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魔王討伐

おはようございます。

先週まですっかり休んでしまってすいません

これから頑張りますので

またよろしくお願いします。

「王都に魔王が!」

そこに来た騎士によると、突如鳥型の魔王種が現れ、王都を襲い始めたらしい。

ここは、王都の隣に位置する村だ。

騎士はエメラルドを必死に探しここまで来たと言う。

魔王が現れてからそれほど時間は経っておらず、今はまだ王都の騎士で何とかなっている状態らしい。

この間に、姫に帰って来て欲しいとの事だった。

「ギルドから緊急招集は出ているか?」

「もちろんでございます。ギルド長は最後まで渋りましたが、判子を押させました。」

ギルドは、どの国にも属さない。しかし、それでもここまで大きな組織になれたのは単に国の協力があったからだ。

冒険者が、戸籍が無くとも身分証明できるのも国の協力があればこそ。

ギルドが、安心安全な仕事で顧客からの信頼を得ることが出来たのも間接的とは言え国のおかげである。

そんなギルドには、国から緊急時に戦力を貸すよう義務付けられている。

国としても、身分不詳の市民に対し身分の確立をすると言う、危険な事をしているのだからそれ位は要求しないと割に合わないと言うものである。

それが、ギルドが発令する緊急招集だ。

付近にいる冒険者に呼びかけ冒険者の隊列を組み戦力として提供するのだ。

冒険者は市民では無いため死ぬまで戦う義務は無いが、冒険者にしてみても、自分に良くしてくれた町を、人を見殺しにするのも良心が痛む。

大抵は最後まで戦い抜くようだ。

それが今発令されているらしい。

「よし、そうか。じゃあ行くわよヒロ、ナミ、リオン。」

「「「へっ?」」」



かくかくしかじかで俺は今王都に向かって居た。

俺たちは付近の冒険者という枠組みから外れるとは思うのだが、と言ったのだが

「付近のと言うのは連絡できる範囲と言うこと。本来であれば遠くの冒険者を呼ぶための時間すら惜しいと言うことで付近の冒険者で済ませて居ますが、貴方は姫を呼びに行く際そこに居たので連絡のために費やす時間はかからない、分かりやすく言い換えると、使える駒は使う。良いから着いて来いってことです。」

との事だった。

いや、まぁ別に見捨てるつもりも無いし、魔王と言う奴も気になる。

最悪の時はリオンとナミを連れて逃げれば良い話だ。

影世界に逃げ込めばなんとかなるだろう。相手も狼の魔王じゃなければの話だが。

魔王である時点で、話すことは出来ると思って良いだろう。

もしかしたら、俺と話す事で何か変わるかもしれないし。


王都は既に臨戦態勢に移っていた。

住民の避難は完璧に行われており、残っているのは屈強な兵士達。その数数千と言ったところか。

明らかに魔物一体に対してオーバーキルだが、それほど魔王と言う存在は大きいものなのだろう。

普段からこけにしている魔物に、これだけ怯えている矛盾に人間たちは気づいていない。

そもそも、依頼にAランク等のランクをつけて、自分には危険かどうか、判断するあのシステム自体、魔物が人間にとって危険であると認めていることにも気づかない。

とことん愚かなんだなとこの風景をみていて思う。

いっそのこと力の差を、少なくとも矛盾に気づけるくらいには見せつけてやらなければならないのかもしれない。

魔物が人間に怒っている事は、難しく言えば、長ったらしくたくさんの理由があるのだろうけど、簡単に単純に言ってしまえば、雑魚がつけ上がって、調子乗って、自分達より下を屑だのなんだの言って、殺しまくってるからだ。

