イノシシイノシシ美味しいなー
はーい
どっぞ〜
カエンと別れてしばらくした。
何の目的も無く歩く。家族を探すのもいいんだが、俺らサーロスウルフドッグは警戒心が強く常に気配を消しているから探すのは難しい。
匂いもしないから、どこへ進めばよいのかさっぱりわからない。
まぁ、いろいろ試したいこともあったので、試すとするか。
ということで、ステータスを確認する。
名前 ヒロ(名付き)
種族 サーロスウルフドッグ
順位 2500000000位
能力 絶対の守護
ーー 賢者
ーー 無限進化
ーー 嗅覚強化
ーー 被食者
耐性 熱耐性MX
ーー 麻痺耐性MX
ーー雷耐性MX
ーー 寒耐性MX
まず一つ、順位とは何なのか。
しかしまぁ、俺にはステータスの画面の順位という文字を睨んで唸っていることしかできない。
教えてくれる人でもいればいいんだけど…
ってか産まれて2年ほどしか経ってない状態で一人で異世界に放り出されるなんてどんだけハードモードなんだよ!
順位を更に注意深く見て、目に集める魔力の量を増やす。
悪足掻きのような感じもしないでもないけれど…
それに、手(今は足)で順位の部分をタッチする感じを意識する。
そうしたら
順位 2500000000位
(順位:魔物において、存在を確立させるもの。魔物とは、元々魔力より生まれて不確かなものであった。当時は生きとし生けるものに存在として認識されればされるほど、魔物としての力は強くなった。今では存在は不確かではないが、この順位が上がれば上がるほど、存在の力が強くなるシステムになった。これは自分より上位のものを倒すとその分だけ位が上がる。)
うわっ!なんか出てきた
というかスキルの説明以外でも出てくるのか…
優秀すぎやしやせんかい?
とりあえず説明を読んでみるしかないけどね。
なるほど…自分より強いものを倒すと強くなれるのか。
いや、順位とは関係なく得るものもあるだろうから、恐らく順位とはその順位に合う特典というか、順位分の力を与えるということだろう。
強くなるには上げるのは必須だが、上がらなければならないというものでもないだろう。とりあえず、これで一つ謎は解けた。なんか、スッキリした。
次はネームドになったら何かあるのか?ということ。
名前がついただけなら名前付きなんて表記はいるのだろうか?
まぁ、さっきの要領でやれば詳しく見れるのではないだろうか?
…グゥ〜ギュルルルル〜
楽しみにしてる方へ、ごめんなさい。お腹がすきました。ひとまず狩りのお時間です。
いました、本日の獲物。イノシシです。狩りと言っても、小物までしかさせてもらっていない俺にとって、イノシシはかなりの強敵。しかし、俺は12位のカエンを退けた事もある。
気配を消して、近づけばいけるかもしれない。防御結界を展開しながら行けば死はまぬがれる。
今更ながら、この結界の能力は戦闘中には役に立たないかもしれない。
展開にいろいろと時間がかかる。カエンの時も、いまも展開した状態から戦闘を始めている。
しかし、この能力は高い応用力を秘めているようにも思える。
内側からのみ干渉できる結界。また、それを裏返して張った結界は逆に内側からのみ干渉が出来ない結界とか、いろいろ使い分けることが可能みたいである。
イメージがとても関わってくるらしいのでこれ以上に応用がいろいろと効くと思う。
が、やはり戦闘には使いにくそうだ。
良くて罠とかだろう。他には、寝る時に張るとかだろうか…。
まぁ、本格的にお腹が空いてきたので、さっさと狩ってしまいたいと思う。
内側からのみ干渉できる結界を身に纏う。
イメージとしては体の周りにまくが張ってあるというところだ。
結界も場所で設定して張るのでは無く、条件を付けて張る。
条件と言っても、自分の体の周りから一定の距離を保てという条件。
以前までの結界はその場にとどまっていたが、今回の結界は身に纏う形で動く。
結界というよりかバリアと言ったイメージで張って見た。
気配を消す、体内を流れる魔力をできるだけ静かにする。
体から溢れる少量の魔力を全て体内にしまう。
心拍も落ち着いてきた。ふぅーっと大きく息を吸う。よし、整った。行くぞ!
