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誰も知らない勇者紀行。  作者: c/1-0@斜の廃塔。
2:要塞都市オルディカーブ。
15/40

2-4:予想外の反応。

 毎日休日はだらける、定期投稿してなかったら日付の感覚も無くなりそう。


 =1948字=


 因みにこの話までの合計は =30190字= 

「そろそろ寝るか。」

「そだね。」


 たわいもない会話をしていると、すっかり外も暗くなっていた。


「パジャマは……ないからこのままだよね。汚したりして怒られないかな。」

「どうしようもないし、怒られた時は怒られた時だな。最悪金を払って勘弁してもらおう。」


 丸一日外を歩いていた二人だ、勿論服に付いた葉などは取っているが、汗などはどうしようもない。

 風呂にも入っていないのだ、気にするのは当たり前と言える。

 

「しかし、そうだな、服とか生活必需品も買わないとな。

 服だけじゃなく、洗剤やタオル、……医療品もあった方がいいか。」

「ゲームの設定に基づくなら回復薬とかあるんじゃない?」

「回復薬か。……そういえば材料があったら作れるのか。」

「何それ超便利。で、何がいるの?」

「『薬草』『薬剤キット』『ガラス瓶』。

 最低これだけあれば『回復薬Lv.1』が作れる。

 但し確率で失敗するから他に幾つかアイテムがあった方が良い。」

「じゃあ薬漬け特攻はできないのかぁ。」

「いい加減その脳筋思考やめろよ。」

「多分これが一番早く倒せると思います。」

「多分これが一番早く死ぬと思います。」

「攻撃は最大の防御!」

「当たらなければどうにもならない。」

「当たるよ!」

「いいや外すね。その後背後を取られてBad End。」

「むぅ……。」


 自覚があるらしいカエデ、反論ができない。


「ふんだ!もう私寝るもん!おやすみ!」

「おやすみ。」


 不貞腐れて布団に包まってしまった。

 それを見たアリアは、部屋の中央に垂れ下がる紐を引き、明かりを消した。




□□□





 朝、先に目を醒ましたのはカエデだった。

 アリアは未だ布団にくるまって寝ている。


「……う~ん、今何時だろ?」


 アリアを残して一階に降りる。

 一階には時計が置いてあることを昨日見付けていたのだ。


 窓の景色から未だ朝方だろうと言う予測はついていたので、他の人を起こさないよう、足音をたてずに階段を下る。

 

 階段を降りた先にある受付カウンターには朝早いと言うのに受付嬢がいた。


「あ、おはようございます。」

「おはようございます。」


 一言挨拶を交わし、時刻の確認もしたカエデは、少し散歩でもしようと外に繰り出した。


 

 東西を貫く大通り。

 その先にある巨大な城壁から朝日が顔を出し、カエデの長い影を石煉瓦の道に描き出す。


 朝早いと言うこともあって人通りは(マバ)らだ。

 それでも少なからず商店街のお店は営業を始めていた。


 カエデはその内の一つに入ってみることにした。


 ドアを開けると[カランカラン]と上部に付いていた鐘が静かに鳴る。


「いらっしゃいませ。」


 店内には棚や壁、至る所に様々な服が綺麗に並べられていた。

 カエデが入店したのは服屋だ。


 女性物の置いてある所を探す。



 暫く物色していたカエデ、お目当ての物を見付けたのか幾つかの服を腕に下げレジに向かった。

 



□□□




「ただいまー。遅くなっちゃったー。」


 陽もそこそこ昇ってきた頃、カエデが帰ってきた。

 手には買った服の入った紙袋がある。



「…………て、あら?」


 アリアの寝ている布団は出掛ける前と変わらず人の形に膨らんでいる。


「もう結構な時間なんだけどなぁ…………。」


 早朝と違い、外の喧騒も聞こえてくる。


「…………。」


 無言で布団をひん剥く。


「寒い……布団…………。」

「…………あっそうだ!

 い、ま、の、う、ち、に…………!。」


 良いことを思い付いたのか、ニヤニヤしながら持っていた紙袋を漁る。


「ふふふ…………。」



□□□




 カエデは眠そうなアリアを連れて一階にある食堂に来ていた。

 料理が運ばれてきた後、一時眠そうに食べていたアリアだったが、漸く目が醒めてきたようだ。

 カエデは終始ニヤニヤしている。


「一つ教えてくれ…………。」

「なにかなアリアさん?」

「何故私は服を着替えさせられている?」


 アリアは服を着替えさせられていた。

 フリルをあしらった様な可愛らしい服ではないが、ズボンは脱がされスカートを穿かされ上着も女性らしい物になっている。


「起こしてくれるのは有難いんだがな、何故着替えさせる?」

「いやー、朝散歩してたら服屋を見付けてさ、色々見てたらアリアに似合いそうなのがあって、つい買っちゃった♪」

「買っちゃったってお前…………。

 …………まぁ似合っているなら、いいか。」


 アリアは何も無かったかのように食事を再開する。


「…………あれ?怒らないの?」

「着替えもあった方が良かったしな、別に怒ることではない。寧ろ良いことじゃないか。」

「う~ん、思った反応と違う。」

「そうなのか?」


 カエデとしては恥ずかしくて怒り出すのを期待していた。

 しかしその意図を知ってか知らずか、心理的には女装であるにも拘らず恥ずかしがる様子はない。

 スカートなどは穿いた事が無ければ女性でも恥ずかしがる。

 他の人ならカエデの目論見(モクロミ)は成功していただろう。




 一週間後4/10[2-5]投稿予定。

 何故かやる気が沸いてるので書き溜めできるかもしれない。

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