眼鏡、壊れる
選人生眼 作者けばお
この物語は、眼鏡と男性の奇想天外ミステリーバラエティー小説である。
最終話 眼鏡、壊れる
「って、事件なんて本屋でそうそう起こるものじゃないから、私の出番なんて全然ないんだけどね。」
眼鏡が言った。
「おいおい、なんでそんなことを言ってるんだよ、まだまだ僕らはこれからじゃないか。って、まあ、確かに本屋で働いてそんなに困ることなんかないか。」
男性が言った。
「いやいや、そこは、まだまだ一緒に働こう(涙)じゃないかね。」
眼鏡が言った。
「あ、そうだね。じゃあ、今日も頑張って働こう。」
男性が言った。
そんな会話を繰り広げている二人の元に一人の客がやって来た。
「おい、今日からここは俺が乗っ取ることに決めた。いいから早く出ていけ。」
客が言った。
「だ、誰ですか。あなたは。ここは僕が守っているんです。」
男性が言った。
そんな男性の言うことも聞かず、客は男性に殴りかかった。
「きゃー、やめてー。」
そんな眼鏡のうめき声に乗せた願いも届かず、眼鏡は壊れてしまった。
「大丈夫か。眼鏡。」
男性が言った。
「お前、なんで眼鏡に話しかけているんだ。ただのお前の妄想じゃないのか。」
客はそう言い残し、去っていった。
「今日まで、私の言うことを聞いてくれて、ありがとう。そして、これからも眼鏡と共にあらんことを・・・。」
眼鏡は言った。
「眼鏡ー。」
男性は叫んだ。
そんな、男性の願いも届かず、眼鏡と男性の共同生活は終わりました。
終わり?!