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誰も知らない勇者紀行。  作者: c/1-0@斜の廃塔。
1:始まりの森。
6/40

1-3:変化を感じる時。

 このまま一週間で書けたらいいね(多分無理)


=2023字=

「ねー魚まだー?」

「………もう少しだな。」


 暗がりの中、焚き火の光を反射する魚を見て、ケンがそう呟く。



「…………そう言えば塩も醤油も無いな、どうする?」

「まぁそのままでも大丈夫でしょ。」

「他の選択肢は無いがな。」


 色々調味料あったらいいのにねー、と笑いながらカエデが言う。



 幾らか経った後、魚が焼きあがった。


「おぉ、何だかんだ言っていい感じじゃん。」

「ほれ、お前の分。」


 魚の焼き具合は綺麗で、熱で脂がパチパチ鳴っている。



「はむはむっ、…………うん美味しい!

 これなら調味料要らないよ!」

「……確かに美味いな。

 魚の種類は判らなかったが……コレは中々。」


 20cm程の魚に齧り付く二人。


 その後はケンが時折小鳥にも毟って与えつつ、二人は無言で食べ続けた。

 手に乗せられた魚の身を、小鳥も美味しそうに啄ばんでいた。



「う~ん、美味しかった~。」

「ちゃんとした設備があったらもっと美味くなると思うんだが、……まぁ仕方ないか。」


 ケンは若干心残りがあるようだ。


「でさ、食べながら考えてて気付いたんだけど、…………寝床どうする?」

「どうしようもないだろ、このまま地べたで寝る。」

「雨降ったりしないかな。」

「…………空を見る限り空気も澄んでるし問題ないだろ。」


 頭上に輝く星は日本で見るそれより数が多い、とケン達は感じていた。


「満天の星空の下で寝るのも一興だな。

 カエデだって初めてだろ? こんな体験。」

「キャンプしたって普通寝るのはロッジがテントだもんね。」

「態々(ワザワザ)外で寝る奴は早々居ない。」

「はは、確かにそだね~。」




 幾らか会話をしているとどちらからともなくそろそろ寝ようという話となった。



「…………ねぇ。」

「ん、どうした?」


 カエデがケンの腕をちょんちょんとつつく。


「この鎧、寝るのに邪魔だから脱ごうと思ったんだけど…………。」

「…………ああ、装備欄が無いから自分で着脱するしかないくて、脱ぎ方が判らない、と?」

「流石ケン。理解が早い。」

「とは言え俺も脱ぎ方は知らない。憶測でしか言えないぞ。

 

 …………うん、取り敢えず金属製の鎧なんだから、金具か何かがあるんじゃないか?」


 少し思考して案を提示する。


「…………うーん、見にくい。」


 カエデは身体を捩りながら金具を探そうとするが、当の鎧が邪魔をして腰を余り捻れないでいた。


「ああもう、俺が見てやる。


 …………ほらコレだろ。」

「私には全然見えないんだけど、設計それでいいのかな…………。」

 

 ケンは金具を手際よくカチャカチャと外していった。


 それでやっとカエデは鎧を脱ぐ事ができた。


「ああ、軽くなった。これでゆっくり寝れるー。」


 

 その後、二人は草むらでゆっくり寝る事ができた。



□□□



 そして翌朝。


「お~い、おきて~。」

「ん……、う~ん……。」

「お~い。


 …………。」


[ムニュ]


「……うにゃ。」


 頬をつつく何かから逃げる為か、ケンは寝返りを打つ。


「…………寝顔かわいいなぁ。っと、そうじゃなかった。」


 カエデは身体を揺する。


 何度か揺すっていると、漸くケンの瞼が少し開いた。

 そしてそのまま(のろ…)と身体を起こす。



「…………目、殆ど閉じてるけど、起きてる?」


「…………なんとか。」


 ケンは朝が弱いのか、この前と同じように暫くはそのまま[うつら……うつら……]としていた。



「昨日の魚の余り、食べる?」

「うん…………。」

「じゃあ、はい。」


 カエデから魚を受け取る。


 昨日と違い、啄ばみながら少しずつ口に運んでいく。


「美味しい…………。」

「流石に冷めちゃってるけどね。」



 二人は暫くそのままゆっくり朝食を取っていた。



 魚を一匹食べ終わる頃には、ケンも目が完全に冴えていた。


「ああ、此処に来てから目覚めがやけに悪い。何故だ。」

「私は寧ろ良いんだけど。

 ぱっと寝れてぱっと起きれる感じ。」

「はぁ……、ゲームの仕様って訳じゃないのか。

 そもそも俺はゲームだとは思っていないんだ。それが確証に近付いたな。」

「食事が出来て睡眠も取れてそれでいて個人差がある、もう現実なんだか仮想なんだか判らなくなってきた。」


 頭を抱え唸るカエデ。

 それに軽く頷いて同意するケン。


「…………まぁ取り敢えずコレは現実だろ思って行動したほうがいいだろうな。」

「なんで?」

「現実で失敗してみろ、俺達のこれからが消えるぞ。

 現実とゲームじゃルールが違うんだ。より被害が出ない様にするなら現実だと思うべきだ。

 逮捕されたくないだろ?」

「コッカケンリョクコワイデス、ハイ。」

「ま、此処が本当に異世界なら法律も違うだろうが。」


 法律が違うからといって態々変な事はしないけどな、とケンは続けた。




「…………それで、これからどうしよっか。」

「取り敢えずこの森から出ること、だな。他の誰かと接触する事が出来れば色々判る。」

「『ここは異世界ですか?』って訊けば万事解決!」

「『はいそうです。』と返ってきたらどうする。」


「…………じゃあ異世界ってことでしょ?」


「…………ああ、うん、そうだな。」


 もう何も言うまい、と思ったケンであった。




 一週間後2/6[1-4]公開。

 もう書けてるので遅れ(ry。

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