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誰も知らない勇者紀行。  作者: c/1-0@斜の廃塔。
3:冒険者学校オルディカーブ支部。
26/40

3-2:魔導式製品とは。

 今回のテストはいい感じだったな、勉強してないけど。


 =1741字=

「で、買い物に来たわけだけどさ、取り敢えず何から行く?」

「様々な雑貨を取り扱っている店を昨日見付けておいた、其処に行こう。」

「デパート的な感じ?」

「いや、其処まで広くは無いな。」


 この世界の建物は城や要塞などを除き基本的には3階までしかない。

 ビル群が建ち並ぶほど土地に困窮していないと言うのもある。

 土地が欲しければ周りに幾らでもあるのだから。


「まぁ、其処になければ一つ一つ専門店を探し回れば良い。

 そっちの方も幾らかは探しておいたから。」


 アリアが昨日行っていたリサーチも中々役に立つ様だ。




□□□




 『雑貨マグメーカー』、此処がアリアの話していた雑貨店だ。

 中々盛況な様で、人の出入りが絶え間なく行われている。


「何処も人多いけど此処はまた更に多いね。」

「それだけ良い店なんだろう。」



 二人は開け放された大きな両開きのドアをくぐり、店内に入る。


「あー、成程、良い感じのお店だね。」

「内装も綺麗だし品揃えも中々だぞ。」


 清潔に掃除された店内は天井に吊るされた光で充分に満たされ、それが更に品物を良く見せている。

 


「う~む、コレだけ綺麗に置いてあるのを見ると、購買欲がでるね。」

「仕事が丁寧だ。」


 服を売っているエリアに来た二人は、服を広げながら品定めをしている。

 尤も主にカエデがなのだが。


「ちょっとぉ、アリアのなんだからアリアもちゃんと見てって。」

「そう言われてもなぁ、自分で選ぶとシンプルな、もう黒一色的な奴になる。

 服装を見てセンスを査定するのはできるんだが、何故か自分のになると……。」

「え、そうなんだ、いつも結構お洒落なの着てた様な気がしてたんだけど?」

「ファッション誌の丸パクリだ。」

「そうだったんだ、雑誌見ないから判らなかった。

 と言うかそれ何処ぞの三日月さんと同じじゃん。」

「変な物を着てるよりはいいと思う。

 自分に似合ってさえいればいいんだ。」

「そりゃそうなんだけども……。」


 拘りはアリアにもあるのだが、拘りが強すぎて結局無地のシンプルな物になる。

 だからいっそ拘りを捨てた『似合えばいいじゃない!』の精神で選んできたアリアであった。


 しかし、


「でもまぁ、自分で選べる様にはなっておかなきゃ。」

「他人のなら判るんだがなぁ……。」




□□□




 あの後、この店で買える物は全て買い終わった。

 買えなかった物は『魔導式製品』だ。

 電化製品と類似するのだが、動力に魔力を使用する為に販売において規制がかかり、売ることの許された店は少ないのだ。


「そして此処が魔導式製品の専門店という訳だ。」


 アリアが魔導式製品の説明をしながら案内したのは『魔導式専門店グランキュー』。

 昨日アリアが魔導式レンジを見つけた場所だ。


「ドライヤーが欲しかったんだろ?」

「後なんだっけ、魔導式レンジも置きたいね。

 温めるのに便利だし。」

「商品説明を見た感じ、電化製品との違いは動力源くらいだ。

 そのお陰でコードも無いらしい。」

「……ホントだ、この掃除機コード付いてない。」

「『魔導電池』なるものもあったぞ、魔法が使えない人様らしい。」

「思ったより色々あるし、実は地球のより良いんじゃ……?」


 魔導式製品は魔力があれば動かせる、つまり魔法を使えればコードレスで連続運用ができる。

 しかし難点として、魔力を自由に操れる人はそう多くはないと言うことだ。

 魔導電池というものが開発されて入るものの、効率はやはり直接魔力を送るより劣り、割高となっている。

 故に生まれもってしての保有魔力での差別が発生する原因の1つだと言われている。


 そんなことを知る筈のない二人は、楽しそうに買い物を続行するのであった。




□□□




「あぁ~、重かったぁ~。」

「買いすぎだ、貯金もう余りないぞ。」

「マジで?! じゃあ明日にでも一狩り行く?」

「そうするか。

 だが明日は朝、初の授業があるぞ、その後で行けるか?」


 冒険者学校とはいえ、毎日授業やら訓練やらがある訳ではない。

 必要なことを色々教えてもそれほど時間は掛からないのだ。

 但しテストは多い、一月の間に3回、10日に一回テストがあるのだ。

 そう難しくはないが、1回でも赤点をとれば単位は貰えない。

 追試は3回合わせて一度のみ可能、それでも駄目なら単位が取得できず、冒険者にはなれない。


「授業ってたって明日は一時間だけでしょ、大丈夫だよ。」

「だな。」



 一週間後6/26(金)[3-3]投稿予定。

 もう一つの方を投稿日変えたので遅れません(断言。

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