのくだらない話、色んな話が聞こえる。機内は正露丸のにおいがした。


「2足歩行じゃん!」


 男子が騒いでいる。猫のおもしろ動画でも見ているのだろうか。


「3足歩行やろ?」


 あ、もしかしてクイズやってる? 足が3本あるのはなーんだ、答えは杖ついた老人! ってね。


「杖か?」


 やはりそのようだ。


「アゴじゃね?」


 アゴ? ケツアゴで歩くとかいうやつ?


「真ん中の足⋯⋯つまりちんちんか」


 なんか変な推理してるやん。


「そう、杖とアゴとちんちんの3足歩行だったんだよ」

「こわ〜!」


 怪談話かよ! んで、その特徴私のお父さんじゃん! 私のお父さんの目撃情報の話してたんじゃん!


 ちなみに、私の隣にはペラちゃんがいる。顔があるはずの所が真っ黒すぎて、吸い込まれそうで怖い。


「これどういうことよ!」


 サンバサンバブンバボンバが声を荒らげている。サンバサンバブンバボンバは私の友達で、よく私の家に集まるメンバーの1人だ。


「このメモよ! マリカって誰なの! やったってなんなの! 何をヤッたのよ!」


 彼氏であるダシの効いていないただのお湯くんに掴みかかっている。ダシの効いていないただのお湯くんは以前私に、サンバサンバブンバボンバに渡して欲しいとラブレターを渡してきたことがあった。今彼らがこうやって付き合えているのはキューピッドである私のおかげというわけだ。


 サンバサンバブンバボンバは彼を殴り殺してしまった。修学旅行で人が死ぬなんて、幸先悪いスタートだな。あ、ケンジくんがサンバサンバブンバボンバの席に向かって歩いてる。こいつ本当にいつでもどこでも裸だな。


「サンバサンバブンバボンバさん、マリカっていうのはマリオカートの略称だよ。この前ダシの効いていないただのお湯くんと2人で遊んだんだ」


 お前さ、完全な露出狂なんだから中身もそうであれよ。なんで普通の事しか喋らないんだよ。


「私はなんてことを⋯⋯ああああああ!」


 サンバサンバブンバボンバは飛行機の窓を割って飛び降りてしまった。私たちは那覇空港までお通夜ムードで過ごした。ムードというか、実際に死んでるんだけどね。


 那覇空港に到着するとお通夜ムードは消え去り、皆はっちゃけていた。飛行機から降りると、現地の人と一緒に立っていたサンバサンバブンバボンバが出迎えてくれた。


「サンバサンバブンバボンバ、生きてたの!?」


 私は嬉しかった。大事な友達である彼女を失ったと思っていたからだ。


「落ちてる途中でやっぱ死にたくないなって思って、飛んでここに向かうことにしたの。まさか飛行機より早く着くとは思わなかったから自分でもびっくりしてるよ」


 うんうん、と涙ながらに私は頷いた。良かった良かった。


「さぁ、沖縄楽しむぞーっ!」


 ペラちゃんが両手を広げ、空に向かって叫んでいる。私達も楽しもう!

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― 新着の感想 ―
[一言]  授業を修学旅行に変更は無い(笑)  せめて、ドッジボールか、雪が積もってれば、雪遊び。
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