「黒い瘴気の獣2」で判明したチャコの過去の小話
友孝の誕生日の少し前の話。
チャコ視点です、微グロ注意。
唯ちゃんと一緒に楽しく学校生活を送る。
鋼ちゃんや勇ちゃんと過ごす時間も多くて、毎日が楽しい。
先生と一緒にまったりしたり、理事長の家でごろごろするのも嫌いじゃない。
けれど、時折。
どうしても、あの人を探してしまう。
褐色の髪に紺色の瞳。
最近なんだかキラキラと笑っているあの人。
移動教室のため、唯ちゃんと肩を並べて廊下を歩いていると、ふと遠くにその人が見えた。
生徒会の人と廊下で話していたようで、なんか柔らかく笑っている。
スッと伸びた姿勢はまっすぐで、しなやかな指でプリントをさして指示を出していた。
あの指はいつも血をくれる指。
褐色の髪が少しかかった首はきめ細やかな肌の向こうに青い血管が浮き出ている。
長袖の制服に包まれた全身は隅々にそれが張り巡らされているはず。
――はやく。
柔らかい所に手を入れて。
グチュグチュ掻き回して。
出てきた甘い汁を舌でいっぱい舐めとって。
その穴にそっと舌を差し込んで。
ゆっくり吸い上げれば、口いっぱいにおいしいのが広がって。
少しずつその穴を広げて。
優しく食んで、咀嚼して、嚥下して。
その全身。すべて手に入れれば、どれだけ満足できるだろう。
考えるだけでゾクゾクする。
勝手に手に力が入って、ぎゅうって握りしめた。
ああ。
食べたい。
「チャコどうしたの?」
「ううんー。なんでもないよー。」
きれいな緑色の瞳がこっちを見る。
そんな緑色の瞳に自分の感情を知られたくなくて……。
なんとか笑って、必死であの人から目を逸らした。
――はやく……――かな。




