世界史ってチート級にむずいよな 管理部屋にて…中編
後編くると思ったら中編でしたぁ
って感じ。
毎週日曜日にゆっくりと更新できたらいいなぁと思っているので気長にお付き合いくださいね。
それさえ無理になるかもしれないですが…
最後の方焦って少し詰め込みすぎた感がぱないっす。
さて、と彼女は始めた。
この部屋の、そしてこの世界の歴史を語るべく。
そして、彼女自身の歴史を語るべく…。
精霊達の楽園。それがかつてのこの世界の名前。
文字通り精霊達が住まう世界。
そこは、決して広い訳ではなかったが美しい色や音に囲まれる、大変美しい世界だった。
他の世界、つまり異次元に存在する別の世界とは比べ物にならないくらい神聖な場所。
そこは、同じく神聖な神々と精霊達の安らぎの場所となっていた。
この世界だけは、純粋に聖力だけが満ちていて、魔の力が存在しない世界。
何も死なず、何も消えず、何も増えない。
美しく絵画のような世界で、それ以上につまらない絵のような世界。
時間はまるで最初から存在しなかったかのように息を潜めている。
しかし、時間は流れる。人知れずどこかで。
流れた時間は戻らない。そして、壊れないものなどない。
それは、この世界にしたって同じ。
平坦な道だけでは筋肉はつかない。
たまにはでこぼこ道も、急斜面も下り坂も必要だったりするのだ。
それは世界にしたって同じ。
ただひたすらに平坦な道を歩き続ける者たちは考えてしまうのだ、斜面を登る自分を。
想像してしまうのだ、山の頂きにたつ自分達の姿を。
望んでしまうのだ、この世界に時が流れはじめるのを。
人々は言うかもしれない、日々をただ幸せに安全に暮らすのが一番だと。
しかし、そこに住む者たちは言うだろう、何も起こらない、ただ毎日を機械のように過ごす日々の何処に幸せがあるのか、と。
人々は言うかもしれない、当たり前のことが当たり前に出来ることが一番だと。
その通りだ、確かにその通りだ。
しかし、彼らは望まざるを得ないのだ。
機械のような、絵のような、まるで止まった世界が流れ出すのを。
何か、特別な不思議なことが起こることを。
そんな時だった。
彼らは突然やって来た。
この世界と対極の世界から。
この世界が神の世界なら、そちらは魔の世界。
この世界が生の世界なら、そちらは死の世界。
死の世界に住まう者たちが、生の世界という自分達と対極の存在を望んでしまうのは仕方ないことだろう。
そもそも、神の力も魔の力も何も変わらない、それらは両方ともただのエネルギーだ。
一方は神が持つ力だった、そしてもう一方がその力となぜか反発しあってしまう力だったというだけだ。
神の力と反発してしまうというのは、周りの評価としてはよろしくない。
実際、神の力は魔物以外の生き物の中にも少量含まれる。
神の力自体は魔力と比べて上位に存在するというわけではない。
神の力が凄いのではなく、神が凄いのだ。
神が持つ力は他の世界では聖力と言われ、一般的にに存在する力だ。
ただ、神の持つ聖力の量が桁違いなだけ。
故に、神の奇跡は魔物達には及ばない。
決して魔力に勝っているわけではないので、反発する力を押しのけることが出来ないのだ。
雨も雷も風も自然の何もかもが魔物達から逃げて行く。
だから、魔物達の住む場所は草花は枯れ、地面は死に、水も枯れ果てていた。
魔物達はそんな中で、自分達の魔力を使い水を風を雷を起こすようになってきた。
しかし、魔物達の力では神の真似事などやはり荷が重かった。
次第に世界の死の拡散の速度に追いつけなくなってきた。
そうして生まれたのが死の世界だった。
純粋に魔の力だけ満ちた世界。この世界と対極の世界。
そこで生き物が生きて行くのは不可能だった。
魔物達は、そうしてこの世界を求めた。
自分達の魔力に勝る聖力があるこの世界なら、神たちの加護を受けられるかもしれない。
彼らはその一心だった。
ただ、他の生き物と同じように、生きたかっただけ。
神に見放されず、世界に見放されず、安心して生きていたかっただけ。
それを求めてしまった結果、彼らは精霊の楽園へと辿り着いたのだ。
その結果が、大爆発である。
そこに元からあった大量の聖力と彼らが運んで来た魔力。
それはお互いを反発しあい、一気に拡散した。
世界一つが丸ごと消し飛ぶくらいの衝撃。
この世界にとって、初めての危機。
けれど、魔物達は違った。
今まで、何度も経験してきた危機的状況。
その経験値が彼らにはあった。
彼らは一瞬で状況を把握した。
この状況は自分達の所為だ。彼らは消し飛ばされそうな意識の中そう考えた。
どうせここの聖力には抗えない。このまま居たとして、聖力に消し飛ばされるだけだった。
どこの誰が始めたのかはわからない。しかし、いつの間にか全ての魔物は、己の中の全ての魔力を放出し手放した。
この世界から魔力を消すことで爆発を抑えようとしたのだ。
魔力とは、魔物のエネルギーの全てである。
