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ガルダフェリナ年代記  作者: 常世神命
ティベリア王国編 二章 マリーの軍政~~~サロネス戦役~~~
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一話 軍備を拡充したわよ

ベリアル「読者諸兄諸氏におかれましては、大変長らくお待たせ致してしまって申す言い訳も御座いません。ぶっちゃけ、ヘボ作者のガチな非才が原因なのですが、そこはご容赦願いたいと思います。

えー、話しは変わりますが、今話からティベリア王国編 第二章 マリーの軍政~~~サロネス戦役~~~となりますのでよろしくお願い致します」












 あれから更に半年、アルカーラル市から馬車が消えた。

 というのは言い過ぎだが、市内を走っていた凡そ4千両からの馬車は、その大半が蒸気自動車に置き換わり、今も尚減少している。

 今、馬車を運用しているのは、蒸気自動車が買えない爵位の低い貴族、中、小規模の商会か、アルド炭鉱から石炭、ギッテ鉱山から鉄鉱石を大量に輸送する為か位しかなく、国、裕福な貴族、大規模の商会、あと、ギッテリア領としても蒸気自動車の運用割合を上げている。

 尤も、これはギッテリアだけで無く、全国規模での流れではある。

 領営ギッテリア製鉄所の隣に出来た、ギッテリア自動車製作所では、1日7、8台のペースで蒸気自動車を生産していた。


 蒸気自動車が出来た当初は、1台を生産するのに数日掛かり、価格も3,400ディナールととても高価であったが、今は、1台460ディナールにまで下がって来ていた。


 蒸気自動車の使用率が上がれば、馬の需要が下がり、当然、馬の価格も下がる。

 また、蒸気自動車が運用出来るのは、ギッテリア領内と国内の主要及び準主要街道、あと首都市内だけとはなっている。

 村落へ向かう道や、辺境はまだまだ未舗装の地域がある。



 舗装率57%



 これが高いか低いか、判断に悩む所だが、他国は蒸気自動車は無く、当然、街道は蒸気自動車の走行に耐え得る程舗装されていないので、蒸気自動車の運用はティベリア国内限定とはなっていても、注文に生産が追い付かない程度には、高い需要が続いている。


「軍馬の調達はどうなってるのかしら?」


「概ね順調です。昨日までに5千頭を確保出来ました」


「まだ足りないわね」


「そう仰ると思いましたので、年内にはあと2万頭の調達を予定しております」


 話し半分に見ても1万頭ね。


「これなら騎兵旅団を数個旅団を編成出来そうね」


 騎兵5個大隊を1個旅団とした騎兵旅団である。

 騎兵1個旅団にはほかに輜重中隊が1個中隊付随している。


「ハイ。あと機動歩兵師団を3個師団編成完了しております」


 機動歩兵師団とは、兵員輸送を馬車に依る馬車輸送3個機動歩兵大隊を3個旅団に、輜重中隊、工兵中隊、野戦病院中隊の計9,750名を1個師団とする師団である。

 馬車輸送1個大隊には、4頭引き25人乗りの馬車が40両、各中隊には兵員輸送に10両に、物質輸送に輜重中隊が50両、工兵中隊が20両、野戦病院中隊が25両の総数165両と660頭の馬が配備されている。

 それと、機動歩兵3個師団総数45,000人全員にマスケットを配備出来た。


 そう、我がギッテリア領の領軍がである。

 しかも全て常備兵である。


 王国広しと言えど、国軍ですら常備兵は1万であり、ギッテリア以外の領地と国軍を合わせても3万にすら遠く及ばない。

 ギッテリアは一国と対等に争える戦力を有した事になるのだが、肝心のマリーと言えば・・・


「国家元首?冗談じゃないわ。首相見習い何かだってほかに適任者が居ないというから請け負っているだけで、一領主で居たいのにホントなら願い下げよ」


 という始末。

 国王は国王で


「何?ギッテリア卿はそこまでの軍勢を持っておるのか?謀反でも起こす気か?とは言え、全軍があのマスケットを装備している以上、こちらの勝ち目は万に一つも無い。この際万事お主に委せた方が良いかも知れん・・・禅譲するぞ?何?興味無い?では、軍務大臣を新設するから就いてはくれんか?何?それ所じゃない?ギッテリア卿。お主は一体何がしたいのじゃ」


