四話 鉄の生産を始めたわよ
ベリアル「日曜に更新すると言ったな・・・あれは嘘だ!」
マリー「いつもありがとうございます。ん?言って無かったわよ」
ベリアル「あれ?そうなの?ヘボ作者が「日曜の朝に更新するよ」って言ってたから、公言してるかと思ったよ。だから、有名なセリフを言ってみたんだけど、それじゃあ何かボクがお間抜けさんみたいだね」
マリー「あのヘボ作者だし、そこは、犬にでも噛まれたと思って諦めたら?」
ベリアル「そうする」
マリー「ところでベリアル。今回のお話しは?」
ベリアル「ギッテ村の近くに在る、赤鉄鉱の鉱脈を発見してギッテ鉱山を開いた後のお話しだね」
マリー「それは分かるわよ。だから今回のお話しの内容を詳しく」
ベリアル「言ったら読む意味無いじゃん。だから内容は言わないよぅ」
マリー「・・・無いわ」
ベリアル「・・・ボクもそう思ったけどね」
マリー「?ああ、それね。ヘボ作者から変なカンペ渡されてたんだ」
ベリアル「ヘボ作者は一応ボクのご主人様って言う設定だからね」
マリー「メタいわね」
ベリアル「さてさて、それでは本編をどうぞ」
『流石ご主人様。精霊使いが荒いです』
結局、マウガン領の領都である、ドロアスまで街道を整備して貰ったわ。
クッカル領の領都のヘニアラまででも良かったのだけど、今後、鉄鉱石の生産量が増えた場合、ヘニアラでは施設の規模が小さく、精錬が追い付かなくなるのは分かり切っているので、上げた魔力量で延ばせる。と言うのでドロアスまで延ばして貰った。
ブー垂れる位なら、最初から言わない様に。
「今後必要だからよ。ともかくありがとうね」
『こ、これ位訳無いですよご主人様』
わたしがティリスに向かって、営業スマイルでお礼を言うと、ティリスは頬を赤く染める。
案外チョロいわね。
街道は、10人乗りの馬車が3台並んでも余りある幅員が有り、コンクリート舗装を思わせる風合いと強度がある物が出来た。
「これはこれはマリアディア様。この様な所に如何なるご用向きでいらっしゃったのでしょうか?」
わたし達は、ギッテ鉱山を手の者に任せ、ドロアスに戻って来ていた。
もちろん、採掘した赤鉄鉱を鍛冶組合に売り込む為だ。
赤鉄鉱は、10人乗りの馬車の半分だけ載せて来ている。
「ちょっとこれを検分して欲しいの」
わたしは、懐から拳大の赤鉄鉱をカウンターに出す。
「これですか?これは・・・・・・マリアディア様。これをどこで手に入れましたか?」
組合長は、赤鉄鉱を見て驚きの表情になる。
まぁ、この国の鉄事情からしたら、驚くわよね。
この国ティべリアは、金属加工の技術レベルが青銅器という設定の中、数少ない製鉄法を獲得している国なのだが、現時点では鉄鉱石を産出する鉱山が在るのだけど、国内の需要を満たせない処か、一部の者に独占されている。
周辺国は製鉄法を発見していないので、当然、鉄鉱石を産出する鉱山は無く、輸入する事も出来ない。
ゲームであるガルダフェリナ年代記では、このアドバンテージを活かせるかどうかが、今後の躍進の鍵を握っていると言っても過言ではない。
プレイ時なら、国王を選択して、トップダウンで鉄の生産量を拡大させて、鉄器無双するのだが、マリアディアとして転生した身では、それは出来ない。
出来ないからと言って、手を拱いていると大国ガーランド帝国に、あっという間に併合されてしまう可能性がある。
ゲームでも、鉄の増産をミスると、手を講じる間も無く瞬く間に併合されてしまう。
国力差7倍は伊達ではない。
という事なるのだけど、実際の所、今はこちらに目を向けていない様なので、今の内に鉄の生産量を増やさないといけなく事になる。
タイムリミットは、ゲームで6ターン、1ターンが1ヵ月なので、つまりは後半年がわたし達に残された時間だろう。
この3年を無為・・・とまでは言えないが、ここに来るまでに時間を費やし過ぎてしまったのが大きい。
「クッカル男爵領の、ギッテという寒村の近くよ」
「そんな近くに・・・最近、キナ臭い噂が流れて来る様になったから、心配していた所です。この時点で鉄鉱石の発見、しかも、クッカル男爵領から出たという事は、正に僥倖と言うしかありませんなぁ。なぁに、心配要りません姫様。このゴディン、身命を賭して頑張らせて頂きます。オイ、野郎共!姫様が、クッカル男爵領から鉄鉱石を持って来て下さった。ガーランドなんぞに姫様の御座すこのマウガン領、ひいてはティべリアを蹂躙させてなるものか!やるぞ!」
「「オー!!」」
ゴディンの掛け声一発、組合員全員一様に気合いが漲る。
・・・姫様とかやめてぇー。
「あー、組合長。気合いが入っている所申し訳ないのだけど、今回持って来た量は、馬車に半分しか無いのよ」
「いやいや、今までからしたら大量と言えます。ちなみに、頻度は何れくらいで搬入して貰えるのでしょうか?」
「ギッテ村から、このドロアスの近くまで街道を新設したから、行って来いで6日見て貰えば良いわね」
街道を敷設した時、馬車専用道として利用する意図で、街道の本筋を外して、新たに敷設したのだ。
これに因り、ギッテ鉱山とを往復する時間が、通常10日以上掛かる所、街道を高速で走れる様になったので、6日で往復できる様になった。
