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ガルダフェリナ年代記  作者: 常世神命
エルベリア王国編 一章 王国再生
1/32

一話 弱小国の国王に転生した様だが・・・

セフェラ「はい、ガルダフェリナ年代記がスタートしました」

ベル「リルーエット嬢の方は大丈夫なのか?」

セフェラ「・・・ダイジョウブダヨ」

ベル「何故片言!?って言うか、この話しも大丈夫なのか、そこは心配であるが仕方ない。兎に角、第一話だ」

「陛下。これが国内の現況にございます」


 そう言うと男は、目の前の上司に、数枚の紙束を渡す。


「フム。ご苦労、下がってよいぞ」


 そして、その上司は尊大な態度で言い放つ。





 さて、その上司こと、オレなのだが、確かアフター5で仕事が終わり、勤め先の工場からバイクで10分の我が家に帰宅して、SRPGガルダフェリナ年代記オンラインをプレイを再開した所迄は覚えているのだが・・・

 うたた寝していたのだろうか、気付けば領主だろう身分に転生している様で、右も左も分からないので、その日に家宰と思われる人物を呼んで、現況について調べさせたのが二日前。

 で、先ほどの会話に戻るのだが・・・今、陛下って言ってたよな?

 ・・・・・・兎も角、調べて貰った物を見てみよう。





 ・・・どうやらオレは、ゲームで言う所の難易度very herdの魔王国エルベリアの国王に転生したらしい。


 このエルベリアは、国土は大体四国くらいの広さなのだが、特色つまり他国に強みの有る産業が無く、自給自足とは聞こえは良いが、早い話し貧乏国なのである。


 周辺国も大した事が無いのなら良いのだが、この国が接している四ヵ国全てこの国より豊かでエルベリアから見れば大国な訳だ。

 つまりは、ゲームで言えば廃人さん位しかプレイしない、超が幾つ付くか分からない位難しい国だ。

 オレだって、トップ10に入った事も有るので、何度かプレイしたのだが、金も無ければ、人も居ないので、運良くいい人材を早い段階で引っ張れないと、一年24ターンの内に詰む。

 最長は三年弱保ったのだが、いかんせん周辺国が周辺国だから、不戦条約切れと同時に攻め込まれThe endである。


 つまりこの国の肝は、外交能力の高い人材を何人も引っ張って来て、外交に因る独立を維持しつつ、国内の開発を進める事なのだが、そもそも、本来なら攻める価値も無い経済基盤の脆弱なエルベリアに攻め込んで来るかと言うと、このエルベリアの国内には、世界でも稀なる地下資源が宝庫な国で、エルベリアを押さえる事が出来れば、覇を唱えられる。

 と、言われる位地下資源の埋蔵量が半端無い。

 鉄や銅等の卑金属は元より、金や銀、更には白金等の貴金属。

 果てには、ファンタジーならお馴染みのミスリル銀の鉱脈まで有る。

 この国は、海に面しているが、海岸から数百メートる・・・いやこの世界の単位はセルだったな。

 セルに直すと凡そ三、四百セル程沖には、油田として開発出来る場所が有る。

 まぁこちらは、技術的な事があるので、工作機械を作れる様になるまでは、どの国も最初の内、海上油田の開発は無理だが、小規模の(油田)なら内陸部にも何ヵ所かは在ったりする。

 なので、周辺国は駆引きをしながら、このエルベリアを攻める機会を虎視眈々とうかがっているのだ。





 さて・・・我がエルベリアの現況だが・・・


首都・・・・・レバオラ‥‥‥ゲームの時は首都ってだけだったなぁ

総人口・・・・5,665人‥‥‥えっ?総人口?す、少なっ


      〈政治〉

国王・・・・・マーゼベル三世‥‥‥オレのことだ

臣下・・・・・ひょっとして家宰だけ?


      〈財政〉

歳出入に関しては把握不可能‥‥‥えっ?マジ?


      〈軍事〉

王国軍・・・320名

 騎兵・・・ 10名

 弓兵・・・ 30名

 歩兵・・・240名

 工兵・・・ 10名

 輜重隊・・ 30名

‥‥‥ゲームの時より少ないんだけど‥‥‥


      〈経済〉

主な生産品・・・・・無し‥‥‥まぁ分かっていたさ

主なエネルギー源・・・・薪


 オレはあまりの内容にガックリする。

 国とは名ばかり、町とも呼べない悲惨な現状がそこにはあった。


 ゲーム時代とは違って、このエルベリアが地下資源の宝庫というのはあまり知られていないだろうから、国内外で人材の捜索をしつつ、国内の開発に手掛ける所なのだが、先ずは製塩から手を着けるべきだな。

