4-7:竜とは。
[僕は友達が少ない:11巻][妹さえいればいい。:1巻]-by平坂読-
この2巻読んだんだ。
正直言うとスゴかった。
予想外でありながら予測はできたし納得もするエンディングとか。
モンハンとか超電磁砲とかファイヤーエンブレム、おちんちnとかは伏せ字しないのに、●チガイは伏せ字する所とか(前作は隠してたのに。
女の子が全裸の話では必ず挿し絵があるようにしてるとか(有言実行素晴らしい。
後書きでの有名な他作家が書いた感想が10個位あるとか(修羅場すぎる、のうりん、変態と猫、弁当、大体知ってる作品。
ぼくにはとてもできない。
=2002字=
アリアは小さく腕輪に変化させていた己の武器『Vary』を外した。
それは使用時の状態からは想像も付かないが、確かにVaryだ。
腕輪のVaryを持ち一振りすると、それはスラリと伸びた一本の剣になる。
鉛色も銀白色もない、木炭の様な反射すらしない、只の黒一色。
厨二病と呼ばれる病に掛かってしまった人が欲しがりそうではある。
尤もアリアにとっては関係ない事だ。
「アリアの剣って私のと正反対で真っ黒だよね。
私の『白夜』は鍔まで真っ白なのに。」
カエデは腰の鞘に納刀された白夜を[コンコン]と叩いてみせる。
「…………別にコレ、剣だけじゃないぞ。」
「あーそう言えば変形できるんだったね。
他の系統使ってる所見た事無いけど……。」
「弓とかなら結構使ってるぞ。
…………と、そんな話をしている場合じゃなかったな。」
アリアは遠方に見えた竜種に視線を戻した。
竜種、又はドラゴンと呼ばれる魔物。
一般に『聖書』と呼ばれる数千頁に及ぶ書物に登場する、魔物では唯一名称が記載されている存在である。
聖書にはこう書かれている。
===
世界を創造し終わると、神は使徒を創る。
使徒は現存の生物に由来せず、一線を介した存在であった。
神は使徒を物理生物に存在し得ない、しかし世界に馴染むよう創った。
使徒は所謂爬虫類に近く、人類が発展した時にはある言語で『鱗を纏う者』を意味する『竜』と呼ばれる様になる。
竜は常に12種、死と誕生を繰り返し、永遠と世界を廻る。
===
つまりは、『竜』と言うのはこの世界の人々にとって信仰の対象であるのだ。
キリストの絵を踏みつける、像を破壊する。その程度ではないのだ。
ある物語では使徒を敵と見なし対抗するが、それは元々が宗教でなく、突然現れた『何か』が神であっただけだ。
人々は人々の望む『神』を善悪関係なく信仰する。
しかし望まない神を信仰する者が居るだろうか。
此処で『竜』の話に戻る。
信仰の対象であった竜が己の命を奪わんと襲ってきた時、対抗できるだろうか。
「竜は神の使いだ。
信者は絶望するか、それとも命を神に捧げるか。」
「え?」
ふと、思考の一端を口に出してしまう。
「……どう言う事?」
聖書を読んでいなかったカエデには、この世界のドラゴンと言う物の立場が判らない。
「今話している時間はない。
なるべく誰の視界にも入らない内にあの竜を倒さなければ……。」
「んー……ん?」
混乱が増すカエデだが、又後で話せば良いかと、質問するのは止めておく事にした。
「……よし、行くぞ!」
「あいよー!」
二人は走り出す。
敵である生物軍の侵攻は二人の様に視力を余程上昇させていないと見えない程まだまだ遠く、オルディカーブに着くのはこの行軍速度だとまだ半日程ある。
生物軍はまるで何者かに指揮されているかの如く統率が取れており、鈍足な物と歩調を合わせている為である。
しかし先鋒や殿などは殆ど纏まっていない様だ。
竜は後方に陣取っている。
故にその間には多くの生物軍が居り、突破は難航であるとオルディカーブの軍部では思われている。
結果として作戦は城壁近くまで引き付けてからの防衛戦となる。
実は現在、生物軍の中に竜が居る事を知っているのはアリア、カエデの二名、そしてオルディカーブの軍上層部のみだ。
アリアの推理通り、発表すれば混乱を招く恐れがある為だ。
全速力で走ればアリアたちは直ぐ様生物軍の所まで来る事ができた
アリアは第一目標を竜討伐、もしくは撃退とした。
混乱を招かない為には迅速に対処する必要があった。
「おいカエデっ!、俺は先に竜の所へ向かうから、一発でかいのをぶちかましてくれ!」
走りながら追従するカエデに道を作るよう頼む。
「了解!、でかいの行っくよー!」
カエデは先に行くアリアに構わず其処で立ち止まり、両の手で持った剣を頭上高く構える。
「多重エンチャント【Fire】【Water】【Air】【Soil】。」
辺り一帯からそれぞれの属性魔力が掲げた剣先に集まってくる。
四元素を重複させた時に起こる物で、自身の持つ魔力以外を接収する技である。
「…………エンチャント【Increase】!」
叫ぶと同時に魔力は急速に圧縮され、カエデがゆっくりと剣を降ろした時には、今まで集めた魔力が白夜の刀身に纏わりつく。
そしてその剣を突きの構えに持ち変える。
「アリアー!、準備できたから行くよー!
うーりゃぁあ!」
カエデは、アリアが声に応じ横に進路をずらした事を一瞬確認した後、全力で前方を突いた。
すると剣は刀身の存在する範囲を優に超え、衝撃波の如き白い衝撃波を放つ。
圧縮させた魔力を前方に打ち出す。
白き奔流は生物軍の肉壁を易々と突破し、更に奥まで貫いていった。
残ったのは一本の直線と魔力へと還元される魔物、そしてモンスターの死体だけであった。
1週間後9/25(金)[4-8]投稿予定。
銀の週、初日は模試です、取り敢えず校内1位目指そうか。