実際、運用する場合は、これに馬車の整備として1日充てるので、1サイクルで7日掛かる事になる。
「姫様。これが今回お持ち頂いた鉄鉱石で、誂えた小剣と延べ棒です」
数日すると、組合長から献上用に誂えさせたショートソードを一振りと、鉄の延べ棒を1本を受け取り、それとは別に、ロングソードを十数振り買い取る。
しばらくした後、王都に向かう事になる。
「やっぱり賑かね」
「さすがは王都という事ですか」
わたし達は5日を掛けて、ティべリア王国の首都ある、王都アルベレスに到着する。
アルベレスは、マウガン領の領都であるドロアスの凡そ10倍に当たる、人口30万余りを数え、ティべリア王国の政治と経済の中心地として栄えていた。
アルベレスは元々、何も無い草原だった。
この場所に入植が始まったのは、今から200年程前の第28代ティべリア国王賢君メラル一世の御代にまで遡る。
この時代にティべリア国王の最盛期を迎え、大陸の西部の大半を勢力圏としていて、王国中に街道の建設が進められていた。
アルベレスが造られる事になるこの草原にも街道が通る様になる。
しかし、街道を建設出来ても、この草原に限らず、街道上の都市同士の距離が離れ過ぎていて、馬車を使っても半月以上の時間を要する程、都市は点在していた。
そこで、メラル一世は都市同士との間にも、中継地を造る様布告した。
それで、この草原に宿場街が造られる事になった。
これが、アルベレスの始まりである。
その後、アルベレスを走る街道は東西だけだったのが、南北にも1本造られ、交通の要所となったアルベレスは、交易都市として栄える事になる。
そこから、ここが王都になったのは、今から60年前、後世の歴史家に暗君とされた、第36代国王ヤムセロ二世の御代になる。
後世の歴史家が暗君とした理由に、国内政策と国外政策のどちらも失敗していて、国内は各地で反乱が少なからず発生していて、国外に於いては外征での大敗に因る領土割譲で、坂を転げ落ちるが如く、急速にその国力は衰えていった。
その後、遂に首都が陥落する事になるまで連戦連敗を喫し、ティべリア王国は講和する事に因り滅亡を免れるも、戦時賠償に因り、現在より少し大きい国土と、多額の賠償金を課せられ、首都もアルベレスに遷都する事を余儀なくされた。
あー長くなったわね
これは、ゲームでの設定であり、実際は違うのかも知れないけど、老舗とされる商家の何軒かには、当時を知る者も残っているので、概ね、当たらずとも遠からずと言えるでしょう。
わたしがこの王都に来たのは、誂えさせたショートソードと延べ棒1本の献上と、国軍にロングソードの売却と、首都の鍛冶組合にドロアスで加工が追い付かない分の延べ棒を売却する為だ。
ドロアスの鍛冶組合もそこそこ大きいのだけど、今後、鉄鉱石の生産量が増加する事になるので、そうなると、現在の規模では延べ棒に精錬するのが精一杯で、武器を作るのにまで手が回らない、という事になるのは明白なので、精錬した延べ棒の一部を、こうやって、技術を持っている他所に回す事により、人為的な【分業】を図るつもりだ。
将来的には、高炉から平炉へ、最終的には転炉へと至りたいけど、先ずは高炉からね。
あとの2つと比べて生産量は劣るけど、構造は簡単だから、材料、主に耐火レンガと耐火モルタルを数揃えられれば、小規模の物なら直ぐにでも、建設が可能だけど、現時点では、両方共に無いので、それを生産する事からスタートとか・・・日暮れて道遠しよね。
だからって、非常識な手段に訴える事はしないけどね。
「大義であった」
陛下にそう仰って、その御自らわたしに目録を下賜する。
目録の内容は、子爵に叙爵する旨と、ギッテ鉱山を含む一帯を下賜する旨が書かれていた。
クッカル男爵は、ギッテ村とギッテ鉱山を没収される訳だが、ギッテ村の人口もさることながら、ギッテ鉱山を発見、開発したのがわたしという事もあり、補てんとして3万ディナールで承諾する・・・というより「年間の税収が100ディナールに満たない村が、大金に化けた。やはり、マリアディア殿に付いて来て正解だったな。いや、今後は私より爵位が上なのだから閣下とお呼びせねばならないな」と謁見後、上機嫌でそう話していた。
ちなみに、3万ディナールという金額は、クッカル男爵領の凡そ5年分の税収に相当するので、クッカル男爵には大金と言えるだろう。
尤も、クッカル男爵領の沙漠地帯を、今後資金が貯まったら別途譲って貰うつもりだけどね。
あの地下には石油が眠っているのよ。
可採埋蔵量(技術的、商業的に採掘可能な埋蔵量)的には現代日本の技術で採掘した場合、日本の年間使用量の約10年分に相当する量だが埋蔵されている。
原始埋蔵量(可採埋蔵量に、現時点では採掘が不可能な埋蔵量を足した、埋蔵量の総量)はその4、5倍程度であり、このガルダフェリナの技術レベルでは、恐らくほとんど採掘出来ないだろうけど、突然、採掘技術が発現しないとも限らないので、先に押さえておく。
クッカル男爵に提示する予定金額は3千ディナール。
まぁ、否とは言わないわよね?