魔物達はどれもどの種族も真剣に生きて、真剣に殺しているのに。

一度、自分達の勘違いを恐怖によって正してやるのが一番楽なのかもしれない。

正直どっちの味方にも着きたく無い。

今回の事も恐らくは人間に原因があるのだとは思う。

だけど、今更人間を見限る事が出来ない位には、人間と交流を持ってしまった。

本当にこう言うのは他所でやって欲しい。

大変な事があったね〜って済ませられるのに。

だけど、今更気づかなかった振りなんて出来ない。

人間と魔王の戦いなんて、俺が無視して良い訳が無い。

俺は腹を括り、王都の冒険者ギルドへ向かった。

ギルド内には、何処かどんよりとした空気が流れていた。

遠くから偶然ここに来ていた冒険者もそれは居るだろうし、死地に赴く程の思い入れがこの街にある人は少ないだろう。

俺がギルド内の人物を観察していると、とある老人がギルドの中心へやって来た。

白髪まじりで、かなりの年で有ることを容易に想像させるその見た目はしかし、屈強な冒険者達と一緒にいても何も違和感のないほど鍛えられた体だった。

そんな老人が、なんの迷いもなくギルドの中心へ行ったら誰でも気になると言うものだ。

皆が一度準備を止めて、その老人を見る。

はたまた老人の正体を知っているものも居たのだろうが。

老人は皆が自分の方を見たのを確認すると、こう言った。

「諸君!儂はギルドマスターのヨセフだ。聞いてくれ。諸君には、この町のために命をかける事は義務付けられていない。だから、これは儂の個人的な依頼だ。頼む、この町を、儂の娘を助けてくれ。娘は、この前結婚が決まったばっかりなんだ。娘の幸せな姿を儂はこの目で見たい。儂は怪我で引退した身だ。もう儂には救うことは出来ない。あいつが過ごした町を守りたい。これから過ごす幸せを守りたい。この通りだ。」

そう言って、その老人は丁寧に腰を折った。

俺には人っ子一人居ないように見えたけれど、実の所は逃げ遅れてしまった人も相当いるようだ。

魔王が現れた事で咄嗟に逃げられた人は良かっただろう、パニックになって逃げられた人も居ただろう。

だけど、魔王が発する威圧に恐怖しそのまま動けなくなった人だっているはずだ。はたまたパニックに巻き込まれて逃げられなくなった人。もうすでに被害にあった人だって居るだろうし、瓦礫の破片とかで扉が塞がれて逃げられなくなった人も居るかもしれない。老人の一人暮らしだったりしたら、パニックの町を歩くのも困難だろう。

普通に考えて、この街に非戦闘員が一人も居ないなんてことはあり得ないのだ。

そんな状況下でのこんな発言だ。

本来ならば、まだ残ってる可能性の方が低い娘の事をこんなに心配して、挙句には俺たちの命をも巻き込むなんて、とんだモンスターペアレントだと思われても仕方ない。

だが、こんな状況下だからこそこの発言は冒険者達に響いた。

かつて、人がたくさん過ごしていた場所。活気が溢れ、幸せに満ちて居た場所。

そんな場所が今、不幸に満ち溢れて居る。

少なくない人物が、この街に居てこの街で死んで行くだろう。

もしかしたら、幸せだったギルドマスターの娘も。

ギルドマスターの今の発言を聞いて、自分の育った町を思い浮かべたのはどれだけ居るだろう。自分の娘を、嫁を家族を思い出したのはどれだけ居るだろう。

そして、親を。自分の幸せを必ず祈ってくれている親を思い出したものはどれだけ居るのだろう。

ここには、冒険者がたくさんいる。

幼少期、家庭に恵まれなかったものも多いだろう。

だから、だからこそ、それだけ家族に敏感なものも多い。

幸せに敏感な者が多い。

ここで、声が上がる。

「俺の息子も居るんだ。」

「俺だって、母さんも父さんもこの街に居る。」

「やっと手に入れた家族なんだ。身分なんだ。家庭なんだ。」

「ここで止める。うちの街には行かせない!」

ちらほらと、声が上がり、やがて大きな声となる。

「ギャガオガガガガガガガガガガガ」

咆哮。

それに乗っている色は怒り。呆れ。

人間の愚かさに対する底知れぬ反感。

しかし、それに臆するものはもう居なかった。

皆が無言で、それで居てしっかりと、ギルドの出口へ向かう。

そこへか細い声でもう一度。

「この街を…娘を頼む」

そのか細い声に応えるのは。

『おう!』

野太く、低く、それで居て頼り甲斐のある、家族を守る漢の声だった。

もちろん、冒険者には女の人もいらっしゃいます。

それではおやすみなさい。


[7/30]本日を持ちまして、OVL大賞の方に応募させて頂くことになりました。

本来であれば、せめてあらすじに書いた分だけでも回収してから応募したかったのですが、そろそろ時間切れなので、このタイミングでの応募です。それに関しては、私の力不足です、申し訳ありません。

応募理由は、このままでは自己満足のままで終わってしまうと危機感を覚えたからです。

このままでは、自分の中の妄想を書き連ねているだけ。誰も楽しませられないのでは、と思いました。

投稿して行くだけで何も成長出来ない。そんな事に危機感を覚えたのです。

今回応募することにより、良くも悪くも読んでくれる方は増えると予想して居ます。

もちろんお目汚しになるのは覚悟の上。どんなきつい意見でも受け入れる所存です。

例えそんな事になろうと、誰の意見も聞けず、ずっとこのまま続けるよりは良いと思い応募させて頂くことになりました。

もちろん、自分の力を試してみたいという気持ちも大きくあります。

ですから、やるからには頑張る。そういう意気込みで行くので、これからどうぞよろしくお願いします。

長文失礼しました。

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