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ガルダフェリナ年代記  作者: 常世神命
ティベリア王国編 二章 マリーの軍政~~~サロネス戦役~~~
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三話 南征したわよ その2

ベリアル「いつもありがとうございます。さてさて、前回から随分間が開いてしまいまして、作者に成り代わりまして謝罪致します」


マリアディア「そこは、ヘボ作者出せ!!って所じゃない?」


ベリアル「そうは言っても彼はシャイだからねぇ」


マリアディア「それは聞いて呆れるわね」


ベリアル「それ()は置()いと()いて()今回は前回の続きだね」


マリアディア「みんな忘れてると思うわよ」


ベリアル「ヘボ作者自身忘れてるから仕方ないね」


マリアディア「それではどうぞ」

 ケネスが陥落したけど、ヒセローク伯爵は逃走した後だった。


「さてどうするか・・・」


『先ずは略奪等、国法に反する行為は禁止させていますので、一人当たり100ディルハム程渡してはどうでしょうか?』


「そうね。それがいいわ。あと、インフラの整備を急がせなさい」


『承知致しました。それと、今後の侵攻先ですがどうなさいますか?』


「このままイットラム街道を南下して王都に向かうのがセオリーなのだけど、西進してパホロセスを盗りたいわね」


 ケネスを出て、イットラム街道を南下すると、間に3都市を挟み凡そ200千セル(約400km)先に王都メッセベラムが在る。

 また、西51千セル程先にパホロセスという人口4万程度の港湾都市が在る。

 この都市は交易や商工業が盛んで、この国の経済の中心とも言える。


『海ですか』


 我がティベリアには海が無いので、この都市を盗る事の意義は計り知れない。

 まぁ、懸念される事はあるけど、この際目を瞑って盗りに行く価値はある。


「そう言う事」


『このまま南下した場合と比べ日数にして凡そ30から60日程余分に掛かりますが大丈夫でしょうか?』


 その超過分の内訳には、往復の日数は当然の事ながら、当地での占領政策の目処も含まれている。


「塩の安定供給にも繋がるから、後回しにする事は出来ないわ」


 現在、ティベリアでの塩の自給率は約36%で、その9割がギッテリア沙漠から生産されている。

 足りない分は諸外国からの輸入であり、当然塩の価格にも影響していて、塩の価格は常に高く、中、高所得者層は十分な量が購入出来るが、国民の凡そ79%を占める低所得者層には十分な量は購入出来ない。

 その為、低所得者層の健康状態に影を落としている。

 摂り過ぎも良くないが、摂らな過ぎも良くないという事だ。


「第8歩兵師団を回して頂戴」


『承知致しましたが、1師団で足りるでしょうか?』


「だからこそ第8歩兵師団を向かわせるのよ」


『・・・・・・ああ、その師団は新たに製造が始まった長距離砲の部隊が1大隊編成されてましたね』


 その長距離砲というのは近世頃に登場したカルバリン砲である。

 製作されたカルバリン砲は凡そ8kgの砲弾を最大射程2千セル(約4km)、有効射程は500セル飛ばせ、今まで在った青銅製と違い全て鉄製である。

 これを馬2頭で牽引して移動する。

 第8歩兵師団の砲兵大隊にはカルバリン砲50門と、使用する砲弾5千発を配備した。


『5千ですか・・・兵站は大丈夫ですか?』


「そこは目下ティリス達が頑張ってるわよ」


 つまり街道を交通量の多い日本の国道並の強度に整備しているので、物質の輸送等に何ら問題は無い。

 という事である。

 ティリス達が居ればこその所業なので、バックホウやペイローダー等の重機が無い現状に於いては、人手で依れば年単位の時間が掛かるのである。


『左様にございますか。では、鉄道の敷設に関しての準備を進めておきます』


「頼むわね・・・・・・・・・粗鋼の生産が落ちて来ている様ね」


 上げられた報告書をピラピラとめくっていると、粗鋼の生産高が徐々に降下しているのが目に付いた。


『ええ、この度の戦争に因り、石炭の輸送量が減少している為です』


 鉄鉱石は自領で生産しているが、石炭は離れたアルド子爵領から輸送せねばならない。

 それなのに、今度の戦争で兵員や物質の輸送をする為に、馬車や蒸気自動車を徴発している影響が出ている様だ。

 当然、その際出る徴発されている側の損害については精査した上で補填する方針だ。

 鉄道の敷設に目処が立てばいくらか改善するだろうが、現時点ではケネスまでしか開通していない上に、ギッテリアの旧領境からケネスまでの凡そ半数の区間が単線という事も、粗鋼の生産高の減少の要因のひとつになっている。