背後から一気に襲いかかり、首に噛み付く。首が太く俺の顎の大きさでは、まともに噛み付く事も出来ないが、振り回されようと、しがみつく。
よし、この調子だ。俺にはしがみつかなければならない理由があった。それが今、イノシシの周りを囲っている結界である。
先ほど、絶対の守護の能力をいろいろと試して実験しておいたのだ。
その時場所設定だけでなく条件設定でも結界を張ることができるのだと知ったわけだが。
条件設定はかなり難易度が高くて今のところバリアの例しか成功例がない。
しかし、場所設定では常に動き回っているイノシシを捉えることはできない。
そして試行錯誤した結果イノシシにしがみついたのだ。
そうしていれば条件設定で俺の周りに結界をつくれる。
そこに閉じ込めればその後はどうにでもなるだろう。
結界が壊されるという事もあるかも知れないが、イノシシ程度ならさほど問題はないだろう。
よし、確か守護者の中に空間支配とかがあったはずである。
確かめたいことはたくさんある。自分が中にいる状態では恐ろしくて試せないが…すまないイノシシさん。後で美味しくいただくので勘弁してください。
とりあえず、結界には俺のみ外側に干渉出来るよう設定し、結界を張り終わったあと、俺は一人だけ悠々と外へでた。
結果です。
まず試したことは熱量の変化。カエンの能力の中にあったのでこれは使えるか!?と思っていたのでやって見た。
結界から言って熱量などの、物質では無いものは支配出来ないらしい。
直接的な温度の変化は無理でした。が、電子レンジの要領で空気中の水分だったりを震わせることで、温度の上昇はできた。
それに電子を高速に移動させることで、中で雷みたいなのを発生させることができた。
そろそろイノシシの体もギリギリのようだ。俺は生きるため、食うために生き物を殺すがこんな残虐な殺し方は嫌だ。
次が最後だ。
俺はとどめとばかりに結界内の酸素をぬく。このコンボは使えそうである。
イノシシが死んだのを確認して、結界を解く。さてどう食べようか。
[始めて魔物を一人で倒しました。スキル捕食者を使用可能です。]
な、なんだ!?この声は!?
[解:俗に告示者と呼ばれています。あなたに起きたステータスの変化などを伝えるものです。捕食者を使いますか?yes/no]
俺はとりあえずyesと、答える。
そうしたらイノシシのステータスが出てきた。
名前 名無し
種族 ワイルドピッグ
順位 350000000位
能力 無限進化
突進
耐性 物理耐性 小
少なっ!いや、普通なのだろうか…?
とりあえずこれと言って欲しいものはない。突進なんていたそうだし。
しかし、発動の感覚を覚えたいのでとりあえず無限進化と心の中で唱える。
[無限進化を改めて取得しました。]
なるほど、ぽわっと心のなかがする感じだ。
[なお、無限進化は元々所持していたので、無限進化に統合されます。]
[無限進化が進化論に進化しました。]
お!?お!?なになに!?進化論って?
名前 ヒロ(名付き)
種族 サーロスウルフドッグ
順位 2500000000位
能力 絶対の守護
ーー 賢者
ーー 進化論
ーー 嗅覚強化
ーー 捕食者
耐性 熱耐性MX
ーー 麻痺耐性MX
ーー雷耐性MX
ーー 寒耐性MX
進化論のところをタップするイメージ。
進化論:無限進化より進化の効率が上がりました。
…なんのこっちゃ
続けようと思えば続けられたんだけど…
このくらいの文字数で俺の中で定着しつつあるので、すいません。
途中で疲れちゃいました