牛乳危険論に対する反論(簡易版)
毎日コップ一杯の牛乳で骨太生活。
バランスのいい食事と適度な運動、適切な休息で健康生活。
これらは厚生労働省の掲げる人間的な生活の一つですね。
私はこの考えに何の反論もありません。
さて、牛乳が危険な飲み物だという話を聞きまして、その反論をエッセイの形で大々的にやってみたいと思います。
間違った知識で語られて多くの人が嘘を信じられたら嫌ですからねー。
正しい情報を流したいと思います。
当たり前ですが、検索などで調べられる話を中心に進めていきたいと思います。
参考にしたサイトは以下の通り。
・ 厚生労働省のサイト
・ 農林水産省のサイト
・ 明治大学の疑似科学について評価しているサイト
・ 骨粗鬆症財団のサイト
・ 日本豆乳協会のサイト
・ 「カルシウム リン 栄養学」でググって最初に出てきたサイト
・ 同検索条件で出てきたダイエットのサイト
・ 「牛乳 危険」でググって最初に出てきた整体院のサイト(牛乳は健康食品ではなく嗜好品として飲むべきだという論)
・ 同検索条件で出てきたスウェーデンの統計に関して書いてあるサイト
・ 「豆乳 危険」でググって最初に出てきたサイト
・ 「魚 危険」でググって最初に出てきたサイト
軽く見るだけなら2時間ぐらい?
その程度で私の言葉の引用元が分かると思います。
まず、骨粗鬆症の原因になるという話の否定から。
これについては、牛乳に対し悪意を持って前提条件を弄って語られています。
スウェーデンの研究チームが10万人を数年間対象にした統計の話を見ると、牛乳摂取量が「コップ0~1杯以下の人」と「コップ3杯以上の人」を比較しています。統計の結果ですし、これが正しいという前提で話をしましょう。
まずは「コップ3杯以上飲む人」という区切りはいいとして、「コップ0~1杯以下の人」と区切った理由を考えてみましょう。
よく見なくても分かりますが、あちらの研究チームは「牛乳を飲まない、乳製品を摂取しない人」とはしていないのですね。つまり「牛乳を適正量摂取している人」と「過剰に牛乳を摂取している人」を比較していることが分かります。
もしも牛乳を飲んでいない人と比較していれば牛乳の危険性、無意味さを語るデータとして使えたと思います。ですが、実際は牛乳を飲む、乳製品を摂取している人をデータに加えているため、国の考える健康的な生活をしている人とそうでない人を比較しています。
ですので、この統計結果から「牛乳は危険である」という結論は導けないのです。できて「牛乳の過剰摂取は危険である」という国と同じ結論です。
また、この統計に対し当時の農林水産省の議員が「生産者に迷惑がかかる」として科学的な反論を求めたため、国が国民に必要な情報を隠蔽していると考える向きもありますが、これについては「科学的根拠に基づく反論を求めている」ので「隠蔽しようとしている訳ではない」と私は考えます。
日本人って簡単に先導される事が多いですからね。郵政とか、民主とか。各種食品に対しても「健康的」「危険」と言えば過剰反応しますし。
※ ちなみに牛乳の適正摂取量は1日200mlぐらいで、コップ1杯分に相当。それでもカルシウムは足りないため、国は小魚やヒジキなどの海藻の摂取を求めています。
そして牛乳とカルシウム過剰摂取を控えるようにと許容限界領についても記載しています。細かい話は厚生労働省の骨粗鬆症のページをご覧ください。
リンが牛乳に含まれ、それがカルシウムを駄目にするため、牛乳を飲んでも無駄だという意見もあります。
が、全くのでたらめです。
正直、医療関係者がなぜこのような嘘を言うのかは分かりませんが、でたらめなので信じないようにしましょう。
言っている医者がいたらヤブ医者です。近寄らないようにしましょう。
カルシウムがリンと結びつくところまでは本当です。
ですが、リンの所為で牛乳に含まれるカルシウム全てが排出されるわけではありません。むしろ、リンの摂取はカルシウムと並んで推奨されており、骨の形成に必要不可欠なミネラルと言われています。
牛乳に含まれるカルシウムとリンの割合はほぼ同じ(カルシウムがやや多い)ですが、カルシウム1に対しリン2が結びつくため、カルシウムが全てリンと結びつく事がありえないのです。
