十六話 観スポ開発する筈なのだが・・・そのさん
バセレイル「いつもありがとうございます。長らくお待たせ致しまして申し訳ありません」
ベリアル「それにしても、あのヘボ作者はどうにかならない物かなぁ?」
バセレイル「無理でしょうね」
ベリアル「ボクなんて余り出番無いのに、ここに出してるし」
バセレイル「宜しいのではないですか?」
ベリアル「それでさぁ、今回はどんな話しだっけ?」
バセレイル「今回は、プーケット村の観光開発の三回目になります」
ベリアル「詳しい内容は聞かないけど、まぁ、兎に角読んでみてね」
さて、天候操作に限りなく近い【天気変更】が、間違い無くこのプーケット村の観光開発のカギになるのは確実だ。
それでは、バセレイルが、プーケット村の気候云々をまとめた報告書が有るので紹介しよう。
プーケット
年平均気温:23.7℃ 年間降水量:4,099㎜ 乾燥限界754mm
ケッペン気候区分:Am
| 月平均気温 | 降水量
1月 | 20.8℃ | 59㎜
2月 | 22.1℃ |101㎜
3月 | 22.7℃ |380㎜
4月 | 23.6℃ |423㎜
5月 | 24.4℃ |461㎜
6月 | 25.1℃ |603㎜
7月 | 26.9℃ |828㎜
8月 | 26.8℃ |608㎜
9月 | 24.9℃ |299㎜
10月| 23.5℃ |167㎜
11月| 22.1℃ | 92㎜
12月| 21.7℃ | 78㎜
乾季は11月~翌1月
乾季と言っても【雨季と比べて雨が降らない】というだけで、一般的な同様の気候帯に比べて雨が降り、さほど乾燥した感じはしない。
1月1日から3日は晴れの特異日である。
雨季は3月~9月
6月から8月は、月に雨が降らない日が3日も無い位ほぼ毎日雨が降る。
主食はタロ芋等の芋類。
タロ芋は、こちらではセダ芋と呼ばれている。
主食以外は密林に生っている果物等を食している。
尤も、海に近い為に専ら摂取カロリー的に言えば、約7割が魚介類に依る物だ。
人口は凡そ300人。
面積は凡そ18平方km
村の中心部から首都レバオラまでの街道が開通したので、この村は南部地方の玄関口として発展する可能性が有る。
現在、王国政府では、国王の主導で、この村を観光地とする為の政策等を実施中であるが、宿泊施設を建設した後の計画推進が、この気象に因る悪影響で停止している状態にある。
地形から言えば、海岸の大半は白い砂浜で、この様な気象でなければ、海水浴場としてはもとより、レバオラの避寒地としても機能する可能性を秘めているので、残念でならない。
産業としては、前述の通り海に近いので漁業が主産業であり、農業は気象に因る悪影響が強い為に、殆んど発達していない。
その為、住民の所得は低く、同時に無医村な為、この数十年人口の変動が殆んど無く、平均寿命が王国平均の約52才を大きく下回る、約43才と低いのがその証左である。
以上の様な感じだな。
乾燥限界というのは、年間の総降水量がこの数値未満になると、その地域は乾燥帯という区分になる。
当然ながらこのプーケットではそれは無い。
因みに計算式は
r=20(t+x)
r→乾燥限界
t→年間の平均気温
x→年間を通じた降水の傾向に因る係数
下記ふたつのどちらでもない→7
冬に降水量が最大で、降水量が最大月>最少月×3&最少月30mm未満→0
夏に降水量が最大で、降水量が最大月>最少月×10→14
プーケット村を例にとると
t=23.7
x=828>59×10→14
r=20(23.7+14)=754mm
となる。
・・・稲作をする事は可能だが、報告書通りとするならば、最も暑い三ヵ月に晴れる処か、雨が降らない日がわずかしかない。
という訳だから、日本の様なジャポニカ種では不作が続きかねない。
インディカ種がどこかに無いだろうか・・・
おっといけないいけない。
今は、プーケット村の観光の事だったな。
ともすれば、プーケット村含むこの地方の観光シーズンは、雨が少ない11月から翌年の2月までの四ヵ月だな。
観スポやそのほかの必要と思われる施設の建設については、天気変更を使って好天を作る事で、計画が立てられるのだが、以後、観光客を誘致する際にいつも使えるかと言えば、使う事は出来ないのは当然とも言えるので、この天気変更は、施設等を整備する為の限定的な使用にならざるを得ない。
・・・そう考えると、結構厳しいんだな。
「タチアナ。観光客を誘致し難い3月から10月はどうするか?」
「そうですね。この宿泊施設だけは国で運営する形にすれば、その時期に発生するであろう赤字を税金で補填出来るのではないですか?」
「確かにそうだな。観光客が少ないと予想される期間が半年以上もある訳だから、民間では赤字で早々に潰れてしまうな」
・・・プーケット村の観光開発をする第3セクターを立ち上げて、そっちに委託という名の丸投げをしてしまうか・・・まてよ、天気変更のほかに何か無いかな?
