眼鏡と万引き犯
選人生眼 作者けばお
この物語は、眼鏡と男性の奇想天外ミステリーバラエティー小説である。
第四話 眼鏡と万引き犯
男性は今日も眼鏡と一緒に働いていた。
「はい、じゃあ、今日はF棚のコミック売り場のチェックをしていこうね。今、最も売れているコミックは、「東京と君と僕」略して「君僕」。このコミックは、必ずセンターにおいておく事。分かった?!」
眼鏡が言った。
「はい。分かりました。」
男性が言った。
そんないつもの会話をしている2人に、ある客がやってきた。
「すみません。「君僕」ってどこにありますか?」
客が言った。
「「君僕」ならこちらになります。」
男性はすぐに答えた。
「あー、ありがとう。この本すごく読みたかったんだよ。」
客が言った。しかし、その客は、本を受け取った瞬間、素早く走って逃げていった。
「あ、ちょっと待てー。まだ会計してません。」
男性が追いかけていった。
「ここは、私眼鏡の必殺技「ターボ」を使い、あなたの足を早くします。」
眼鏡はそう言い、男性の足を加速させた。
すると、みるみる内に男性は、万引き犯に追いつき、本屋から1km離れた場所で万引き犯を捕まえることに成功した。
「こら、お前、本を返しやがれ。次やったらぶちのめすからな。」
眼鏡はものすごい気迫で万引き犯を叱った。
「ひえー、もうしません。」
万引き犯は、まさか眼鏡に叱られたとはつい知らず、その場を去って行った。
それから、男性と眼鏡は反省会を開いた。
「今回の「万引き犯事件」は、やはり、あなたの接客技術の無さが故に、起きてしまった事件であると考えられます。」
眼鏡が言った。
「はい、そうですね。本を客にぽんと渡すのではなく、レジまで商品を運び、会計をしてから本を袋で包み、渡すべきでした。」
男性が言った。
「その通りです。あなたもなかなか頭がいいじゃないですか。その調子で働いてください。それから、今回の事件をきっかけに少しだけ接客の練習もしておきましょう。」
眼鏡が言った。
「はい。分かりました。」
男性が言った。
「まず、第一に、レジの前では、にこやかに笑顔を作り、客が入ってきたら、「いらっしゃいませ」と声をかける。次に、客が困っていたら、「何かお探しですか?」と声をかける。そして、最後に、本を買ってもらったら、「ありがとうございました」と丁寧にお辞儀をして、客を見送る。これだけできれば、上出来です。」
眼鏡が言った。
「はい。そうですね。」
と男性は言い、何回か接客の練習をした。
こうして、働くことの醍醐味を眼鏡と共に知った男性。
これから、どんな事件が二人に待ち受けているのだろうか?!