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ガルダフェリナ年代記  作者: 常世神命
ティべリア王国編 一章 マリーの内政
28/32

十一話 鉄道が出来たわよ

マリー「いつもありがとうございます・・・昨日の今日でって早く無い?」


ベリアル「スランプ抜けたっぽいから、もう投稿するって」


マリー「大丈夫なの?」


ベリアル「さぁねぇ。ただ言える事は次話を昨日書き始めて、もう折り返しだって」


マリー「なら年内にもう一回更新出来そうね」


ベリアル「ボクのセフェラとの付き合いから言えば、フィフティーフィフティーだね」


マリー「それだと更新出来ない公算の方が高く無い?」


ベリアル「そうとも言う」


マリー「・・・」


ベリアル「で、今回の話しだけど・・・」


マリー「もう鉄道とかビックリよね」


ベリアル「どう言う事?」


マリー「それではどうぞ」














「乗り合い馬車はどうかしら?」


「日々混雑が増していますので、来週から10割増便する予定ななっております」


 次に始めたのは、領内の乗り合い馬車の無料化。

 これは、移民がアルカーラルに集中するのを防止すると共に、カボベヘルなどの郊外に定住させ、このギッテリア沙漠の農業開発を推し進めるのが狙いだ。


「それに伴い、お嬢様が以前仰っていた領内の鉄道網の整備を進める事になりました」


「何とか出来た様ね」


「ええ、馬と違い頻繁に休ませる必要が無いのは大きいです」


 そう、以前お蔵入りしていた鉄道構想が現実化する時が来たのだ。


 機関車の出力は凡そ40kw(約53馬力)と弱いながらも、50人乗りの客車8両を30千セル/刻(時速約30km)で輸送する事が出来るのだ。

 路線は、セジュレクト~アルカーラル~ギッテから、マウガン領の領都ドロアスを結ぶ全長100千セル(約200km)の本線と、アルカーラル~カボベヘルを結ぶカボベヘル線15千セル(約30km)の2路線の開業を目指す事になった。

 開通すれば、ドロアスからアルカーラルまで2日掛かったのが、朝三つ刻に出れば、昼過ぎの六つ刻半に到着するのだ。








 ポー

 シュシュシュシュ・・・シューシューシューシューーー

 機関車の下部から蒸気が噴出し、ブレーキが掛かって列車が停車する。


「アルカーラル~、アルカーラルです。当駅で10分間停車致します。発車は12時15分を予定しております。乗車締め切りは発車2分前となっておりますので、ご注意下さい」


 あれから1年経ち、3ヵ月前にカボベヘル線が、そして3日前に本線全線が開通した。

 今、アルカーラル中央駅は、大勢の人でごった返していた。

 本線は1日上下合わせて24本、カボベヘル線はカボベヘル行きが三つ刻始発で凡そ10分に1本、最終は十つ刻10分の1日98本運行されている。

 アルカーラル中央駅の1日の利用客は5万人を超え、それが、今のギッテリアの繁栄を物語っていた。


「ルチア。王都を抜けてアルド子爵領までの鉄道の延伸が決まったわよ」


「遂にですか。おめでとうございます」


 ティベリア王国はこの画期的な輸送手段の登場に対して、国内の鉄道網構築を国策とする事を先月決定した。

 その際、わたしは鉄道大臣に任命され、爵位も一気に侯爵にまで叙爵する事になり、ギッテから王都を経由して、アルド子爵領領都ドラパルまでの全長170千セル(約340km)の整備をもぎ取った。

 総事業費は290万ディナール(約290億円)