【気候変更】
・・・ちょっと思考が停止してしまった。
気候変更だと!?
早速、気候変更の項目をタップしてみると、その次に、国を選択する画面に移り、エルベリアをタップした次には、エルベリア国内の地方の一覧が表示され、そこには、各地方の名称の隣に現在の気候がケッペン気候区分別のアルファベットで振られている。
因みに、プーケットの在る南沿岸部の隣にはAm、その隣の南内陸中央部にAfと記されている。
Afは熱帯雨林気候
Amは熱帯モンスーン気候
前述の乾燥限界から言えば、乾燥帯以外は、この乾燥限界以上に降水が有るのが前提であり、南沿岸部の平均降水量は凡そ2,500ミリで、南内陸中央部は凡そ2,000ミリの降水量が有る。
南内陸中央部の方が降水量は少ないが、南沿岸部に比べ、降水量の最少月と最大月の差が2倍も無いので、熱帯雨林気候となっている様だ。
それでは折角なので、その機能を実際に使ってみよう。
各地方名の行の一番右に【気候変更する】と表示されているので、プーケットの在る南沿岸部をタップすると、気候の一覧が表示される。
その一覧には、変更可能な気候は白で、変更不可能な気候はグレーで表示されていた。
当然、この赤道に近いエルベリアでは、寒帯等の寒い気候はグレーであるのだが、乾燥帯は白で表示されていて、試しに砂漠気候をタップしてみると、【この気候に変更しますと、隣り合うプロヴィンスが全てステップ気候に変更されますが、変更されますか?】と警告が表示される。
当然、そんな事になればエルベリアの農業は大打撃を受けてしまうので、キャンセルをタップする。
・・・さて、どうするか。
候補としては
温暖湿潤気候 Cfa
温暖冬季小雨気候 Cwa
地中海性気候 Csa
サバナ気候 Aw
熱帯夏季小雨気候 As
温暖湿潤気候は、まぁ日本では一般的な気候で、教科書等ではよく東京の雨温図が例に上がる気候帯だ。
条件としては、一番寒い月の平均気温が-3℃~18℃未満で、一番暑い月の平均気温が22℃以上。
一番雨の降る月と降らない月との差が少ない事、前述の乾燥限界の項目で【どちらでもない】に当たる。
温暖冬季小雨気候は、気温は同じで降水の方が前述の乾燥限界の項目で言う所の【夏に降水量が最大】に当たる。
ほかにCwb、Cwcとあるのだが、気温の関係で選択出来ないグレーになっている。
因みに、bの方が一番暑い月の平均気温が22℃未満で、月の平均気温が10℃以上の月が4ヵ月以上。cの方は一番暑い月の平均気温は同じで、月の平均気温が10℃以上の月が3ヵ月以下とされている。
地中海性気候は、CfaやCwaと平均気温の条件は同じだが、降水パターンの条件が乾燥限界の項目の【冬に降水量が最大】に当たる事になる。
当然、地中海性気候にもCsb、Cscがあるが、降水パターンが前述二種類の気候帯と異なるだけで、平均気温の条件は同じなので割愛する。
サバナ気候は、平均気温の条件は一番寒い月の平均気温が18℃以上(ヤシが生育出来ること)、降水量の条件は一番雨の降らない月の降水量が60mm未満であり、尚且つ100-0.04×年間降水量未満であり、一番雨が降る月が夏になる事。
熱帯夏季小雨気候は、殆んど条件はAwと同じだが、降水パターンの条件が、一番雨の降る月が冬にあり尚且つAwの条件に加え、乾燥限界の項目の【冬に降水量が最大】に当たる条件が入る。
月平均気温のパターンで、熱帯、温帯、冷帯が別れ、降水パターンで湿潤、冬季小雨、夏季小雨に別れて、【樹林気候】として括られている。
