2-10:三次試験・前
PC、書き込みができない不具合発生。
→どうにかVITAのみで勇者紀行は完了。
→午前02:34。
→今ココorz
余裕がない所為で対応しきれなかった、書き溜め大事。
=1776字=
三次試験の対戦相手が決まった。
アリア達は1番を引いたので今から直ぐに試験開始だ。
各々ゲートを潜り、中央の舞台に上がる。
正面ゲート右側にアリアとカエデ、左側にテカルトとタントが陣取る。
「では三次試験一回戦を始めたいと思います、各々用意は良いですか?」
係りの女性が拡声器を使い呼び掛ける。
「準備も良さそうですね、では一回戦、始め!」
号令と共に、前衛職のカエデとタントが同時に飛び出す。
「エンチャント【Phantom Protective】二重展開!」
前衛を勤めるタントの鎧に、テカルト防御魔法をかける。
これにより金属鎧が透明になる。
軽量化の効果があり、タントの動きが機敏になる。
「よしそれならこっちも魔法使うよ!
エンチャント【Phantom Blade】完全版!」
カエデも対抗し、同系統の魔法を己の太刀を完全に視認できないようにする。
魔法の効果により、重量が限りなく0に等しくなり、剣速及び切れ味が上昇する。
魔法掛けのその太刀をタントに向け、斬りかかる。
「……っらぁ!」
タントはそれを左腕の盾で弾き返す。
カエデは弾かれたその力を利用して回転、再度斬りかかる。
[ッキィーン]
今度はタントも攻勢に出る為に剣を振りかぶっていたので、剣同士のぶつかり合いになり、互いに火花を散らす。
「援護するぞ!【Fire Arrow】一極集中!」
大きな火の矢がテカルトの頭上に出現する。
その長さは凡そ2m、弱い部類の魔法を魔力を過剰配分することで威力を上げているようだ。
「いけ!」
手を降り下ろすと同時に、火の矢がカエデめがけて飛翔する。
鍔ぜり合いから抜け出したカエデは、対処する為に魔法を展開しようとする。
その時、
「【魔法解除の壁】、前方15m上方2m、3×3mで展開。」
突如カエデの前まで迫っていた火の矢が空中で霧散する。
火の点いた蝋燭を二酸化炭素中に放り込んだかのような現象だ。
「あれ、消えちゃった。」
「……何が起こった?」
テカルトは何故消えたのか理解できないようだ。
しかし、この世界に来て耳が良くなっていたカエデは、アリアの声を聞き取り、大体の憶測はついた。
(コレが結界なのかな? 詠唱面倒臭そうだったけど。)
気にはなるものの、今は試合に集中と、カエデは再び攻撃を行う。
「アンタの仲間も中々の魔法使いのようだな!
だが、アレは止められるかな?」
剣でいなし、盾で弾きながら、悠長にもカエデに話しかけるタント。
(多分魔法じゃないと思うけどなぁ、まぁ教えてあげたりなんてしないけど。)
タントはアリアを魔法使いだと思ったらしい、テカルトとの魔法対決を望んでいるようだ。
「アリアの手を煩わせるまでもないよ、私一人で止めたげる!」
「アイツを舐めたら痛い目見るぜ、何せアイツは18にして『魔導師』だからな。」
その言葉に、カエデは少し驚いた程度。
何せカエデにも『魔導師』だったことはあるのだ、『聖騎士』の前提条件として。
この世界に於いては『魔導師』の力はかなり上位であり人口も少ないのだが、ゲームで見てきたカエデにとってはそれ程でもなく、寧ろ『魔導師』なのにまだ初級魔法を使うのかと、そちらの方に驚いていた。
「『魔導師』らしい魔法を早く見せてほしいねそれなら。」
「……っよし、準備完了だ! 待たせたな!」
「おうよ、目にもの見せてやれ。」
一見しても変化が判らなかったカエデは、念の為警戒を強める。
「範囲魔法【Magic Sanctuary】!」
テカルトは両手を地面につき、魔法を発動させる。
この魔法は指定の空間内での魔法の使用を制限できるものだ。ちゃんと発動さえしてしまえば相手の魔法を封じることができる。
「あー、そう来るのかぁ、攻撃じゃないんだ。」
「コレだって攻撃の一種さ、攻撃が防御足り得るなら、防御も攻撃足り得るだろう?」
「いや、そう言うことじゃなく……。」
カエデ的には強力な魔法を打ち合いたかったらしい。
しかし蓋を開けてみれば只の空間制圧魔法。
確かに難易度も高い上位魔法ではあるが、カエデにとっては落胆以外の何物でもなかった。
「……まぁいいか。」
(でも、期待外れだった報いは受けてもらうよっと。)
カエデが勝手に期待して勝手に落胆しているだけなのだが、彼女を諭すものは居なかった。
一週間後5/22[2-11]投稿予定。
但し執筆完了は5/17の予定、書けば(やる気が)出ると聞いて。
追伸。
魔法のルビは後でしておきます(今本当に余裕ない。)
更に追伸。
5/16ルビ完了しました。




