六話 好景気になったわよ
ベリアル「いつもありがとうございます。さて、ヘボ作者はChat GTPに添削して貰う様になって多少ましになったかな?最初の方も順番に改稿しているよ。この話しも随分前に書き上がっていた物を添削して貰って現在の形にしている。まぁ、とにかく頑張って読んでみてよ」
マリアディアは気付かなかった。
海軍を創設した辺りからが好景気のはしりだとは。
「ねぇ、バベレヘム。今期の税収の見通し変じゃない?」
今まで右肩上がりだが微増であった税収が、カクンと増大していて、思い当たる事は何も無かったので聞いてみたら。
『別段、変じゃありませんよ』
と返ってきた。
「・・・・・・え?」
『王国内の金回りが良くなりだしたんですよ』
「好景気になったって事?」
『まぁ、そうなります』
なるほどそう言う事なのね。
何でも、パホロセスを占領した事に因り、塩の価格が急に下落した。
その事に因り、それを使った商売の価格も下落した事で、少しずつ物が売れ出し、物の価格は更に下がり、また更に売れて行く。
その影響が他業種に波及するのにそう時間は掛からなかった。
嗜好品や贅沢品も飛ぶ様に売れて行き、コンクリートや粗鋼の価格も下落して、アルカーラル市は空前の建設ラッシュが始まった。
好景気なのにデフレになると言う、スタグフレーションの逆の現象が発生したのだ。
「税収が1.5倍近くとか俄には信じられないわね」
『で、こちらが今年度下半期の税収の見通しです』
更に1.2倍になっていた。
『現状からすると下手に刺激しない方がよろしいかと思われます』
「これなら寧ろこのままでいいんじゃない?」
『ホントにそう思ってるんですか?好景気なのに物価は下がり続けてるんですよ』
「・・・・・・不味いわね」
『今し方言いましたが、この流れを【好景気=インフレ】などと持って行き様なら、最悪経済恐慌になりますよ・・・近隣諸国を巻き込んで・・・ええ、近隣諸国程度で済めばイイですね』
【経済は生き物】
と言う様に、実際は繊細且つ大胆な一見相反する上に、神経衰弱する様な調整が必要なのだが、そんな判断、わたしには無理。
「・・・何それ怖っ」
『因みに、マリアディア様が今し方けご所望されたケーキは現在50ディルハムで購入出来ます』
「去年の20分の1じゃないの」
『だからと言って食べ過ぎ無い様にして下さいね』
そうバベレヘムに言われたわたしは、そっぽを向いて照れ隠しをする。
美味しいんだから仕方ないんじゃないの。
さすがに四六時中食べている訳じゃないからね。
あと、ホールでなんて食べてないからね。
ちゃんと8等分して、そのひと欠片分を食べているだけだからね。
今は、七刻半の休憩なんだからね。
おっと話が逸れましたね
『今年度の消費者物価指数は12.4%の下落します。しかし、国内総生産の伸びは7.8%位は伸びる見通しです。税収は昨年度と比較して概ね1.8倍位だと思っていて下さい』
「・・・凄過ぎて言葉にならないわ」
『とは言え、私でも対策が思い付きません。何度も言う様ですが、下手に流れを変え様したら経済恐慌に陥る可能性が高いので、よしんば何か方策が有ったとしても実行出来ませんよ。それよりは、税収も増える事ですし、巧く利用して資金が掛かる計画を色々推し進めた方がよろしいかと思います』
「・・・そ、そうねぇ。そしたら軍拡は出来るのかしら?」
『軍拡ですか・・・現時点での陣容と・・・んー、今の工業力がこれ位だから・・・資源の産出量は・・・・・・問題無さそうですねぇ・・・という事は・・・・・・・・・大体、歩兵10個師団、騎兵3個師団と機動歩兵1個師団位なら編成可能になります』
バベレヘムは私の問いに資料とにらめっこしながら回答する。
「歩兵、騎兵は当然分かるけど、機動歩兵って何よ」
『ああ、機動歩兵というのは、悪路でも走行可能な自動車が開発されましたので、移動のほぼ全てを自動車で移動し、戦闘時は降車して歩兵として運用する兵科を言います』
「へぇ。そんな車が開発出来たのね」
イケるじゃない電撃戦!