 四ヵ国の内、二ヵ国は海に面していないから、塩は重要な交易品と成り得る。

 国民に製塩を奨励しよう。

 本来なら、塩は戦略物資にも成り得るので、国で厳重に管理する物なのだが、こちらには、それを出来る人材が居ないし、後、他の事が出来なくなってしまうため、オレがやるという選択肢が無いためだ。





 製塩を奨励してから一ヵ月が経つと、塩の生産量が増加するに従い、買い付けに来る商人が増え活気が出始めた。

 奨励と言っても、そこは、取り引きの時の売却益の10%を取り引き税という形で納めさせているが。


 重さの単位は、日本と同じグラムが使われていて、こちらの100グラムは、大体日本の100グラムと同じ位と思って貰っても大丈夫だ。

 で、500グラムの塩が300ディルハム位で、商人に買い取られているのを見て、ゲームでこの辺の事は数字で完結してしまう為、塩は日本と違ってかなり貴重品なのだなと思い改めて色々実感した。


 そう、今オレは沿岸部のドゥラという名の漁村に()()に来ている。

 ()()だぞ、気晴らしに来たのでは無いからな、ここ重要。


「おう。みんな頑張ってるか?」


 オレは村人にフランクな感じで声を掛けてみると。


「陛下におきましては、この(たび)の・・・」


 村人はめっちゃ恐縮しまくりだった。

 村長に聞いたのだが、この製塩事業のお陰で、この村だけで無く沿岸部の村々は、暮らし向きが良くなったらしい。


 そうそう、我が国の通貨単位は、エルベリアディナールで略字にするとEDとなる・・・そこ、変な想像はしない様に。

 1EDは、日本円にして約12,000円程だ。

 なぜ、そんな中途半端な解釈になるかと言うと、1EDの千分の一の補助単位ディルハムが、チロルチョコより少し大きい焼き菓子一個の値段なので、そこから推測した。

 ああ、昔はチロルチョコが10円で買えたのを知らない世代も居るだろう。

 ちなみに、日本のスーパーで売っている食パン一斤位の大きさのパンで10ディルハムだ。


 この国で使用されている貨幣は


1ディルハム銅貨

10ディルハム大銅貨

100ディルハム銀貨

半ディナール金貨

1ディナール金貨

10ディナール大金貨


 以上六種類の硬貨を使い、売買を行うのだが、庶民が使う硬貨は良くて100ディルハム銀貨迄で、半ディナール金貨から上は、今の所庶民には馴染みが無い。

 ちなみに、1ED金貨は、五百円玉位の大きさの金貨で、1エルベリアディルハム(EDM)銅貨は五円玉に似た感じだ。


 一応造幣所は有るのだが、経済基盤がこんなんだから、現在は銅貨の製造のみで、金貨はおろか銀貨も製造していない。

 下世話な話し、国庫にお金が無いから、原料の金と銀が購入出来ないだけだ。

 銅自体は細々ながら、国内で生産されている為、銅貨は製造出来るという訳だ。

 しかし、生産量は大した事が無いので、輸出にはとてもじゃないが回せない。


 一般的な庶民の年収は、大体1EDである。

 地球で一番貧しい国でも、国民1人当たりのGDPがUSドル換算でこの国にの二倍以上有るので、この国がいかに貧しいかがお分かり頂けるだろう。

 つまり、庶民にはこの焼き菓子はとても高価で、気軽に買えない物なのだ。


 庶民の食生活というと、一日一食であり、お椀位の大きさの器に、レンズ豆が幾らか入った、塩も殆ど入っていないスープを一杯食す程度だ。

 パンは十日に数日程度、手のひらより小さく切り分けた物をひと欠片スープに入れて食す。


 先ほどの漁村の場合だが、製塩事業のお陰で、一日二食食べれる様になり、内一食は手のひらの半分位の大きさのパンが、食べれる様になったらしい。

 当然、スープの豆の量は増え、塩も幾らか効いている物になっている。


 兎に角、庶民にはお金が無いのだ。

 だから、物の売買が少なく、お金が回らない。

 お金が回らなければ、新たな品物も入って来づらい。

 そうして、お金の流れが細く、淀んでいるせいで、この国の経済は低迷したままとなっている。


 もっとお金が回る様にしないと・・・






ベル「ここまでありがとう。誤字・脱字等有れば気軽に報告よろしく。でだ、大丈夫なのか?この国は」

セフェラ「そこは、ベルっちのやり方次第」

ベル「オレは元々技術工なんだぞ。それが魔族の国王とか、しかも最弱国とか、どうしろと言うんだ!」

セフェラ「そこは、ベルっちの工夫次第」

ベル「結局は丸投げか・・・今後とも、このガルダフェリナ年代記をよろしくお願いする。ブクマや評価を頂けたら幸いだ」

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