ちなみに、埋蔵量云々に付いては、ゲームの解析班の解析に因る数字なのだけど、当たらずとも遠からず、という塩梅でしょうね。
現状としては、ギッテ鉱山で産出した鉄鉱石を、ドロアスとヘニアラに搬送し、そこから、精錬した鉄と一部ロングソードを王都の国軍に卸す、という一連の流れが今後の方針だ。
「マリアディア殿。よくおいでくださった。して、今日はどんなご用向きでしょうか?」
王都での諸々の雑事を済ませて、今はクッカル男爵邸に来ている。
例の沙漠地帯を購入する為だ。
「ええ、男爵には、ギッテ村の西に広がる、沙漠地帯を譲って欲しいのよ」
「えっ!?何も無いですぞ・・・さては、何か有用な物でも埋蔵されているのですかな?」
「今はまだ無理だけど、目的は別にあるわ」
「どんな事ですかな?差し支え無ければ、ご教授願いませんでしょうか?」
「沙漠に隣接するミヘーレ子爵領まで街道を延ばすためよ」
「なんと!!」
「現状では鉄の生産が追い付かないせいで、赤鉄鉱の生産が増やせないのよ」
「確かに、一朝一夕に熟練工は増やせんですものなぁ」
最初沙漠を横断する街道を敷設する。
と、発表した時は、驚いたクッカル男爵ではあったが、その理由を聞いて納得した様だ。
「それで、沙漠地帯の購入に関しましては・・・」
「もちろんタダでお譲り致しますよ。何、マリアディア殿とは、今後とも良好な関係を保って行きたい物ですからなぁ」
「よろしいですの?些少ですが3千ディナール程、ご用意させて頂きましたが・・・」
「そんなに!?よろしいのですか?」
「ええ、お陰様で思いの外、鉄関係で儲からせて貰っていますので」
今までに、国軍に卸したロングソードは600本程。
1本が50ディナールするので、総額3万ディナールになる。
その内、私達の取り分は、凡そその半分の15,500ディナールにもなる。
これが、僅か二ヵ月の事なので、年間にすると結構ウハウハな状況になる。
一家4人が慎ましやかに生活出来るのに必用なお金は、1ヵ月に凡そ1ディナールで十分事足りる。
「では、有り難く頂戴致します。何分、拝領した3万ディナールでも、街道の整備や産業振興を考えますと、全く足りない。というのが実状でして・・・」
クッカル男爵は、胸の内をわたしに話す。
今まででは、資金不足で出来なかった事も、今回の事で大きく前進したらしい。
街道の整備
鍛冶ギルドへの補助金支給
幼年学舎の建設
それに伴う無料の義務教育
農業振興
領軍のテコ入れ etc.
主な物でもこれだけ有って、締めて概算で7万8千ディナールは掛かるらしい。
クッカル男爵領の今年の税収は、凡そ6,500ディナール。
当然、丸々政策に使える訳ではなく、その凡そ半分に当たる3,100ディナールしか回せないらしいので、例え僅か3千ディナールだけでも、クッカル男爵からしたら喉から手が出るほど欲しいらしい。
領民の為に、恥も外聞もかなぐり捨てて頭を下げられる。
これは、男爵が領民に慕われているのは、当然と言えるわね。
わたしが男爵邸を辞する時に、追加で2万ディナールを進呈したら、男爵は滂沱の涙を流して感謝してくれた。
マリー「ここまでお読み頂きましてありがとうございます。誤字、脱字などございましたら、感想欄までお気軽に書き込んでください。それで、来週には更新出来そう?」
ベリアル「来週末かぁ・・・再来週ならイケてそうだね」
マリー「そうなの?」
ベリアル「ヘボ作者にしては結構いいペースだけど、まぁ、遅い方だよね」
マリー「それで、次回は?」
ベリアル「今回の続き」
マリー「いやいやいや。次回のあらすじでもと思ったのだけど」
ベリアル「巻いてるから無しね」
マリー「・・・ああ、そう言う事か。それでは今後とも、ガルダフェリナ年代記をよろしくお願いいたします」
ベリアル「またね」




