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捨てられなかった言い訳をさせて
これは依存なのだ、と言い聞かせる。
あの人が好きなのではない。
ただそれが最初の恋だったから。
あの日以来、誰も好きになれなかったから。
だから、忘れられないんだと。
こんなことを思うのは、久々に届いたメールのせいだ。
『同窓会やるみたいなんだけど、来る?』
誰からも連絡を受け取ってないと思ったのだろう。
確かに、その人以外との繋がりを絶っていた私はそれを知らなかった。
でも、知りたいとも思っていなかった。
「……ったく、余計なお世話だって」
思わず小さな笑みを浮かべる。
あの人は……彼は、いつだって優しかった。
それが時に残酷なものだと、きっと彼は知らないだろう。
私が勝手に舞い上がって、勝手に傷ついていただけだったから。
だから、こうやって、また私のキズを抉る。
彼は知らないだろう。
私があの頃のすべてを捨てたいと思っていたこと。
きっと、この先何年経っても気づかないだろう。
もし奇跡的に再会するようなことがあったとしても。
私は何も悟られず、隠し通せるくらい、嘘つきになったから。
「ほんと、酷い人」
零した言葉は、彼にも、誰にも届くことはない。
……私はただ、あの頃に依存しているだけだ。
辛くとも楽しかった、寂しくても幸せだったあの頃に。