残る乾燥帯は降水量、寒帯は気温が関係して木が生えないとされている為に【無樹林気候】として括られている。
乾燥帯、寒帯どちらもエルベリアには無縁の気候なので割愛する。
どれも一長一短で、CsaとAs以外の候補は、降水量が最大の月が夏にあるが、前者のふたつは夏が乾季となり、夏に観光客を呼び込もうとする予定に於いてマッチしている気候となる。
しかし、雨温図のサンプルを確認したら、最低条件だけは満たしているが、夏にも100mm程度の雨が降る様だ。
だから、Csaの気候区なのに、年間雨量2,000mm超えるとか、Asの気候区なのに、プーケットの気候の逆バージョンとか、理論的には有るのかも知れないが、実際に於いてあり得ない雨温図がサンプルとして表示されたのだが、右下にカスタマイズの項目が有ったので、あり得る雨温図にしてみた。
熱帯夏季小雨気候の場合
プーケット
年平均気温:24.0℃ 年間降水量:1,350㎜ 乾燥限界480mm
ケッペン気候区分:As
| 月平均気温 | 降水量
1月 | 18.8℃ |185㎜
2月 | 21.1℃ |205㎜
3月 | 22.7℃ |169㎜
4月 | 23.6℃ |144㎜
5月 | 25.4℃ |104㎜
6月 | 26.3℃ | 75㎜
7月 | 27.2℃ | 54㎜
8月 | 27.9℃ | 20㎜
9月 | 26.8℃ | 51㎜
10月| 25.3℃ | 83㎜
11月| 23.2℃ |112㎜
12月| 20.5℃ |148㎜
乾季は8月のみで、あとは全て雨季となる。
地中海性気候の場合
プーケット
年平均気温:21.7℃ 年間降水量:1,294㎜ 乾燥限界434mm
ケッペン気候区分:Csa
| 月平均気温 | 降水量
1月 | 16.3℃ |219㎜
2月 | 15.5℃ |261㎜
3月 | 19.8℃ |128㎜
4月 | 22.2℃ | 86㎜
5月 | 24.9℃ | 71㎜
6月 | 25.8℃ | 65㎜
7月 | 27.4℃ | 42㎜
8月 | 28.4℃ | 22㎜
9月 | 26.9℃ | 58㎜
10月| 24.8℃ | 69㎜
11月| 21.2℃ |101㎜
12月| 17.3℃ |172㎜
こちらは7、8月が乾季で、それ以外雨季となる。
どちらも、前述の乾燥限界の計算式に、月の平均気温を代入して、最後に12で割った数値を月の乾燥限界の目安にして雨季と乾季としている。
・・・天気の感じから言えば、地中海性気候の方がいいのだが、いかんせん冬の気温が低い為にヤシの生育に悪影響が有る。
尤も、日本でも多少温暖な地域には、街路樹にヤシが利用されている場合が有るが、オレとしては、ジーンズオフの時の事も考えて、油ヤシを育てて、それを食用油等として国内外に販売したいとは思っている。
観光一本に絞った方がいいのは分かっているのだが、現在、石鹸等の油脂加工品はリゼルアからの輸入品しか無く、庶民には手が届かない高級品になっているので、庶民にも買える物を国内で・・・・・・
「バセレイルは居るか?」
「バセレイル様でしたら、昨日から内陸中央部の視察旅行に出ていまして、こちらにお戻りになるのは3日後、と伺っておりますが、いかがなさいましたか?」
・・・バセレイルは居ないかぁ。
仕方ない、この案件は後回しだな。
「いやな、バセレイルに聞きたい事があったのだが、出掛けているならいるで、急を要する事でもないし居る時にでも聞くとするよ」
・・・タチアナ。そんなに睨んでも吐かないからな!