「貨物の増便で対応出来る様なら増便で対応して、粗鋼の生産量を最低でも現状維持に出来る様、その手配もお願いするわ」


 現時点でのティベリアの粗鋼の生産高は、ティベリア以外の世界全体の生産高を合わせたよりも、その何倍も生産している。


『承知致しました』








『ねぇ、ご主人様。ホントに良かったの?今頃バベレヘムは激おこプンプン丸だよ』


「海という魅力には抗えなかったわ」


『まぁ、ご主人様がいいっていうなら構わないけど』


 その3日後、わたしとティリスは第8歩兵師団に紛れ込み、一路パホロセスに向かっている。

 自身の目で見てみたい、というのもあるが、やっぱりギッテリアでは味わえない海の幸を堪能したい。

 ティベリアで海の魚と言えば干物しか入手出来ない。

 内陸国の宿命とは言うものの、あとは淡水魚しか無く、刺し身等生魚を食べる習慣は当然無い。

 という事で、バベレヘムに見付からない様に衝動的に第8師団に紛れ込みケネスを出立した。


『それで予定としては?』


「隊がパホロセスに到着するのは明後日だったかしら?」


『確か、四つ刻位だったかな?・・・だったよね?ニール補佐官』


「正確に言えば明後日の8時20分を到着予定としています」


『だってさ』


「・・・・・・三日位遅らせられるかしら?」


「・・・・・・兵站等の問題もありますが、まぁそれ位なら可能です」


『・・・ちょっと!待って!ご主人様。まさかパホロセスに潜入しようだなんて思ってないよね?』


「ダメかしら?」


「さすがにそれはいかがな物かと思います」


『そりゃいいとは言えないよ』


「今朝方、風の精霊と契約したのだけど」


『えっ!?何それ。聞いてないよ』


「今言ったもの。ラフェレス来て頂戴」


『お呼びですか?マリアディア様』


 そこには、碧眼の上、エメラルドグリーンのショートヘアーを靡かせ、スラリとしたプロポーションの女性が現れた。


「さてさて、それじゃあティリス後はお願いね」


『いやいやいやいやいや、ちょっと待ってよご主人様。バベレヘムの事はどうすんの!』


「んー・・・任せた」


『任せた。じゃないよ。間違い無くこっち来るよね?ボク逝きたくないよ』


「なら貴女も来ればいいじゃないの」


『・・・アレ?それ名案。じゃあボクも付いて行くね。こっちの世界に来て海の料理ってまだだから楽しみだなぁ』


「ではニール補佐官、事後は任せました」


「・・・承知致しました」







「身分証、入市税共に問題ありません。どうぞお通りください」


「ありがとう。お務めご苦労様」


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()と、入市税である3ベトル(約780円)を支払い、衛兵に挨拶をくれつつ真正面から堂々と入城した。