 と頭痛気味。

 頭痛の原因(タネ)はほぼマリーの所為ではあるが・・・






 これだけの領軍の練兵、指揮を一手に引き受けるのはスカアハだが、実は問題があった。

 士官不足である。


「我が君。将校の不足は軍全体の弱体化に直結すると言っても過言ではない。士官学校の設立を進言する。早急にお願いしたい」


「確かにそうね。今後を考えたら直ぐにでも始めないといけないわね・・・ルチア。どれだけ余裕は有るかしら?」


「・・・仮想敵国が敵国ですし、軍事費の増大は止むを得ないですが、これ以上は抑えたい所ですが、士官学校の設立に回せる資金は大体10万ディナール程になりますね」


 仮想敵国である帝国は、対抗出来得る国が無い事をいい事に、先月、またひとつ国を併合して、着々とその版図を拡げて覇権国家たらんとしており、その軍靴の足音は着実にティベリアに近付いていた。


「マスケットは無く、武器の半分は青銅製と聞くが、兵員は少なく見積もっても50万を下らないと聞く。油断はせぬ方が良い」


「そうね。100万なんて話しも聞くわ。情報も錯綜しているわね。諜報組織の新設をする必要も有るわ。ルチア。悪いわね」


「仕方ありません。少しでも捻出出来る様、遣り繰りして見ます」


「頼むわね」


「問題ありませんマリーお嬢様」


「我が君。こちらも上手くやっておくから、気にせず王笏を拝領して来い」


 そう、背中をスカアハに叩かれる。


 王笏を拝領する。

 というのは、国王の代理人としての地位を確立する。

 という事であり、つまりこの場合は、首相を継いで来い。

 という事になる。


「分かったわ。征って来るわ」






「フム。ようやくその気になったか」


 国王は落ち着いた面持ちをしていた。


「祖国の為に決意しました」


「そなたが儂からの禅譲の申し出を断った意味を理解した。今日この時の為なのだな?」


「左様にございますれば」


「構わぬのだな?」


「問題ありません陛下。今をおいて他は無いかと」


 首相であるライモンド卿は(うやうや)しく(こうべ)を垂れる。


「合い分かった。ギッテリア卿にこれに」


 国王は王笏をライモンド卿に渡す。


「承知致しました」


 わたしはライモンド卿に近付く。


「ではギッテリア卿、これを」


 今度はライモンド卿が王笏をわたしに渡す。


「このマリアディア=ギッテリア。身命を賭して国難に立ち向かいまする」


 わたしは、王笏をライモンド卿から受け取る。

 尤も、これは一種の通過儀礼であり、王笏は後に返却する事になっている。

 とは言うものの、王笏は色々な物が折り重なり、実際の重さよりもズッシリと重く感じた。








「さて、改革を始めるわよ」


 内政改革はライモンド卿が首相の時代にそれなりに進んでいるので、先ずは立ち後れている軍政改革である。


「セラドナ卿には軍務大臣として就任して欲しいですわ」


 それに先立って、国内の軍事を担当していたセラドナ子爵に、新設した軍務大臣のポストに就いて貰える様説得してみる。


「ですが、私にはマスケットという物の運用方法について何も知らんのですぞ」


 セラドナ子爵は、未知同然の兵器であるマスケットの運用術が分からず困惑した表情になり難色を示す。


「問題ありませんわ。当家の軍務を担当しているスカアハに御指南させますわ」


「おお!その武勇とどまる所知らず、知謀に於いても、その才を遺憾無く発揮されていると聞きます。そんなスカアハ殿のご教授を受けられるという事ならば、こちらからお願いしたい」


 スカアハって結構有名なんだなと思いつつ、破顔する子爵を見やる。


「それと、こんな機会はそうそう無いので知人を数名誘ってもよろしいかな?」


「問題ありませんわ。是非お誘い合わせ下さい」








「どう?進捗具合は」


 軍の再編を行うに伴い、領主が保有出来る兵士の数にも、領内の総人口の3%まで、治安維持に必要な兵は別途3%まで、武器は1セル程の長い木の棒で刃物は禁止とし、銃の所持も併せて禁止した。

