勇者の不幸の始まり
初めての作品です。至らない点もあるかと思いますが、興味を持ってくれると幸いです。
畑仕事をしていた俺、レクは、とある王都の近衛師団長から、訳のわからない事を聞かされた。
「今日から、あなたは晴れて勇者となりました。なので王都まで来てください。」
…ん?俺の耳がおかしいのか?勇者とかなんとか俺には無縁の言葉が聞こえたんだが。
「上手く聞き取れていなかったようですね。では、もう一度いいます。よーく聞いていてくださいね。今日からあなたは晴れて勇者となりました。なので、王都まで来てください。」
うん。今度はちゃんと聞き取れたぞ。俺、晴れて勇者になったらしい…って、勇者!?俺が!?普通の農民として暮らしてきた俺が勇者だって!?
「おい!ちょっと待ってくれ!俺が勇者?なにかの間違いだろ!!」
「いいえ、間違っていませんよ。あなたは勇者になりました。これは王様のご命令です。と、いう訳で王都に来てくださいね。」
「ちょっ…待てっ…。」
しかし、俺の声が近衛師団長には、届かなかったようで、馬にまたがり、王都がある方角へ行ってしまった。一人残された俺は、どういう訳なんだと思いつつ、凄い脱力感に襲われていた。
「俺が…勇者…。これからどうなっちまうんだ。俺の人生…。」
これが俺に訪れた、最初の不幸だった…