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転生したらレベル999だった!  作者: モンブラン
4/12

破壊者の存在

あのサーカステントが 跡形無く焼失した。

しかし、タケルは手がかりを見つけたが…。

俺は夜になっても、眠つけなかった。

じっと天井を見て、考えていた。

この世界の事、世界にいる皆んなの事。

考えれば、考える程 眠れなくなる。


すると部屋のドアをノックする音がした。


「タケルさん、もう寝ましたか?」

あれは、ミラさんの声かな?


「いえ、中々寝つけなくて困ってます。」


「ドアを開けますね。」


ドアが開き、ミラが入ってきた。

「貴方、もしかして私達に、何か隠してる?

言えない事があって、悩んでるの?」


あや〜やっぱり 歳のこうと言うか 勘が良いと

言うかビックリだ! コレが女の勘って奴か?

よく親父が言っていた。母には何にも隠して

置けないと 全て勘づかれると。

このミラだけは、言って置きたい気がする。


「実は、私は転生してこの世界に来たけど

その理由が、この世界全てを破壊し新しい

世界を作る事と分かってしまったのです。

ですから、貴方達を全て消し去るのは私なの

です! 許して下さい! 」


ミラは、俺の話をずっと聞いていたが最後の

方で近づいて来た。そして俺を包む様に抱いて


「良いのよ、心配しないで。貴方の使命を果たし

なさい。私達は貴方に消されるのなら、全て

受け入れます。」


俺は彼女の優しい言葉で、涙が止まらなかった。

子供の様に彼女の胸で、泣いた。

柔らかな感触が、俺の頬に伝わりそのまま夢の

世界に誘う様だった。

このまま、寝てしまいたい と思った時


「タケルさん、もしこの世界が無くなるなら

その前に頼みたい事があるの。無くなるその日

私を抱いて欲しいの。貴方の女として死にたい

それが可能なら、私は希望が出来る!

その日まで生きていけるのよ!」


俺は言葉がでなかったが、絞り出して言った。


「はい、私も貴方が好きです。最後の日は

私と一緒にいましょう。」


今度は、彼女が俺の胸で泣き出した。


「ありがとう! 本当にありがとう!」


「ミラ、この事は誰にも言わないでね。俺達だけ

の秘密にしてね。」


彼女は、何も言わず 頷いた。


暫くすると彼女は、部屋を出て行き。

俺も、彼女に打ち明けたせいか、睡魔が来て

いつのまにか、寝ていた。


「タケル! 朝食よ!」


元気なユアンの声で、目が覚めた。


「は〜い 降りま〜す。」


朝食を食べ俺は少し外を、窓から眺めていた。


「タケルさん 今日も一日頑張って下さいね!」


ミラが、俺を励ます様に声を掛けて来た。

ミラの目は何故か、赤く腫れていた。

おそらく昨日の事で、寝ていないのだろう。

やはり言わない方が、良かったのだろうか?


「今夜はタケル!サーカスに行くんでしょ?」


そうだった、お礼があるって言ってたな。

今夜は、あの事は考えない様にしよう。

皆んなに悪いからなぁ。


「あぁ、行ってくるよ。」


「彼女、良くなったかなぁ。心配だから 帰った

ら教えてね。」


「うん、分かったよ 」


俺は、そう返事をして部屋に戻り 夜になる前に

街の中心部にある、ギルドに行く事にした。

ギルドでは、数多くのクエストが、出ており

そのクエストを完了する事で、レベルアップした

り、貴重なアイテムが貰えたりする。そんな

普通の冒険が、してみたくなったのだ。


「ムールの翼発動!」


街の中心部、ギルドの前に着いた。

中に入り 様子を見ると、冒険者達がひしめき合っ

ていた。皆んな其々に成長しようと頑張っている


「いらっしゃいませ、どの様なご用件でしょう

か?」


「はい、一番強いドラゴン退治のクエストは

ございますか?」


すると、周りの冒険者達が、騒めき出した。


「アイツ、ドラゴン退治とか言ってるぞ!」

「パーティも組まず ドラゴン退治出来る訳ない」

「早死にするな アイツ!」

「目立つのが、好きなんだろうさ」


まぁ 勝ってな事を言っている。


「はい、ございます。レッドドラゴン退治が

ございます。」


ドラゴンの中でもレッドドラゴンは強い。

普通のクエストでは最低五人でのパーティで

挑戦し それでもキツイ クエストだ。


「じゃ それをお願いします。場所だけ教えて

下さい。」


俺はレッドドラゴン退治のクエストを受け

場所を聞き、ムールの翼を発動した。


山の麓に着くと、既に天高くドラゴン達は

優雅に滑空していた。その数 数十匹。


[システムオープン]

魔物:レッドドラゴン 66匹 Lv250-253

スキル:炎のブレス 吐く息がファイヤボムになる。


「おい、システム! 一度にドラゴン退治する

スキルはあるか?」


[システムオープン]

はい、範囲攻撃で特強が使える デスフニッシュ

が適当かと思われます。効果は四方に飛ばす

物理攻撃で、直接その物の心臓を貫ぬく事で

絶命させるスキルです。習得しますか?


「はい、習得する!」


[システムオープン]

デスフィニッシュを習得しました。

残りポイントは、47750となりました。


「あと、タウントスキルってある?」


[システムオープン]

はい、ございます。タウントに習得しますか?