 当然、ギッテリア領軍も一時解体する事になる。


「道半ばと言った所でしょうか?それと再編に伴い、ギッテリアの部隊も一時解体致しましたが、あと、国軍の編成はギッテリアの部隊の編成を準拠としてよろしいですね?」


「そう・・・準拠で問題無いわ。とすると、武器の方は足りているかしら?」


「全然ですね。充足率から言えば、3割と言った所でしょうか。新たに軍需工場の建設が必要ですね。ただ、公害の心配が有りますから、ギッテリア以外での建設は難しいですね」


「それなら、他領には繊維を中心とした軽工業を中心に振興させなさい。あと、資源の調査はどうなっているかしら?」


「承知致しました。今の所、フベルホ子爵領で銀、トララス男爵領で錫と鉛、アルド子爵領で新たな炭鉱に亜鉛、アハラヨ伯爵領で白金、ショルベス士爵領で金が発見されており、フベルホ子爵領とアルド子爵領では採掘も開始されております」


 ・・・鉄が見つかっていないわね。

 ゲームに於いてもティベリアでは、ギッテリア以外での産出は無かったし、あるいは・・・と、思っていたけど期待薄ね。


「そう。鉄が足りて無いわね?」


「全くです」


「2ヵ月後迄に日産500トンを目標に高炉の増設を急がせなさい。あと、ギッテリア製鉄所を官営とするわよ」


「・・・えーと、宜しいのですか?」


「致し方ないわ。国内の生産目標を日産4千トン迄上げるには、時間の制約が有る以上独力ではは間に合わないわ」


 5年を目処とするならば、ウチだけでも達成可能だけど、1、2年内を想定しているので資金と人員、特に人員の面で圧倒的な不足が課題


「帝国ですか」


「何時最後通牒を突き付けて来るか分からない以上、悠長に構える事は出来無いわよ」


 尤も、宣戦布告をするかすら怪しいけど。


「所領が沙漠とは言え有限です。生産を増やすなら、何か方策を考えないと早晩建設場所が無くなります」


 国土の凡そ2割を占めるギッテリア沙漠。

 その沙漠も今は昔、道路が網の目の様に這い、工場や住宅が建ち並び、その面影はギッテリア鉱山と油田地帯等の極一部でしか見る事が出来ない位には開発が進んでいる。

 アルカーラル市の人口は今や400万を超え、ギッテリア領の人口も一千万を超えて尚も増加している。


「・・・今の内に南征するしかないわね」


 ギッテリア領はその限界を迎えていた。


「とすると、ギッテリア沙漠全域に進駐するのですか?」


「今ならまだどこの勢力下にもなっていないわ」


 手の者に調べさせたが、未だギッテリア沙漠周辺の諸外国は、その領土化に踏み切っていない。

 ならばこその南征である。


「・・・今、帝国以外の国と戦端を開く事は出来ないですから、それ以外ありませんね」


「兎に角、再編を急がせて頂戴」


「承知致しました」














ベリアル「ここまでお読み頂きありがとうございます。誤字・脱字等ございましたら誤字フォームからのご報告をよろしくお願い致します」


マリー「首相に就任したはいいけど、やる事山積みで堪らないわ。何で一日は24時間しか無いのよ!!40時間位欲しいわ」


ベリアル「無茶言わないでよ」


スカアハ「重工業化に軍の再編、北の動向にも注視せねばなるまい。尤も、内政向きの人材が致命的に足りないのがネックなのではあるがな」


マリー「そうなのよねぇ・・・スカア「無理だな」そ、そう」


スカアハ「まぁ、やってやれぬ事は無いが、全てに於いて中途半端になってしまうぞ」


マリー「ぐぅ!仕方ないわね。その代わり軍の再編しっかり頼むわよ」


スカアハ「承知致した」


ベリアル「・・・話し終わった?」


マリー「終わったけど頭痛いわ」


ベリアル「まぁ仕方ないよ。いい人材見付かる様祈っておくよ。さてさて、それでは皆々様今後ともガルダフェリナ年代記をよろしくお願い致します」




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