そうだ温泉に行こう!
俺とミラ 、ユアンで温泉に行く事になったが…
暖かい日差しがベットまで差し込み
俺は目が覚めた。
外では人々が往来する音。
下では、早くから食事している音がしている。
昨日で あと一人を残すだけとなった。
奴が言う通り 全てを倒して この世界を残す事
が良いか悪いかなど、俺には分からない。
ただ、愛した人達が 何もせず消えてしまうのが
耐えられないだけだ。
ここまで来たら 最後までやるしかない。
俺は自分に そう言い聞かせていた。
「タケルさん 起きまして? 食事の用意が
出来ておりますわよ!」
ミラさん 貴方は私の愛する人。
その美しい姿。 可愛いらしい笑顔。
心奪う声。 全てにおいて貴方は私の理想。
ドストライクな女性! それが貴方だ!
一緒にこの世界で、暮らしたかった……。
「タケルさぁーーん 聞いてる? 」
「あっはい、今降りまーーす」
テーブルに着くと、多くの冒険者達が食事をして
いた。この人達も 今を頑張って生きている。
最後の一人となった今、そんな気持ちがフツフツ
と心の中に 湧き上がってきた。
この世界を残す為に……。
「タケルさん、いよいよ残す所 一人になったわね
その戦いが終われば 一緒に暮らせるのね。」
「……あぁ そうだとも。一緒に暮らせる。」
俺は彼女に 嘘をついた…。
「タケルさん 今日は午後から宿はお休みするの
タケルさんも、昨日の戦いで疲れてるだろうし
温泉でも行かない事? 勿論ユアンも一緒だけど
どう?」
「あっはい 行かせて下さい。 行きます!」
「良かった、では午後12時頃にここに来て。」
俺は了解し、食事を済ませたあと
道具屋を訪れていた。
道具屋では、あらゆるアイテムが陳列されていた
「あのぅ アイテムで戦いに有利に運ぶ物なんて
無いですかね? そんな都合良いもの無いですよね
ははははっ」
「あるよ」
「やっぱりね…えっ!あるの? 何ですかそれ!」
「うん、少し高いが 60秒だけHPとMPを倍に
する効果の薬草があるんじゃよ」
「えっ それかなり良いですね。」
「買うかい? でも買えるかのう? 10億リルだ」
「えっ 10億リル!!!! って高か!」
「だろう だから未だに1つも売れんのさ。」
「あぁ 俺もそんな金など無いから 無理だな」
「お前さん 何処かで見た顔だのう 名は何と
言うのじや?」
「あっ はぁ タケルと言います。」
「ほう、タケル とな 破壊者を次々と倒して
いるあのタケルかの?」
「あっ そうです。そのタケルです。」
「破壊者を倒してどうするのじゃ?」
俺は何故か、この道具屋の爺さんに全てを話し
ていた。何とも不思議な爺さんだ。
「ほう、良く話してくれたのう お前が最後の
破壊者を倒す事で、この世界は存続出来ると
言う事で、良いのじゃな?」
「はい そうです。」
「よし、分かった ではこの薬草は お前さんに
くれてやる。金は要らん。」
「えっ 10億リルは?」
「うむ、考えてみなさい。お前さんが勝たなけ
れば、この世界は破壊者に破壊されるのだろう
だとすれば、お前さんに勝って貰わんとなぁ
必ず勝って、この世界を救って下さらんか」
「はい 分かりました、最後まで戦ってこの世界
を救ってみせます。」
「よし! では持って行け この薬草を!」
「ありがとうございます! 必ず勝ちます!」
俺は、運良く道具屋から チートなアイテムを
手に入れた。これでかなりの確率で勝利は
固くなった。よし ではそろそろ戻ろう!
宿に戻ったのが昼近くだった。ミラとユアンは
何やらバタバタしている。
「あぁ タケルさん お帰りなさいませ。少し
お待ちを!」
「タケル! ちょっと待っててね!」
「二人とも、何慌ててるんだい?」
「あぁ いいから そこで座っていてね」
二人は、何を慌てているのか?
何やらトランクケースに多くのアイテムを入れ
ている様だが。かと思えば奥に入っては
まったく出て来なくなったり。
ようやく出て来たのがそれから1時間後だ。
「あぁ〜お待たせ致しました。」
「あっ どうしたんですか? その格好は?」
「だってお母さんが、勝負よ!って言うから
私も化粧やら 服選びから大変で 今日買って来たの
よ どうこのドレス? 似合うかしら?」
「タケルさんは、そんな胸の開いたドレスは
ダメダメダメ! 私の様な気品あるドレスでないと
ね、タケルさ〜ん 」
「あぁ どちらもとっても綺麗です。 ハイ」
「お母さんだって 何よ足出し過ぎ! 歳を考えて
ね! ねぇどう タケル! 私の方が好きよね」
「はい、ではこの辺にしましょう!どちらも
綺麗です。さぁ行きますよ!」
「あ〜ん タケルさん もっと見て〜」
「タケルに 馴れ馴れしく抱きつくな!」
二人の攻防は置いといて、三人は温泉地に飛んだ
そこは、山の山頂近くで、大きな火山噴火跡に
出来た泉あり、その泉が温泉となっていた。
「あぁ〜着いたわ とにかく近くにあるロッジ
を借りましょう」
三人は温泉近くの山小屋を借りて、荷物をそこ
に保管し、温泉の泉に向かった。
「あれ? ココの温泉は 混浴?」
「あら? そうなの? やだぁ どうしましょう
タケルさんと一緒なんて 恥ずかしいわ」
「お母さん!昨日言ってたわよね。あそこは
混浴だから 貴方とは裸の戦いよって!あれ
何だったのよ!」
「あらあら、何を言ってるのか 分かりません」
「このぉ! 胸デッカの色気女!」
「何よ 若さだけの 貧乳め!」
俺はそっと、温泉に入っていた。
外は少し騒がしいが、とてもいい湯で体の芯から
あったまる感じだ。昨日の戦いなど忘れてしまう
そんな所だ。
二人は、まだ何か言っていたが
「あれっ いい湯だよ 入れば?」
二人は、木陰で羽織物を脱いで、此方に来た。
湯気で霞んでいたが、ミラのシルエットは
本当に素晴らしいの一言。
メリハリのある体とはこの事だろう。
しかし、ユアンだって負けてはいない。
流石に若いだけあって 肌に着いた水滴は
弾き返しキメが細かい証拠だ。
背はミラより高く、スラっとしたモデル体型
と言った所だ。
今 その二人が、目の前で湯に浸かっている。
何と夢の様な光景なんだ!
男に生まれて良かった!
湯を上がると、ミラが右手 ユアンが左手を取り
洗っているのだ。正に これって究極のもてなし!
まるで王様の気分で、俺はもういつ死んでもいい
と本気で思ったくらいだ。
しかし、最後に真ん中を洗うのに 二人がまた
火花を散らし始めた。
「あらあら、そこは年の功の私が!」
「いえいえ、何と言っても若い私が!」
結局ジャンケンで勝ったユアンがやる事に。
「タケル! 洗わせていただきま〜す!」
「あれーーーーーーーーー!」
温泉にゆっくり浸かって三人は、一日の疲れを
落としたとさ……。
冒険は続く
今回は、戦いが出来ませんでした。
次回は 最後の戦いが待ってますのでご期待下さい