当然放出しきると、体の全ての働きが停止する。死は免れなかった。
魔力がちゃんと霧散してくれれば、そのまま聖力に押し出され、この世界から消えてくれるだろう。
なにせ、魔力は魔力を留めていた体を失ったのだ。
それまでは、押してくる聖力を押し返すことによって爆発を引き起こしていたが、体を失った魔力ではここの濃密な聖力にただ押し流されるだけになるはずだった。
しかし、ここからが魔物達の誤算だった。
そのまま出て行く筈の魔力は最後の足掻きとして、聖力を取り込んだ。
それはもちろんすぐに拡散してしまう。しかし、そこからが長く、魔力と聖力の攻防は続いた。
拡散するたびに、各地で小爆発が起こる。
しかし、やがてその爆発は収まってきた。
魔力が出て行ったのか…否違う。
魔力と聖力の親和性が高くなったのだ。
魔力には微量に聖力が含まれ、聖力には微量に魔力が含まれる。
この隙を神は見逃さなかった。
自らの聖力を操作し、魔力を集めた。
そして、魔物達を蘇生する。
神以外で純粋な聖力を持つ者が無くなった以上、魔物を拒む必要もない。
その上、魔物達には助けられた恩があった。
あの時の魔物達の状況判断が無ければ、この世界は滅んでいたかもしれない。
そして、それ以上にこの世界の住民は普通を望んでいた。
たまにある危機や、草花は枯れたり、生き物が死んだりする世界。
永遠ではない世界。
それを望んでいたのだ。
絵画のように美しくはないが、音楽のように儚げで綺麗な世界。
そんな世界を望んでいたのだ。
そして生まれたのがこの世界。
聖魔世界。
そんな世界で魔物は生きることになったのだが、魔物達の体は小爆発で壊れていたので、魔力を核として生まれ変わったために、存在力が希薄だった。
そして、魔力とは元々強化系重視のため放出するという手段がないのだが、聖力は放出、能力の使用が主な使い所なので、体の中で魔力を使用してばかりだと、だんだん聖力の濃度が上がり、体の中で暴走してしまうのだ。
それを解消するために作られたのがステータスシステムである。
魔物達一人一人を区別するために番号を与えた。
その番号があるだけで、個人が確定する上に、順位を番号としたので、上に行けば行くほど存在は周囲に認められより上位の存在になれる。
そしてスキルについてだが、スキルとは元々聖力を行使する際に使う神の御技を改良し、劣化させる代わりに、魔力でも発動できるようにしたものだ。
そこで、ようやく告示者の話になる。
彼女の正体は改良者というスキル。
所有者のステータスシステム内に存在する全ての力を合理的に改良するのがそれの主な能力。
彼女はとても高位なスキルだった。
本来スキルの特別級とは、スキルが進化していってようやく成るものなのだが、彼女の場合元々自らが特別級のスキルだった。
特別級能力はエクストラスキルに最も近いスキルで、自分にしっかりと心の力が無いと使えない。
ステータスシステムとは自分の魂そのものだと言っていい。
自分の心の状態を表すもの。
そして、スキルは魂の技能。魂に直接刻まれる力。
ピースを思い浮かべてもらえばわかりやすいかもしれない。
スキルは自分の魂にしっかりと埋め込めるぴったしの窪みが必要なのだ。
だから、今の実力者達は、元来から持っている自分に合った能力を育てて行くとともに、自分の心の力を大きくして行くのだ。
そして、元々からユニークスキルだった彼女は、彼女に適合する生物がこの世に存在しなかった。
ステータスシステムに関するスキルの中で最も強力なスキルである彼女は擬人格を与えられていた。
擬とはいえ人格を持つ彼女は、当時誰からも必要とされていないという気分に陥った。
そんな時、彼女の生みの親とも言えるステータスシステムを司る神にスカウトされたのだという。
彼女は始めて求められたように感じ、ある一体の弱った精霊から体をもらい、彼の元で働くことになった。
そうして今に至るのだという。
彼女はこれまでに世界をずっと、この世界の始まりから見ていた。
第二世代の神である魔神誕生や、第三世代である邪神の誕生。
長きに渡りこの世界をこの部屋で見ていた。
この音も色も無いような部屋で。
彼女はここに来てようやく他人と接することが出来ると思ったらしいが、ここもまた彼女にとって孤独だった。
ここは、神の御技で作ったコンピュータが全てを制御していた。
ここでは彼女の行動さえ全てを効率化して、コントロールしていた。
そんな彼女の唯一の楽しみが下界の観察。
魔王になったものに、人型を授けるためにこの場所に呼ぶためという名目で下界を覗いていたらしい。
そんな事をしていたら貴方を見つけたのですよ、と彼女は満面の笑みで呟いたのだった。
感想くれたら嬉しいなぁ
おれ、感想来たら多分舞い上がっちゃう。
もしかしたら返信で興奮しすぎて変な感じになっちゃうかもだけど
それほど感想が嬉しいってことなんだな…(チラッ)