そして牛乳を飲んだ時のカルシウム吸収比率は40%、リンは60%と言われており、全てのカルシウムが排出されるなどという報告はありません。
ただ、リンの過剰摂取が身体に悪いという報告があり、現代日本人のリン摂取量が増加していることを理由に警告しているというのが実情です。
牛乳が危険だという理由は、どこにもありません。
※ 成長期だとリンはカルシウムの2倍ぐらい、成人はカルシウムと同じぐらいのリンが適量だと言われています。
結局は、バランスなのです。
バランスのいい食事を意識することが重要であり、牛乳を否定する理由などありません。
乳糖不耐症や牛乳アレルギーといった「個人的な理由で牛乳が駄目な人」はいるでしょうが、日本人全員が駄目だという訳でもありませんし、個人の嗜好の問題も絡みます。
骨の強さにはビタミンBや日光、運動量も重要ですからカルシウムだけでいいとも言えません。
骨粗鬆症には様々な要因がある事を忘れてはいけません。
牛乳に懐疑的な整体院のサイトで先生がおっしゃるように「飲みたい人が飲む」でいいんじゃないでしょうか。もちろん飲み過ぎには気を付けるようにして。飲めない人や飲みたくない人に勧める必要もありませんよ。
牛乳を否定するのは、個人の嗜好に留めるべきだと、私はここで結論付けます。
余談その1:
では、ついでに「牛乳を否定した人が豆乳を進める愚かさ」について。
牛乳を否定する人の中には「牛乳には女性ホルモンが含まれ~」という方がいます。まぁ、含まれているのは事実ですね。あと、乳糖不耐症による下痢についても語っているでしょう。
ですが、そんな人たちが豆乳を勧めていた場合、それがダブルスタンダードであることを指摘させてもらいます。
豆乳は大豆イソフラボンというポリフェノール化合物が含まれていて、これは女性ホルモンと同じ働きをします。
よって、牛乳に含まれる女性ホルモンと同じ結果を導く可能性があります。
また、トリプシン・インヒビターを多く含み、過剰摂取すれば消化不良から下痢を起こします。
これは乳糖不耐症と違い、誰でも起こる事です。
おまけに、200ml中のカルシウムが約31㎎に対しリンが101㎎と牛乳よりもリンが多いため、リンの過剰摂取につながり、骨粗鬆症の原因になります。
リンの危険を指摘している人が牛乳の危険性を指摘しているのに豆乳を勧めたら、ただの馬鹿でしょう。自分が勧めている物の栄養価ぐらいは調べておけと私は言いたい。
あたりまえですが、過剰摂取しなければ豆乳にだって危険はありません。そこは牛乳と変わらないのですよ。
小魚の場合は塩分過多の危険性も指摘されていますし、他の魚だとプリン体による尿結石や脂肪分の過剰摂取について危険が指摘されています。新鮮じゃない魚のDHAが危険という話もあります。
とりあえず、バランスのいい食事を心がけましょう。
余談その2:
牛乳は仔牛の飲み物で、人間の飲む物じゃないという意見について。
言ったあなたは馬鹿ですか?
人間の為の食べ物・飲み物など「この世界に存在しません」が何か?
この世界にあるのは「人間に有益な食べ物・飲み物」と「人間が口にしたい食べ物・飲み物」ですが何か?
人間の為にある飲み物など、人間の母乳ぐらいでしょう。
他は全て「人間のために存在するわけではなく、人間のために生きていません」。
人間が都合のいい様に利用しているだけです。
世界は人間を中心に回っていません。
その中で人間は生きる為に様々な努力をし、経験を積み、知識と蓄え、“人間にとって”都合のいい様に世界を変えようと努力してきました。それこそ、数千年の時をかけて。
牛乳もその産物であり、乳牛の乳とは「人間にとって都合のいい様に変えられたもの」の一つです。
品種改良をしてきた方々は仔牛の為とか考えていないと思いますが。
畜産家の方々が、より美味しい、人に望まれる牛乳を提供しようとしてきただけでしょうね。もちろん彼らが人の健康に役立とうとしていることも忘れてはいけないと思います。
もしも牛乳否定論と唱える方々が畜産家の方々を考えずに人間の健康の為と謳おうと、人を見ずに人を救うようなお為ごかしでしかなく空虚としか私は思いませんけどね。
余談その3:
wiki先生に牛乳危険論についてまとめた項目があります。
私の説明以上に分かりやすいと思いますので、一度そちらに目を通してもいいと思います。