暇人と禁句
「学校??何それ行く」
「「はやっ!!」」
フィレスとセシルにであって二日目の晩飯である。いやぁ、だって面白そうじゃん。
「えっ、でも伊吹さんは転生してきた目的とか使命とかあるのではないですか??」
「そうじゃ、何もなしに神が送ってくるわけないのじゃ!!」
目的とか世界を引っ掻き回せだからなぁ...何すりゃいいんか分からんしとりあえずこいつらについていきゃいいでしょ。
「あー、一切お告げとか受けてないんよ。
そうそう、入学金とかそこらへん不安なんだが、あと年齢」
「そこらは大丈夫じゃ。そこの袋に入ってる奴は賞金首じゃから十分金をもらえるじゃろう。
年齢も大丈夫じゃ、今から行く学校は11歳以上上限無し種族関係無しの学校じゃから」
「マジ??ラッキー。つっても俺ここの歴史とか知らねーぞ??」
「....34+56は??」
「90」
ん??急にクソ簡単な足し算を出してきてどうしたんだ??
「194+369はわかります??」
「563、出すならもっと難しいの出せよ」
「42×16÷7はどうじゃ??」
「96」
「う〜む.....合格じゃ」
ちょっとまて、どこぞのクロマティ高校じゃないんだからそのレベルで合格判定はまずいっしょ。
「えーっと、まず受験で求められるのは一つは計算力です。といっても軽く計算できる程度でいいのです」
「後は純粋な強さじゃのう」
「ンンン、ちょい待ち、いまから行く学校はどんな学校??」
えっと二人は顔を見合わせたあと納得したようでセシルがニヤニヤしながら言う。
「ダーガン冒険者学校じゃ」
「あー、そういう事ね納得」
つまり報酬類の計算がある程度できて強い奴が入学できるというとこか。俺たちも通ったわ。
もっと幼い時だが6歳から9歳の間に剣や槍の稽古受けたり計算の勉強したりって。
「ちなみに卒業するだけで最低でも中級冒険者となれるのです!!」
「卒業生の上から4分の1は上級以上と言われてるしのう」
「ちょいまち、初級中級上級の違いは??」
「ランクです。モンスターを討伐する、依頼を達成する、学校を卒業するなどでランクが上がります。
だいたい0〜3が初級、4〜6が中級、7〜9が上級、10〜が超級と言われてます」
「ちなみにお前らは??」
「わしらがいた田舎じゃ冒険者ギルドが無かったのじゃ。じゃから入学と同時にランク0からの開始じゃの」
うん、デジャヴ。田舎に冒険者ギルドが無くて冒険者に憧れる子の最初の冒険が大きな街に行くってのだからなぁ....
もちろん、危険はアホほどあるし死亡率もかなり高い。
「ランクによる特権は??」
「名誉が一番大きいのう、やはり大抵の連中の冒険者になる目的が名誉、次に生活の為じゃな」
うんうん、俺も生活の為&田舎の口減しだったからよく分かるぞそれ。
「お前らの目的は??」
「私は世界中の恋愛小説を読む事です!!」
「わしは世界中の美味い食べ物を食い漁る事じゃ。
お主の場合は何をするつもりじゃ??」
「今んとこやる事ないしお前らと一緒に世界中でも回ろうかねぇ」
「じゃ、パーティー結成だね!!」
フィレスが手を出すとセシルがその上に手をかぶせる。俺もそれに習い手を被せる。
「リーダーはどうするのじゃ??できればい「「セシルで」」......」
「よし、んじゃこれから3人で頑張るぞ!!」
「えいえいおーっ!!」
「そうなる事ぐらい知っておったわい」
「時に伊吹や。お主いまから何をしようとしているのじゃ??」
「ん??あー、竹槍の焼き入れだな。そうでもしないと一瞬でぶっ壊れるからなぁ」
焚火の中に竹を突っ込もうとしているとセシルが近づいて来る。
「そうじゃのう...槍は長いのが無くて、でも薙刀ならあるのじゃが??」
「おっ、マジか。貸してくれっか??」
「貸すどころかどうせ収納空間に余ってたもんじゃしあげるぞ??
後は一応救ってくれた礼じゃのう」
「じゃぁありがたく頂戴するわ。それにしても薙刀か〜」
セシルから受け取る。うん、結構しっくりくる。
「高いんじゃねこれ??」
「いんや??ドワーフの連中に貰った物の一つじゃ。ちなみにフィレスの胸当てもドワーフから貰ったものじゃ」
「ドワーフってやっぱ低身長で髭もじゃで怪力??」
「それで酒好きで煩い連中じゃ。それじゃもうそろそろ寝るぞ、お主も寝ろ」
「ん??見張りは??」
「んなもん結界張ったらどうにかなるのじゃ」
そう言いつつ寝袋と枕を渡してくる。ちなみにフィレスは日記に何か一生懸命書き込んでいた。
この世界じゃ紙や鉛筆は普通に普及されているのだと。しかも世界共通言語は日本語で1日は24時間一年は365日。当然西向く侍、2月は28日4、6、9、11は30日でそれ以外は31日。四年に一度は閏年まで一致。
まぁ日本大好きな神様が作った世界だからなぁ...
「んじゃ、寝るわ。流石に二徹は辛いからな」
「ん?なぜ昨日は結界はらんかったのじゃとか聞かんのかえ??」
「むしろ会って数時間でそこまで信用された方が怖いわ」
当然、奴が昨日の夜に俺にかけた魔法が結界ではないのは知ってる。けどもう信用してくれたって事だろう。長年の勘がそう言っている。
「フィレスももうそろそろ寝るのじゃ」
「ちょっと待って〜、もうちょいだから!!」
「じゃ、俺は先に寝るわ」
「ちょっとまて、ホレ。《浄化》」
汗臭さとかが一気に消えた感覚がする。浄化とはそういう魔法なのだろう。
「うっす、あざっす」
「臭いは乙女にとって天敵じゃからの」
続きの言葉を俺は言いたいが我慢する。これまでの経験上乙女というエルフ全員に言ったらぶん殴られた言葉だ。
「その年で乙女とか無理すぎンゴwww」