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誰も知らない勇者紀行。  作者: c/1-0@斜の廃塔。
3:冒険者学校オルディカーブ支部。
28/40

3-4:一度目の授業。

 Lv.52の響が……響が沈んだ…………。凄く心臓に悪い……。


 =1859字=

 テカルトと話している内に時間も過ぎ、少しずつ他の生徒も教室に集まってきた。

 入り口の方を向いていたテカルトは、その中にタントを見つける。


「おいタント、こっちだ。」

「ああ、先に来てたのか。

 んで、お嬢さんたちを侍らせていたと。」

「そんなんじゃねぇよ、ただ話をしていただけだ。」

「なんの話なんですかねぇ一体。」


 テカルトも単にからかわれているだけだと判っているので、適当にあしらう。


「お嬢様方、こやつに何かされてはいませんか?」


 こちらに向いて妙に綺麗な礼をして見せるタント。


「いえ、大丈夫ですわ。しかし、使用人はちゃんと仕付けておくべきですわ。」


 アリアは流れに乗り、左手で扇ぐ仕草をしつつお嬢様らしく振る舞う。


「それはそれは失礼致しました。

 この者の主として謝罪致します。

 これ、お主も頭を下げぬか!」

「いやなんだよこの茶番。」


 冷静にツッコむテカルト。


「お前……今の流れでそれ言っちゃうの?

 そんなことだと友達できないぞ?ん?」

「心配してくれなくても友人はいるので安心してくれ。」

「俺のことかな?」

「ん?お前友達だったのか?」

「ひでぇこと言うなよ!」


 大袈裟に驚く。


「俺が言ったのはカエデとアリアのことだ。

 

 …………お前は、親友だからな。」

「テカルト、お前…………。

 それ言ってて恥ずかしくないか?」

「真顔で返すんじゃねぇよ。」


 

「…………。」


 流れに乗り遅れたカエデと置いていかれたアリア、タイミングが計れず戸惑う。


「……おい、お前の茶番の所為で二人が無言になってるじゃないか。」

「あ、やべ。ごめん二人とも。」

「ああいえ、大丈夫ですよ。面白かったですし。

 それより授業が始まりますよ。」


 授業開始時刻5分前だ。

 それぞれの椅子も生徒でほぼ埋められ、後は先生が来るのみだ。 


 そう思っている内に、教室の奥にあるドアが開き、誰かが出てきた。

 見てみると、それは教師のテレスであった。



「…………えーはいどうも、私は基本直前に来ますが、今日は早めに来てみたんですよ初日ですし。

 特に意味はないですから時間までゆっくりしていて下さい。」


 テレスは教室の生徒が妙に静かにしていたので、取り敢えず畏まる必要はないと言っておいた。

 テレスとしてもこういった雰囲気だとやりにくいのだ。


 しかし完全に静かになってしまうと皆話しづらい。

 その雰囲気を察したテレスは、


「……もういいか、授業始めちゃいましょう。

 5分早く終われば文句もないでしょう。

 では、起立、礼。」


 開始の挨拶をし、授業を始める。



「今日は初回と言うことで自己紹介でも…………、と思っていたんですけど、どうせ適当になるんでなしにします。

 その代わり席替えしましょう。で、隣の人と仲良くしてくれればいいです。

 後は惰性でもどうにかなるでしょう。

 後ついでに言っときますと、その隣になった人が今後1ヶ月のパートナーです。

 内輪以外の人とも連携できるようにする為ですので、三次試験のパートナーとは異なるように組んで下さい。」


 つまり、カエデとアリア、テカルトとタントはパートナー同士にはなれないと言うことだ。

 冒険者は常に同じ者で組続ける訳にはいかない。

 時に協力しあうことが大切だ。


「では、席の決め方ですが、まぁ好きにして下さい。

 揉める程の人数でもないですから話し合いでいいですね。

 但し5分で決まらないなら此方で適当に采配します。」



 5分しかない。

 そう言われてしまったら急いで決めるしかない。

 とは言え元々のパートナー以外に知人が居た所で1組、カエデとテカルト、アリアとタントで2組、残りで1組。

 スムーズに決めることができた。


 席の位置は適当だ。

 空きはあるので皆座りたいところに座れた。


「いいですね、中々早く終わりましたね。

 冒険者としても議論で可及的速やかに答えを出すことが重要になってきます。

 素早く正確な判断ができるように。」


 狩猟でもたつくことは即、死に繋がる。

 『早き事は良いことである。』

 スピードのない重量級な職業に就くならば尚更だ。

 頭の回転まで遅ければ、避けることなど最早不可能である。


「では次は、パートナーと話でもしていて下さい。

 互いを知りましょう。

 20分後に帰ってくるなら、何処か行ってきてもいいですよ。

 では、スタート。」


 つまりはそれぞれ話をして相手を知ろうと言うことだ。

 連携をする為に重要になる。


 その後、ある1組が外に出ていくのを見ていたアリアは、


「……私たちも外に行きませんか?」

「そうか? じゃあテカルトとカエデちゃんも誘おうぜ。」

「いいですね。」


 そう言って立ち上がり、アリアたちから少し離れて座っていたカエデとテカルトを呼びにいった。



 1週間後7/10(金)[3-5]投稿予定。

 大破確認はしっかりと、轟沈などもうこりごりだ。


 改稿[7/3、18:20]

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