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ガルダフェリナ年代記  作者: 常世神命
ティベリア王国編 二章 マリーの軍政~~~サロネス戦役~~~
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二話 南征したわよ

ベリアル「いつもありがとうございます。さて、読者諸兄諸氏におかれましては、投稿ペースが牛歩戦術処じゃない位遅くて申し訳なく思います。それではどうぞ」














 唐突ではあるが、ゲーム開始時に於いてギッテリア沙漠全域は、どの勢力も領土としていない。

 ギッテリア沙漠には、人が住んでいないからだ。

 人は一人では生きていけない以上、村でも在れば必ず他所と交易なりして食料を調達しているのは、食料の自給が不可能であるが故である。

 だが、沙漠である。

 農業は当然の事ながら、畜産も不可能な所業に近い。

 故に、費用対効果がとても悪い。

 この様な場所に入植させるより、もっと好条件の場所に入植させた方が何倍もまし。


 なので、時代が下がれば地下資源を求めて、各勢力がこの沙漠に進出するも、ゲーム開始時に於いてのギッテリア沙漠は無人なのだ。

 だから、沙漠以外との境から僅か5千セル(約10km)離れているとは言え、気候区分が(乾燥帯)のギッテリア沙漠内にギッテ村が存在しているのを見た時は内心とても驚いたものだ。

 

 ゲーム時代には、解析班序列一位、付けられた二つ名も【千里眼のマリー】と呼ばれていた私でも予想出来なかった。

 

 ギッテ村が在り、それと同様な事が全く無いと言えない以上、その可能性を考慮に入れつつ、南征の計画を練らねばならない。


そう、ギッテリア沙漠に南征する事になったのだ。


『よく許可が下りましたね』


 バベレヘムが呆れ顔で言う。


「諸費用全部自腹なら。という条件ね」


『では、盗った所は全てこちらで差配してよろしいのですよね?尤も、初期投資に莫大な資金が必要になりますから、【要らん】と言われるでしょうが』


 アルカーラル市の造成時も、ある程度のインフラの整備をティリスに手伝わせたとは言え、製鉄所とか結構資金を投入している。

 そもそも、農業が可能な平原でも、1から始めるのはそれなりの資金が要るが、アルカーラル市の時はその何倍ものお金を投入している。


「まぁ、そうね。わたしの所だから出来る事よ」


 これでも、この南征に総額110万ディナール(凡そ110億円)を計上している。

 これは、国家予算の凡そ2.5倍に当たり、今回の一期ですら40万ディナールを見込んでいるので、国内のほかの領主おろか、国ですら二の足を踏む位の金額である。

 内訳は、軍事費に11万ディナール、インフラ整備に26万ディナールで、残り3万ディナールは予備費である。

 一期は、中央ギッテリア沙漠の大体3分の2、二期は中央ギッテリア沙漠の残りと東ギッテリア沙漠の3分の1、三期は東ギッテリア沙漠の残り、四期と五期で南ギッテリア沙漠の入植。

 という予定を立てている。

 何十万ディナールのお金がポンポン動くとか、1万ディナールに四苦八苦していたあの頃が懐かしい。

 尤も、動くお金の額が増えただけで、資金繰りに四苦八苦しているのは今も同じだが。







「閣下。幹線道路の敷設は順調ですが、鉄道の敷設がかなり遅れていますね」


 幹線道路は、まだアスファルトが採掘及び精製されていないので、コンクリート舗装の一択になる。

 かたや鉄道の方は、線路の下に敷く、敷き砕石の調達が思う様に行かず、予定されている進捗の半分も終わっていない。

 原因としては、砕石の産出地が限られている上、産出量も余りない為にある。


「そう言う事情があるのね。とは言え輸入はしない方がいいのよね?」


『はい、安易な隣国からの輸入には反対ですね』


 現在の要求量を確保するなら、隣国にオロバモ王国という国が在るのだが、この国、帝国の半属国であり、遠くない内に武力併合されるであろう。

 と、まことしやかな噂がある以上、この国との貿易は、盗人に追い銭の様な行為になりかねない。

 尤も、帝国の半属国になった時点で国交を手控え貰い、2国間の交易等の交流も、間者疑惑で拘束される可能性が出て来た為に殆ど無くなっている。

 事実上の国交断絶である。


「そうね・・・鉄道用の敷き砕石は国内でしか採掘されて無いから厳しいわね」


 ギッテリア沙漠に鉄道を縦横無尽に張り巡らせられる程の、鉄道用の砕石の産出がある所は近隣諸国には、ほかに無い上に、先ず国内の敷設が優先されるので、カボベヘルから大体南に10千セル離れた場所に、入植地ペケルを建設してそこまでとし、幹線道路の敷設を優先させる事になった。