 今年の国家予算が年間80万ディナールなので、国家予算約4年分に相当する費用が組まれた。

 これには、路線の建設費のほかに、路線を整備するに当たっての周辺道路網の整備、機関車の購入費、機関車の開発費、アルカーラル製鉄所への投資等も含まれている。


「これで製鉄所の粗鋼の生産量が1日25トンに増えたわね」


「ええ、蒸気自動車の開発に因り、一往復で5トンの石炭を輸送する事が出来る様になりましたから、新規の高炉の建設を急がせた方がよろしいですね」


「半年後までに日産100トンを目指すわよ」


 この整備事業に先立って、前々から懸案であった、アルド子爵領の炭鉱までの街道の整備が行われた。

 国が20万ディナール、アルド子爵領も含めた3領主が一人5万ディナールで計15万ディナール、で、わたしが40万ディナールの総工費75万ディナール(約75億円)で整備を行った。

 そのお陰で石炭の輸送量が増え、商用炉の稼働が出来る様になった。

 それに付随して、蒸気自動車が開発され、現在までに7両が完成して、アルド子爵領の炭鉱から石炭を輸送している。



 ここまで、カボベヘル線が開通してから凡そ1年、ギッテリア領の総人口は50万人を超え、ギッテリアの沙漠は砂金で出来ているとまで揶揄される位の富がこのギッテリアに集まっていた。

 現時点でのわたしの個人資産は凡そ120万ディナール。

 グループ企業の総資産は凡そ270万ディナール。

 ギッテリア領の領民の平均年収は全国平均の11倍。

 揶揄されている事も強ち間違ってはいない位には好景気だ。


「ギッテリア卿。是非とも次の鉄道延伸にはサルデン領をお願いする」


「公爵閣下のご期待に添える様頑張りますわ」


 陛下の伯父にあたるサルデン公爵が陳情に来る位、今、どんなに高位の貴族でも、態々アルカーラルに陳情に来る。

 とはいえ、慢心する気は毛頭無い。

 ガーランド帝国は、未だ版図を拡大する手を緩めて無いのだから。

 そして、いつの間にかに鉄道網の構築は国是となっていた。







「マリーお嬢様。カボベヘル工廠で新たな機関車とお嬢様が仰っていたマスケットという武器が開発されました」


 それから半年経ち、アルカーラル製鉄所の粗鋼の生産量が1日120トンを達成した頃、ルチアがそう報告して来た。

 遂に、ガーランド帝国が攻め寄せる前にマスケットが開発された。

 

 新たな機関車は、開発主任のアルフレッド・ウェルゼーの名から、ウェルゼー式機関車と呼ばれ、出力88kw(約117馬力)、80人乗り客車10両を平均速度45千セル/刻(時速約45km)で輸送出来る1号車と、出力228kw(約304馬力)、1両10トンの貨車8両を平均速度55千セル/刻(時速約55km)で輸送出来る2号車を開発した。

 大きさは客車用が大型バス位、貨車用のが大体4トンロング車位の大きさで、2号車の方が出力が大きい分やや長い。


 貨物線は、アルカーラル製鉄所を起点として、アルカーラル中央貨物駅~東アルベレス駅~西アルド炭鉱駅の全長185千セル(約370km)となっていて、この間を1日6本運行されている。




 マスケットが開発された事に伴って、国王陛下を迎えての試射が行われた。


 ダーン


 わたしは、銃に弾を込め発射した。


「陛下。どうでしたか?」


「お、おお、ギッテリア卿。これは戦争の際使える物なのか?」


「陛下。その問にお答え致します前に、一度打ってみますか?」


「そんなに簡単に出来る物なのか?」


「弓を扱うよりずっと簡単ですわ」


 そう言うと、わたしは銃の中を掃除して、また火薬を詰め弾を込めて、それを陛下に渡してやり方を教える。


「これで良いのか?」


「左様にございます」


 陛下は銃の引き金を引く。


 ダーン


 弾は偶然、的の端に命中した。


「何と!儂にも出来たぞ。確かにやり方さえ覚えれば、弓より遥かに簡単に出来る。つまりはだ、農民も多少の訓練で強力な兵士となるな」


「陛下の仰る通り、弓の使えない女性や年配の者でも容易く扱う事が出来るのが利点です」


「という事は欠点があるのだな?」


「はい、弾を発射する際に込めていた粉末の材料の一部が入手が難しいのですよ」

 

「そんなになのか?」


「はい、その材料を硝石と言いまして、ギッテリア以外では目にした事がございませんし、製造法も有るという話しでしたが失伝しています」


 硝石はカボベヘルを開発中に発見した。

 この鉱床は、ゲームの時には無かったので、ゲームのガルダフェリナと、このガルダフェリナでは似て非なる物という事の証左であろう。

 埋蔵量的には、ハーバー・ボッシュ法って何?美味しいの?