「街の外からも漂っていたけど、市内に入ったらより一層磯の匂いが香って来るわね」


『そこはやっぱり、内陸であり、尚且つ沙漠であるギッテリアとは違うよ』


『それではマリアディア様、これから如何なさいますか?私としましては、マリアディア様がご所望である海の幸を、私も堪能したいですわね』


「そうね。時間は限られているし、先ずはそうしましょう」


『確か、衛兵が言うには、この目抜通りを真っ直ぐ行けば港に、途中に在る噴水広場を右に曲がって進むと職人街』


「左でスークが在るって言ってたわね」


『では、噴水広場を左でしょうか?』


「真っ直ぐ行って港に行くわよ」


『港・・・でしょうか?』


「港と言っても、当然船乗りやパホロセスにやって来た乗客を相手にした酒場や宿泊施設が在るだろうから、そこを目指すわよ」


『確かにそうですね。流石マリアディア様ですわ』








「いらっしゃい」


 わたし達は港湾地区に入ると、一番大きそうな宿泊施設兼酒場である建物に入り、迷う事無くカウンター席で尚且つ3人座れる場所に行く。


「お客さん。何にします?」


「んー、お店のオススメを3人前くださる?」


「では日替りでどうですかい?」


「日替りねぇ・・・それいいわね。じゃあ日替り3人前頂戴」


「ヘイ、承知致しやした。オーダー日替り3つ」


「日替り3つね。了解」


「それと・・・お水くださる?」


「お冷やは銅貨2枚(2ベトル)と有料ですが大丈夫ですかい?」


「構わないわ。だから3つ頂戴」


「ヘイ、承知致しやした。お貴族様すいませんねぇ、場所柄水は貴重なんでお金取らせて頂いておりやす」


「それは仕方ないわよここは海が近いし真水が貴重なのは分かるわ。その程度の事でグダグダ言わないわよ」


「そう言って頂けると助かります」


 水を飲みつつ周りを見回すと、お通夜・・・とまでは言わないが、わずかに暗い雰囲気になっている様な感じがする。


「ねぇ、ちょっといいかしら?」


「ヘイ。何でございましょう」


「店内の様子はいつもこんな感じなのかしら?」


「・・・いつもはもっと賑かなんですが、何でも北部のお貴族様が隣国の宰相を怒らせて、宣戦布告をされたそうですわ、そんでひと月も経たない内にケネスという町が落とされて、その軍勢がこちらに向かって来ているらしく、皆戦々恐々なんですわ」


 昨日の今日の事なのに、この様な場末の食堂にも知らされている事に、その驚きを顔に出さなかった自分を褒めたい。


「それは大変ねぇ」


「そんな悠長に構えていられませんぜ、お貴族様は早く避難された方がいいですぜ」


「彼の国は歩兵を馬車で輸送してるそうよ。だから今から逃げでも手遅れよ。それに大砲という攻城用の兵器が有って、ここの城門ではその意味は為さないわ」


「したらどうしたらいいんですかい」


「彼の国の軍は軍規ひとつとっても厳しく、こちらが手を出さなければ何もして来ないわよ」


「そうなんですかい?」


「ええ、だからいつも通りにしてれば大丈夫よ。それより、ここに来るまで周りをそれとなく見たけど、治安はあまりよろしく無い様ね」


「そうなんですよ。今から半年程前に国の方針らしく治安に割かれる予算を減らしたらしいんですよ。だから、この町だけでなく、国全体で治安が悪化してるんですぜ」


 ケネスの様子からある程度は予測はしていたけど、相当酷い様ね。

 どうせ、その浮いた予算は佞臣が懐に入れているんでしょうねぇ。


「ここだけの話。中央で政変があったらしく、王党派から貴族派に政権が移ったらしいですぜ」


 マスターはここだけの話と、小声で重要な話を教えてくれた。







 新鮮な海の幸に舌鼓を打ちつつ、食事を終えたわたし達は食堂を後にする。


『かなり酷い様だね・・・いろいろと』


「悪政で割りを食うのは、いつも弱い立場にいる者達」


『これは、ここを盗って講和。とはいかなくなりましたね』


 わたしを含め三人共、険しい顔つきになる。

 想像以上に厳しい選択に迫られる事になりそうた。















マリアディア「ここまでありがとうございます。誤字脱字等ございましたら、報告フォームをご利用頂きましてご報告下さい。で、次はどうなるの?」


ベリアル「敵国の中央で政変が起きたからね、這う這うの体で後退するしかないね仕方ないね」


マリアディア「となると、現状の地盤の強化かしら」


ベリアル「ってキミ知ってるでしょ?」


マリアディア「そうは言ってもネタバレになっちゃうじゃない?だからそれっぽい事言わないと」


ベリアル「ここでぶっちゃけるのもどうかと思うけど?」


マリアディア「代案有るの?」


ベリアル「無いね(苦笑)」


マリアディア「・・・とにかく、次話は上がっていますので、手直しさせた後出来るだけ早期に上げますので、読者諸兄諸氏の皆様よろしくお願い致します」


ベリアル「またね」




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