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誰も知らない勇者紀行。  作者: c/1-0@斜の廃塔。
1:始まりの森。
9/40

1-6:戦闘終了。


 実質二日で書けた。


=2135字=

 

 刀だが残身をとり、暫くしてから身体の力を少し抜く。


「はぁ……。」


 大きく息をはくケン。

 緊張した神経を一時切る。



「ううむ、思ったより脆かった。

 これならスキルは一つでよかったか?」


 再考して、(いや、実験として必要だったな。)と思い直す。

 そして少しの休憩を終えたケンは、まだ戦闘をしているカエデの所に向かった。


□□□



 ところ変わってカエデの戦闘。


 こちらはケンとは違い、敵が複数体いる為警戒が難しい。

 しかしカエデは上手いことこの窮地を切り抜ける。


「はーいはーい鬼さーんこっちだよー。」


 まず初めにケンの戦闘と重ならない様に二匹を誘導してリーダーと引き離す。


 挑発しながら走るカエデに追従するように、取り巻き二匹はリーダーと引き離される。

 スキルの【挑発】も発動させているので効果は抜群だ。


「いよっと!」


 前方に捻りを加えつつ空中を一回転し、二匹の狼と対峙する。


「……おーし、君たちの相手は私だよ!」


 透き通るような銀の太刀を正眼に構える。


 今、カエデと二匹の狼は正面同士で対峙できているが、もし一方にでも後ろを取られたら挟み撃ちとなり危険だ。

 コレをどう乗り切るか。


 取り巻きの一匹が均衡を破る。


「そっちから来るの?いいよ、やる気だね!」


 恐怖を感じさせる大きな牙を光らせ、襲い掛かってきた。


「まだまだ!そんなスピードじゃあ!」


 軽く左に身体をずらす事により攻撃を回避する。

 合わせてすぐ隣を通過するタイミングに太刀筋を当て、攻撃をあたえる。


 カエデはそこから一気に走り出す。

 目標は未だ動かないもう一匹だ。


「エンチャント【Sharply(シャープリー) Sword(ソード)】!」


 切れ味を上昇させ太刀を一閃する。

 しかし太古の狼(エンシェントウルフ)はその攻撃を予測していたかのように飛び退く。


「おーけーそれは予想通り! エンチャント【Extension(エクステンション) Sword(ソード) of(オブ) Fire(ファイア)】!」


 突如として太刀から炎が太古の狼(エンシェントウルフ)に伸びる。

 それによりまるで太刀全体が一本の長刀のようになる。


「そりゃああああああああ!!!」


 大きく踏み込み全身の捻りを利用して、太古の狼(エンシェントウルフ)の横っ腹に叩きつける。

 完全の不意を突いた攻撃に太古の狼(エンシェントウルフ)は対応できない。


[ガウッ!?]


 炎の剣が腹に食い込む。

 直撃した部位から炎の輝きが増し、剣の運動エネルギーは体内を貫通し、衝撃波を放つ。

 全ての衝撃をその身に受けた古代の狼(エンシェントウルフ)は当然の如く地から脚を離す。


 一人の女性が剣一本で自分の身よりも大きな獣を吹き飛ばす光景は壮観である。

 古代の狼(エンシェントウルフ)はその後数秒ほど滞空し、盛大な音をたてて地に伏した。




 カエデは[ぶんっぶんっ]と剣を振り、魔法の残滓である火の粉を払う。


「ふふっ、現実になった分、柄から感じる手応えが良い!

 さあ次っ!かかってきて! 


 …………て、あれ?」


 振り返って最初に襲ってきた方を見たカエデは、此方を見て呻る狼ではなく、全力で敗走する只大きなだけの犬を幻視するのであった。



□□□




「……へー、お前もなかなかいい感じに動けるんだな。」

「あ、ケン。そっちも片付いたんだね。」

「ああ。予想以上に低Lv.だったのか、実に呆気なかった。」

「こっちも同意見かな。一匹は勝手に逃げちゃったし。」

「……まぁ無駄に討伐しなくてもいいだろ。」


 エリアによってLv.が異なるので大いに警戒していたケン達だったが、それは杞憂だったようだ。



「……さて、剥ぎ取りをしておこうか。売れば金にもなる。」

「魔法生物でよかったね。剥ぎ取り楽だし。」


 『太古の狼(エンシェントウルフ)』は魔法生物である。

 魔法生物とは生存エネルギーを魔力のみに頼っている生物である。

 魔法生物である特徴として、次のことが挙げられる。

 一つ、魔法を使え、魔法耐性が高い。

 二つ、知性が比較的高等である。

 三つ、一般の生物と同じ構造をしているが、素材に大きく異なる事。例として金属で骨格が形成される場合もあることを挙げる。

 四つ、死後、特有の魔力に触れると部位ごとに分解される。触れなければ風化することなく長期にわたってその風貌を維持する事である。

 

「そうなんだがな、『結界術師』は殆どの魔法が使えないんだ。

 済まないが解体は任せた。」

「へー、色々なスキル使えるから便利だと思ったけど、やっぱり短所もあるんだね。」

「……まぁそうだな。」



 話をしながらカエデは『太古の狼(エンシェントウルフ)』の死体に向け魔法を放つ。


「【Magic(マジック) Dismantling(ディスマントリング)】。」


 翳した手から白い光球が放たれる。

 その光が二体の死体を完全に包み込み、視界から姿を隠す。

 

 少しして、光が霧散する。

 そして死体があった所を見れば、骨や皮、肉などに分解された状態で積まれている。


「この魔法、現実だったら更に有用だな。

 汚れない、疲れない、綺麗で早い。」

「確かに、うん。

 言われてみれば現実にあったら理不尽なまでに使えるスキルとか魔法って多いね。」


 兎にも角にも、これで進行の障害だった『太古の狼(エンシェントウルフ)』を討伐し、森からの脱出を再開できる事を喜ぶ二人であった。




 一週間後2/27[1-7]更新予定。

 一応再来週テストですが、恐らく書くでしょう。

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