 という位には半端無い埋蔵量とだけ言っておこう。

 製造法は実は知っているのだけど、これだけ途轍も無い埋蔵量が有る鉱床が在るのに必要無いねって話しになる。

 切れるカードが多いに越した事は無いので、独占したいという事も無い事は無い。


「・・・何じゃ。マスケットはギッテリア卿の独壇ではないか。乗っ取る気か?」


「まさか。その様な事は致しませんわ」


 経済を支配する。

 という手が無い事も無いけど、鉄道の事で表立つ様な事は起きないが、木工製品の件でそちら方面の領主にはそれなりに恨まれているので、中庸を心掛けないといけないという事はある。


「ギッテリア卿には是非とも我が領地の経済の活性化についてご相談したい」


 しかし、全領主が全領主恨んでいる訳では無く、経済が活性化して税収が増えた所の領主には、揉み手で挨拶に来る事も有る。


「では、次の宰相なぞどうしゃ?」


「・・・まだ若輩の身なれば力不足ですわ」


「フム、残念じゃのぅ。今宰相のライモンド卿は儂の祖父の代からの宿将ではあるが、そろそろ90にも手が届こうかと言う年で、隠居を考えておる様じゃが、後任が未だ見つからん。この様な事をしでかすそなたならと思うたが・・・」


 えー!!あの宰相そんな年なの!?

 男爵や子爵に叙爵・昇爵の折り、2・3度お会いしたけど、まだ60代半ば位に見えたわよ。

 ゲームじゃ解析班が総出で試行錯誤するも、PC・NPC問わず82才が最高だもの。

 それだって、通常プレイだと精々17世紀後半という医療レベルなのを、解析班だけで無く、上位プレイヤー総出で無理矢理19世紀末位に何とか引き上げた結果ですもの。

 まして、初期設定まんまに近く、平均寿命が50代前半と言われ、40半ばを超えたらもう年寄り扱いの世界で80代後半とか、凄い事ね。

 長生きの秘訣でも教えて貰いたいわね。


 おっと、話が逸れたわ(閑話休題)ね。


「でしたら、見習いという事でしたらお受け致しますわ」


「大臣の方はどうするのじゃ。第一人者であるそなた以上に適任者はおらんぞ」


 まぁ、確かに今のところ、わたし以上に鉄道の運用に長けている者が居る訳無いわね。

 強いて言えば、(ほぼ)わたしと共に行動しているルチア位かしらね。


「クッカル男爵の娘にルチアという者が居りますので、その者にお任せ頂けませればと。領内の事業等を任せております」


 上手く通れば人材枯渇待った無しな状況になるけど、宰相見習いをするに当たって、鉄道大臣との兼任はちょっとハードワークになりかねないので、ルチアを招聘しないとキツい。