・・・・・・と思ったが、タチアナに凄まれるたので、思わずゲロってしまった。
「暫く見送った方がよろしいですね」
「やっぱりダメか?」
「バセレイル様ではありませんが、無い無い尽くしですし、何より管理を任せられる人材が居ません」
「ああ。そっちかぁ」
「この宿泊施設。ペンション・・・というのてすか?の管理も、私の親類縁者から適任者をバセレイル様に見繕って貰ってですから、そこから更に先の運営ともなると・・・あ、因みに、このペンションの管理人は、私の叔母になります」
そうか。あのグラマーな女性はタチアナの叔母さんだったか。
いい人材は居ないものかなぁ・・・
タチアナ「ここまでありがとうございます。誤字、脱字などありましたらよろしくお願いします・・・バセレイル様。そちら様は何方でしょうか?」
ベリアル「ああ、ボクね?ボクは、さる国で外務大臣をしているベリアルと言うんだ。よろしくね♪」
タチアナ「それはそれは。こちらこそよろしくお願い致します」
ベリアル「あ、ボクは堅苦しいのは好きじゃないから、いつも通りでいいよ」
タチアナ「・・・そうは言われましても・・・」
バセレイル「タチアナ。問題無いですよ」
タチアナ「承知致しました。それで質問なんですが、本文の熱帯モンスーン気候というのは・・・」
ベリアル「ああ、あれね?あれは、一般的には熱帯雨林気候に含まれていて、弱い乾季の有る熱帯雨林気候とされているね。作中では、少~し細分化したいので熱帯モンスーン気候としたんだよ。まぁ別に、ヘボ作者が考えた。という事じゃないんだけどね」
タチアナ「そうなのですか」
ベリアル「あと、幾らか昔は作中の冷帯を亜寒帯としていたから、ヘボ作者はびっくりしてたみたいだけどね。まぁ、気になる読者さんは【ケッペン】でググってみるといいよ」
バセレイル「何気に手を抜きましたね?」
ベリアル「サァて何の事かなぁ?」
タチアナ「それで、次話はどうなりますか?」
ベリアル「さぁ?早く更新する様にヘボ作者の尻を引っ張たいてはみるけど、主軸の辺境領リネルメ興隆記の更新が止まってるし、今月は無理なんじゃないかなぁ?」
バセレイル「年内の更新は無理なのでは?」
ベリアル「ああ、ボク的には一番可能性が有るから触れない様にしてたんだけどね・・・あ、そうそう。このガルダフェリナ年代記は、辺境領リネルメ興隆記の大凶作から先の歴史が完全に分岐したif作品ですので、辺境領リネルメ興隆記との齟齬が大量に有りますがご了承下さい」
バセレイル「そうですね。確かに、大凶作は発生していませんし、メゼリエも分裂処か革命自体が起きておらず、世界大戦に発展しておりません。このエルベリア自体、独立国として存在しています」
タチアナ「え?その辺境領リネルメ興隆記では、独立国として存在していないのですか?」
ベリアル「一応独立国だけど、ザルヘルバ王国軍の駐屯地がエルベリア国内に幾つか在るし、実質ザルヘルバ王国の属国だね。尤も、エルベリアのステータスがこの作品の初期のまんまで大戦初期に突入したから、何処かの国の庇護を受けないと、自衛できないから滅亡が不回避な状況なんだけどね」
タチアナ「そうでしたか・・・」
バセレイル「タチアナ。そんなに落ち込まないの、あの作品とこの作品とは似て非なる物だから気にしない様に」
タチアナ「・・・承知致しました」
ベリアル「さてさて、話しが長くなっちゃったけど、この辺で切り上げるね。それでは今後とも、ガルダフェリナ年代記をよろしくお願いします」
バセレイル、タチアナ「「よろしくお願いします」」