『・・・それはさておき、ティリスの存在をお忘れではありませんか?』


 バベレヘムは瞑目して言う。


「・・・ああ。完全に失念してたわね」


 結構膨大な量になるので、ティリスだけでは厳しいかも知れないが、ティリスの伝で土の精霊と契約出来ればそれに越した事は無い。


『ウゥ、酷いや御主人様。ボクの事を忘れてたなんて。サメザメ』


「サメザメなんて口で事言う者を初めてみたわ。ティリス。貴女そんなに落ち込んで無いでしょ」


『まぁ、ただショックだったのは確かたからね』


 ティリスはむくれ顔でそう言う。


「悪かったわよ。それで大丈夫かしら?」


『いよいよ御主人様のお役に立てるね。ちなみに、バベレヘムの所はいくら位で請け負ったの?』


『一人当たり年間700ディナール(約700万円)ですね』


 バベレヘムの所からは製鉄所とかで20人程頑張って貰っている。


『じゃあボクの所もその額でお願い。それで何人欲しいの?』


「んー、先の事を考えると、10人位は欲しいわね」


 本音はもっと欲しいけど・・・


『確かに、今の予算から言えばそれ位が限度ですね』


 そうなのよね。

 結局ここでも、お金という制約が付いて回る。

 お金、お金、お金、ホント世知辛過ぎる。


『分かった。それで手配しとくね。明後日位には連れて来れると思う』


「そう。ではお願いするわ」








 ティリスに土の精霊との契約を斡旋して貰ってから3ヵ月。

 予定されていた鉄道路線が、中央ギッテリア沙漠のほぼ真ん中まで延伸出来た。

 トロベーゼと名付けられたその場所を拠点に、南征を推し進めた。


 それから、更に南征は進み、南ギッテリア沙漠の南端から2千セル程北にマスルという拠点が出来て10日程過ぎた頃、招かざる客がやって来た。




『マリアディア様。南方のサロネス王国という国から使者が参られた様ですが、いかが致しますか?』


 ああ、サロネスか・・・

 どうせ、ギッテリア沙漠は我が国固有の領土だ。

 とか巫山戯た事でも言うんだろう。


「・・・一応通して頂戴」


『承知致しました』







 それから8半刻(凡そ15分)