 ギッテリアの領政府の者達は、わたしやルチアが居なくでも、何とか回る様には鍛えたから、4・5日に一遍戻って指示をすれば大丈夫だ。


「そう言う事なら、その者が参内しても恥ずかしくない程度には叙爵させよ。侯爵になったのだから出来ぬとは言わんよな?」


 この国では、国王に許可を願い出ないとならないが、公爵と侯爵にも自分の下の者に叙爵する権限が有る。

 この場合、国王に叙爵されるのとは違い、その年金は叙爵した公爵又は侯爵が国で決められた規定額を支払わなければならないので、そうホイホイと叙爵は出来ない。


 年金。

 とは言っても、これは法衣貴族に対する規定で、領地持ちの貴族の場合は上納金の免除がこれに当たる。

 上納金は決まった金額ではなく、領地の税収に対して3割としている。

 昔、爵位に依って上納金の額が異なるが、決まった金額だった時期が有り、その時は凶作など税収が落ち込む年は重税が課せられる領地が有り、国が大いに荒れたらしい。

 当然、外患誘致に繋がり、国土が今の領域になるのがこの頃だ。

 それより以前は、国土は今の倍位の広さはあったらしい。


 公爵が90%

 侯爵が75%

 伯爵が65%

 子爵が50%

 男爵が25%

 準男爵が20%

 騎士爵が5%


 の免除となっているので、わたしが国に納める上納金は3割の内7割5分免除だから、7分5厘が年間に納める上納金の割合である。

 ちなみに、去年は大体74万ディナールの税収等があって、侯爵に叙爵されたのが今年なので、子爵で計算される事になり、納める上納金の額は11万1千ディナールとなる。

 今年侯爵になったので、来年納める上納金の割合が実質半分になるが、今は5月半ばで既に100万ディナールを超える収入が領地に有るので、来年納める上納金の額は寧ろ増加するとは思っている。

 勿論、納める上納金の額は、領主の中ではトップである。

 ちなみに、去年の領地の収入に占める、本業である税収の割合は1割3分程で、領営の鉄鉱山と製鉄所の本業以外の収入が大半を占めている。


「承知致しました。では、男爵でどうでしょうか?」


「その辺りが妥当じゃろう」


 兎も角、陛下の許可も貰ったし、ルチアを男爵に叙爵する事が出来るわね。

 ちなみに、法衣男爵の年金額は、年2,000ディナール(約2,000万円)である。








「ルチア。馬車用に調達した荷馬はどうしよう」


 鉄道や蒸気自動車が完成するまでに、総数248頭の馬車用の馬を購入しているが、現在走らせている馬車は50両で100頭になる。

 つまりは、残り5分の3が何もしていない。

 という状況になる。

 蒸気機関車や蒸気自動車と比べ、維持管理がとても大変でお金(主に飼い葉に)が掛かる。


「確かに、遊んでいる馬は居ますが、将来を見据えますと、安易に【売却】は出来ません。」


 確かにそうよね。

 国内は主要幹線道路と、帝国に一番近いマウガン領内の幹線道路の整備は終わっているが、当然、国外はその様な事は無いので、重量の有る蒸気自動車の運用は出来ない。

 従って、馬車に依る兵員・物資等の輸送を行わなければならないので、寧ろ、まだ足りない。

 とは言うものの、本当に中に浮いている状態なので、出来るだけ活用した方が望ましい。


「・・・他領で運送業をやる。というのはどうかしら?」


「平時なら問題ありませんが、戦時になった場合、引き揚げ難くなりますので止めた方がよろしいですね」


「・・・一時的にアルド子爵領からの石炭の輸送を増やすというのは?」


「備蓄場所の心配をしなくても問題ありませんので、それ位しかありませんね」


 こちらを立てれば、あちらが立たず。

 難しい物ね。










ベリアル「ここまでお付き合い頂きありがとうございます。誤字、脱字などございましたらよろしくお願い致します。どうする?」


マリー「こっちに水を向けられてもねぇ」


ベリアル「正直どうなのさ」


マリー「ごめん(こうむ)ります。勝手気儘な一領主で十分です」


ベリアル「だよね。でも、マスケットは行き過ぎだよね。今までの兵科、兵器が一気に陳腐化したもの。回回砲だけだっけ?」


マリー「まだ大砲は無いからね」


ベリアル「で、次話から章が変わるんだよね?」


マリー「ええ。二章 マリーの軍政(仮)って言う話しよ。何でも帝国戦の終結までわたしのターンらしいわね」


ベリアル「へぇ。3人目に行くかと思いきや、そう来たか」


マリー「後はヘボ作者の頑張り次第ね」


ベリアル「それでは、今後ともガルダフェリナ年代記をよろしくお願い致します」










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