「タウントを習得する!」


[システムオープン]

タウントを習得しました。

残りポイントは、47730となりました。


「よし、最大のタウントを発動!」


ドーンと言う振動の後、一斉にレッドドラゴン達

が此方に向かって来た。

口元を真っ赤に染め、ブレスを溜めている。


「デスフィニッシュ発動!」


猛スピードで襲い掛かるレッドドラゴン達は

まるで急ブレーキが掛かった様に、また見えない

壁に当たった様に、次々と落下して行く。

そう、彼らの心臓は 既に破裂していた。

66匹のレッドドラゴン達は、一瞬で封殺された。

地面に巨体を、地響きと共に叩きつけ砕けた。


[システムオープン]

回収:6600000リル、ドラゴンの爪30個


強いと言われるレッドドラゴンも雑魚キャラ

扱いなんだな やはりこの俺は世界を潰す事が

出来るのかも知れん。


さぁ 帰ろう。証明は出来た。

俺は、世界の破壊者と言う事の証明が……。


ギルドに戻りクエストの報告をした。


「アイツ レッドドラゴン66匹を一人で殺ったん

だってよ!」

「化け物かよ! Lv250以上ある魔物だぞ!」

「関わらん方がいいぞ! 殺させかねない」

「一体アイツ レベルいくつなんだよ!」

周りで、冒険者達が 騒めき立っていた。


「タケル様、今回のクエスト報酬は1000万リル

となります。個人倉庫にご入金致しますか?」


「いや、ココにいる冒険者達に、分け合って

貰っていい。俺に金は不要だ。」


「はい、分かりました。冒険者の皆様 タケル様

から皆様に、報酬1000万リルをお渡し致します

ので、ご入り用の方は、お並び下さい。」


その言葉で、ギルドの中は騒然とした。

我も我もと、カウンターに並び順番を待つ冒険者

でひしめき合ってドタバタしだした。そんな

光景をよそに、タケルは静かに立ち去った。

カウンター越しの、受付がチラッとタケルを見て

頭を下げていた。


タケルは、宿に戻り部屋で一人休んでいた。

まるで瞑想でもしている様であった。

そこに、バタバタと階段を上がる音がして


「タケル! 帰っている!」

ユアンが上がって来た様だ。


「あぁ 帰っているよ。 どうした?」


「入るよ!」


「今夜行くって言ってたサーカス団、あれ大変

な事になったよ!」


「大変って? 何が大変なんだい?」


「あぁ 昨晩 現れた魔物に全て破壊され 跡形も無

くなって そこにいた人達は、全員殺されたらしいの。タケル行ってみて。」


「あぁ 分かったよ 行ってみる」


俺はムールの翼で、サーカステントに着いた。

周りを見ると、跡形どころか何も無い。

所々に焦げた炭素化した物が有るが、もう形を

なしてない。人々の遺骸もこの中にあるのかも

知れんが、もう判別は出来ない。


「一体何があったのだ!」


範囲攻撃で辺り一面を、焼失させたとしか言えん

でも何故?だ。俺はテントの辺りを歩き廻った。

すると、妙な所が見つかった。

1m程の円形で 焼失とは無縁の場所があった。

そこは、全く被害を受けて無くまだ草が生えて

いる。ここは ほぼ焼失の中心の場所だ。


その草の上に立ち周りを見渡した。

やはりそうだ。ココに誰かが立ち、高出力の

範囲魔法を使い、一気に焼失させたのだと。

そう考えるとつじつまが合う。

なんと酷い事をする…。


俺は宿に帰り、その事を話していた。


「すると、魔物のせいと言うこと?」


「いや、魔物は街の中までは、入れない。

バトルゾーンではないからね。」


「では、人間の仕業と言うこと? 凄い魔法使い

とか?」


「うむ、どうだろうか…。」


俺は心当たりがある。そう破壊者だ。破壊者なら

簡単な事だ。もしそうなら、俺の他に破壊者が

存在する事になる。


「おい、システム 破壊者は、俺だけか?」


[システムオープン]

いえ、破壊者は この世界に10名存在します。

その内の一人が、貴方です。


「了解した…。」


「どうしたの? タケル 顔色が悪いよ」


「ミラ、ユアン聞いてくれ もう話さなければ

ならない時が来た様だ。実は俺は転生して この

世界に来たが、破壊者なのだ。そうこの世界を

破壊し、新しい世界を創造する。だから今 この

世界に存在する人達は、全て消えて無くなる。

それが運命なんだ。最初は全て俺がその役目を

負っているのかと思ったが、この世界にはまだ

他に9名の破壊者がいるそうだ。

今回のサーカステント焼失の件は、間違い無く

破壊者の仕業だ。しかし俺はあんな風に、人々

を破壊する事は出来ない。一体どうすれば…。」


「タケルさん 前にも言ったけど 私はタケルさん

が破壊者であってもそして私達を消し去っても

大好きなタケルさんには、変わりありません。

どうか、使命を遂行して下さい。私は喜んで

貴方からの使命をお受け致します。」


「あぁ〜私も死んじゃうの〜 消えちゃうの〜」


「ユアン……。」


「じゃ 私消えて無くなる前に、タケルのお嫁さん

になる!絶対なる!そうじゃなきゃ あまりにも

ユアンが、可哀想だよ〜」


ミラが、ユアンを抱き寄せて、互いに泣いている


「システムよ! もし俺が他の破壊者と戦ったら

どうなる?」


[システムオープン]

破壊者を倒す事は、禁じられておりません。

破壊者が残り一人となった時は、その世界は

破壊の対象から外され、最後の破壊者は消滅

し終了となります。


俺は耳を疑った。 そうなのか!

要は他の破壊者達を全て倒せば、この世界は

存続するんだ!

俺一人が、消えて無くなるだけなんだ!


俺の心は決まった!

残りの破壊者達と戦う。そしてこの世界を守る。


冒険は続く








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