『ええ、ですので、その自動車の生産に割り振れば1日当たり1台の生産が可能になります。尤も、工業力自体が南征する前と比べて2倍位には増えていますので、後々全ての歩兵師団を機動歩兵に変更する予定です』
とは言うものの、オフロードカーの開発は終わったばかりである上、銃とかも生産しないとならないので、当面は3日で1台という事だ。
燃料は木炭だ。
石炭、つまりコークスでも試したらしいが、木炭の方が良い様だ。
尤も、木炭の方が良いからと言って、使い続ける訳にはいかないけどね。
信頼性はそこそこだが、当然他国には自動車はおろか蒸気機関の概念すらまだ無いので、そのアドバンテージは大きい。
この時の為に、専用の炭焼き場も造った。
まだ石油の精製技術は開発出来ていない。
採掘自体は今すぐにでも可能なのだが、そのままにしている。
ギッテリア沙漠のほぼ全てを支配下に置いた事で、そこから産出される資源並びに、広さはティベリア王国と同等以上だが、人の住まず荒涼としていて、工場が林立しても問題の無い広大な大地、この度の好景気に世論の後押しと、軍拡に全振り出来る要素は揃ってはいたのである。
ベリアル「いつもお読み頂きありがとうね。誤字脱字等ごさいましたら投稿フォームよりお知らせ下さい。では今回は一寸現実のも混ぜて『景気』のお話しをするよ。基本的には、インフレーションは市場に出回るお金の量を増やさない様制限する事で対処し、デフレーションなら、逆に市場に出回るお金の量が足りないので、市場に出回るお金の量を増やす事で対処すれば、一先ず問題を先送りに出来る。けど、今回はそのどちらでも無いね。景気はいいのに物価が下落傾向になっている。現実世界では、この現象はまず起こらない。逆に景気は悪いのに物価が上がる。そう現在なんかがそれだね。ただ、日本で起こっている現象『スダグフレーション』と言うんだけど、所謂『不況下のインフレ』は、たびたび起こっている現象なんだけど、今回のは内的要因より外的要因の方が大きい感じがするかな?原油高騰・円安為替等あるよね。ほら、今の為替レートが1ドル100円になったらどうなる?輸入品が3分の2の価格になるんだよ。まぁそこまで単純な物じゃないけど、方向性としてはそんな感じ、そうガソリンの価格が何もして無いのに、4、50円安くなるんだよ。大きいよね?
まぁ、話しを戻すけど、今ティベリアで起きている現象は、日本で起こっている事の真逆の『好景気のデフレ』が起こっているんだよ。
ティベリアの場合は内的要因だね。砂糖をマリーが今の地位に就いてから、甜菜の栽培を助成金を支給してまで奨励していたけど、砂糖が一般に普及した事に因る急激な需要の増加に、作付面積の増加が追い付いていなかったが、パホロセスを占領した事で海外から安価な砂糖が大量に輸入される事になって、更に需要が拡大する事になって、砂糖菓子が普段でも気軽に食べる事が出来る物になったんだよね。」
マリー「ん?それだと『好景気のデフレ』に結び付かないけど」
ベリアル「そこがティベリアの面白い所なんだよね。砂糖が飛ぶ様に売れる事により、その効果が他業種にも波及したんだよ。一気に『大衆消費社会』になったんだよ。『大衆消費社会』ってボクもそこまで専門家じゃないから詳しく知らないけど、詳しく知りたい読者諸兄はWikipediaでググッてね」
マリー「まぁベリアルは外交関係が専門だもんね。え?でもそれって凄い事じゃないの?」
ベリアル「そうなんだよ。『大衆消費社会』というのは、産業革命が起こって初めて発生する物だからね」
マリー「ああ、だからバベレヘムは気を付けろって言ってたのね?」
ベリアル「そうなんだよね。ボクも有史以来こんな経験は初めてだから、どんな事になるか分からないんだよね」
マリー「・・・成るようにしか成らない気がしないでも無いけど。時間だからまた次話をよろしくお願いするわね。次回はガラリと場面が変わるわよ」