 使者とされる男が、応接間に通される。

 見た目は40(しじゅう)半ば、背はそれほど高くも無く8デルセル程であろうか、中肉中背であり、太太(ふてぶて)しい表情をしている。


「わたくしめは、サロネス王国のアドライ・ヒセローク伯爵と申します。閣下にお目通り頂き感謝の念に堪えません」


 ・・・何を白々しい。


「丁寧な挨拶痛み入ります。わたしはティベリア王国宰相マリアディア・ギッテリア侯爵です」


 まぁ、仮想敵国だが一応公的な使者なので、それなりの対応は必要よね。


「これはこれは。お若いのに宰相を務めているとは、才がお有りの様で羨ましい限りですなぁ」


 ・・・どうやらわたしの事を若僧、しかも女という事で侮っている様ね。

 まぁ、世間知らずのお坊ちゃんなら気分を良くするんでしょうけどね。


「これはありがとうございます。して伯爵殿、本日こちらに参られた用向きはどういった事でしょうか?」


 わたしは、営業スマイルで対応する。


「ハイ、ティベリア王国が不当に占拠しています領土の返還を求めに来ました」


 まさか本当に言ってくるとは思って無かったから、思わずポカンとしそうになったわ。


「不当?それはおかしな事。有史以来このギッテリア沙漠には、人が入植した跡などありませんよ」


「これは異な事。今、この地には住居が有るではないですか。しかも数百戸も」


 ・・・とんでも理論に呆れて来たわ。

 バベレヘムも平静を装っているけど、あれは相当怒っているわね。


「伯爵殿は何を仰いますのやら、全て我が国で建てた物ですよ」


「我が国の住民を強制的に退去させて、この町を占拠したのに、さも元々自分たちの物だと言い張るとは・・・ティベリア王国とはかなり野蛮な国ですなぁ」


 ここまで言いたい放題言われて仕返さな,いと、わたしの面子が潰れてしまう。


「どうやら伯爵殿は酷くお疲れの様ですね。バベレヘム。伯爵殿がお帰りですよ」


『承知致しました。伯爵様お帰りはあちらです。ご案内致します』


 内心、怒り心頭だったバベレヘムは、諸手(もろて)を挙げて嬉嬉として対応する。


「ええい!メイド風情が何をするか!放さんか!」


 バベレヘムは伯爵の両腕を掴み排除に掛かる。


「伯爵殿。帰ったらそちらの国王陛下に「かかって来い!相手になってやる」と伝えて下さいませ」


「小娘風情が何たる言い草。後になって後悔しても知らんからな」


 馬鹿貴族を強制退去させる。

 ・・・帝国が明日にも宣戦布告して来てもおかしくないのに、頭が痛いわね。


「バベレヘム。塩を撒きなさい塩を」


 そうわたしが言うと、コテンとバベレヘムは首を傾げる。


『・・・マリアディア様。その行為は何の意味があるのでしょうか?』


「あぁ・・・塩って食事以外にも使うわよね?」


『確かに、儀式を執り行う際に場を清めるのに使いますね』


「そこから転じて、悪い客が二度と来ない様に撒く物よ」


『確かに今のは二度と来て欲しくないですね・・・ちなみに量は?』


「まぁ、大体ふた掴み程度を気持ちを込めて撒くのよ」


『承知致しました。ティリス。このボウルに塩を()()に入れて下さい』


 そう言うとバベレヘムは、直径1デルセル半(約30cm)程のボウルを、ティリスに差し出す。


『ご主人様だけでなく、バベレヘムまでもボクの扱いが酷いよぅ、うわーん』








『それで、どうなさいますか?』


「仕方ないわ。本国から、歩兵1個師団に、竜騎兵2個旅団を手配して頂戴」


 現在は、工兵ばかりを5千人ほど連れて来ている。

 当然、有事の際は兵士として戦うが、些か心許ない。


 まぁ、【本国】と言ってもギッテリアに駐留しているのだけだけどね。

 歩兵1個師団は、歩兵4個大隊を1個旅団とした物を2個旅団と工兵中隊、斥候中隊と砲兵中隊で構成された総数8,750人。

 竜騎兵1個旅団は、5個大隊で構成された総数5,000騎


 ここで言う竜騎兵とは、ファンタジー特有のドラゴンやワイバーンなどの竜種や亜竜種を従えた物ではなく、地球で銃が登場した事に因って16世紀から17世紀に登場した、20世紀に戦車が登場するまでは花形と言っても差し障り無い、騎兵の兵科である。

 ああ、一応ガルダフェリナにドラゴンは居るので念のため。







っー!!」


 ドーン!


 ドーン!


 1週間後、向かって来た敵兵を蹴散らし、マスルの拠点から一番近いヘッセル男爵領の領都ネケスに砲撃を開始した。


「どうかしら?」


「大砲の威力が足りないのか、城壁はおろか城門の破壊にも至っておりません」


「・・・距離の問題か」


 青銅製の鋳造砲の性能は未だ悪く、飛ばすだけなら250セルは飛ぶが、有効射程はその凡そ半分。

 今砲撃をしている地点から城壁迄の距離は244セル。

 当たりはするが、当たるだけであって十全な威力が発揮しなく、攻めあぐねていた。

 


「回回砲を出して頂戴」


「承知致しました」


 回回砲とは中国元朝時代、フビライハーンが南宋を攻める際に、イスラムの技術者を招聘して、元々西アジアにあったトレビュシェットという平衡錘投石機を導入した物で、回回とはイスラムの事で、実戦投入された場所から襄陽砲とも呼ばれ、所謂カタパルトとは違い、重力を利用した撥ね釣瓶方式で、射程は200セル位飛ばせる上に弾丸が1セル程とめり込む威力があった。

 その、あまりの威力と轟音から襄陽の城内は混乱し、瞬く間に降伏したという。


 青銅砲が出来たのでお蔵入りさせようかと思ったが、一応持って来ていた。

 ここで持ち出した回回砲は、改良を加え飛距離を300セル超に伸ばした物だ。




 ガーン


『どうやら城門を破壊出来た様ですね』


 3機有る回回砲を多少間隔を開けながら、延べ11発目で城門に命中、一撃で堅牢な城門はその用を成さなくなった。

 城内の守備兵は僅か2千。

 開戦して2日目の七つ刻には大勢は決した。










マリー「ここまでありがとうございます。誤字・脱字等ございましたら、報告フォームをご使用頂き報告して頂けましたら幸いです。あーあ、戦争何かする予定無かったのに・・・・・・」


ベリアル「こういうのって舐められたら終わりだものね。あそこまで言われて黙ってちゃ国の威信に関わるから仕方ないね」


スカアハ「ところでどうするのだ?国境の地方都市を陥落させたのは良いが、予定は有るのか?」


マリー「アクシデントみたいな物だから考えて無いのよね。海に行ってみたい気はするけど、懐事情と相談かしらね」


スカアハ「・・・塩か!」


マリー「それもあるけど、純粋に海の幸を食べてみたい。というのは偽らざる本音ね」


ベリアル「バベレヘムは大丈夫?」


マリー「多分反対されるだろうから行くならこっそり逝く」


ベリアル「マリー字だよ字・・・ってある意味覚悟はしてるのね?」


マリー「お小言3時間位は」


ベリアル「いや、6時間で済めば僥倖と見てるけど」


マリー「・・・・・・・・・どうしよ」


ベリアル「いやいやいや、抜け出さなきゃいいだけの話しじゃないの?」


マリー「海の幸が待っているのに、そんな選択肢が有る訳無いじゃないの」


ベリアル「・・・うん。分かってた」


マリー「あとはネタバレになりそうだから止めときましょう」


ベリアル「それでは、今後ともガルダフェリナ年代記をよろしくお願い致します」





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