始まりの章 1部
こんにちは
または
今晩は
もしかしたら
おはよう
とりあえず読んでくれや
目が覚めると、そこは見知らぬ部屋。
周りには弟妹達が凍えている。
だめだ何も思い出せない。
何があったんだっけ?
寒い、寒い。
弟妹達をなんとかしてやらなきゃ。
あぁ、そうだ。
俺が家に帰ってきた時、少しおかしいな。そう思った。
インターホンを鳴らしても誰も出てこない。いつもは、弟妹達が俺を出迎えてくれるのに…。弟の騒ぐ声が聞こえない。
何があったんだろう?
今日は、両親共に居ないから、まだ幼い弟妹達が勝手に一人で出歩くなんてことは無いはずなんだけど。
そんな事を考えていたが、まぁ合鍵は持っているので、とりあえず入ろうとする。
そう思って、鍵を取り出し、鍵を開けて入る。
入ってみると、弟妹達が暴れたにしては、荒れすぎてる。
押入れの中身を全部ひっくり返したように廊下に物が溢れてる。
何処か嫌な予感がしつつリビングに入って行った。
「おーい、なんだよこれは…は?」
最後まで言葉が出なかった。
そこには、縛られて倒れている3人の弟妹達がいたからだ。
予想外の事に少し呆気にとられてしまう。
「兄ちゃん…助けて…なんか…変な人が…。」
どういうことだ?頭が上手く働かない。俺はどうすればいい?
しかし、そこで後ろに居た人物に殴られて、俺の意識は暗転していった。
次意識が覚めた時は、縄で縛られていた。
弟妹達には殴られた跡。俺の後頭部には鈍痛がはしっていた。
めまいでよく考えられない。
俺が呆気にとられずに、警察を、せめて大人に助けを求められればこんな事には。
もう声が出せない程に恐ろしかった。
そいつらは銃を持っていて本物であることは実際に打って見て証明して見せた。
よくわからない状況に頭を悩ませていると、また頭に鈍痛が走りそのまま意識を手放した。
次目覚めたときは冷凍室にいた。
寒い、嫌だ死にたくない。それに俺には弟妹達がいる。
こいつらだけは絶対に護らなければ。
「兄ちゃん寒いよ」
「助けてよ兄ちゃん」
「怖いよ、死にたくないよ兄ちゃん」
三人の弟妹達が助けを求めている。正直俺も膝が笑うほど恐ろしいが、弟妹の前ではかっこいいお兄ちゃんで居たい。
とりあえず、暖をとれる物を探そう。
そう思って、弟妹達のもとを離れた。しばらく探しているが、冷えた肉しか見当たらない。窓なんて無いし、出口は大きな分厚い扉だけ。やはり鍵がかかってる。
ちくしょう何にもねぇ。
「お兄ちゃん寒いよ、嫌だよ。死にたくないよ。」
弟の声が聞こえる。
その声はか細く、もう消えてしまいそうだ。
急いで俺は妹に駆け寄る。
「⚫⚫⚫!大丈夫か?大丈夫だ!兄ちゃんが温めてやる。みんなこっちにこい。兄ちゃんがみんなを温めてやる。」
「動けないよ!痺れて身体が動かないよ。」
なんで!なんで!ちくしょう!
「その痺れも、全部、吸い取ってやる。兄ちゃんは強いから、痺れなんて効かないんだ。雷が落ちたってお前らを護ってやる。兄ちゃんが、居るんだこんなところで死んでたまるか!」
そうだ、俺が何が何でも護ってみせる。
痛みだって、痺れだって。
とにかくお前らに来る全ての痛みを俺は喰ってやる。
「ありがとう兄ちゃん。あったかい。」
「あひがおう、にいやん、」
「あ……り」
弟はまだ少し元気がありそうだが、妹2人の声が…。
「おい!おい!⚫⚫⚫⚫大丈夫かよ!目を覚ませよ!死ぬなよ!頼むよ!」
俺は無我夢中で扉を叩く。
「誰か!助けてくれよ!!痛みがやばいんだ!頼むよ!誰か!来てくれよ!」
ちくしょう
ガチャ!
ドアが開いて現れたのは、まだ若そうで、キュッと引き締まった体をした、茶髪のイケメン。
「おいおい、何で俺が朝っぱらから、はっ!おい!大丈夫か?」
良かった助けが来たんだ。おい助かったぞ、お前…ら?おい!何で動かないんだよ。おい!おい!
「う、嘘だろ?おい…」
気づいた時にはもう冷たくなっていた。
周りの冷気に熱を奪われたかのようだった。
俺のせいだ、俺が弟妹達のところを離れたからだ、あと少し温めてやれば、助けは来たのに。この壁で音が外に届くはずがない。この人は普通にこの時間に来る予定だったんだ。あと少しあと少し温めてやれば。
「違う!違う!俺のせいじゃない。あぁぁぁあ!」
いきなりの事に茶髪のお兄さんは呆気にとられて動けなくなっている。
「うわぁぁぁぁ!」
もう、俺のする事はない。
あとの事は母さんに任せた。警察にももう全て話した。
俺が、護ってやれなかった、俺にもっと判断力があれば、扉を叩くなんて無謀な事はしなかった、弟妹達を温め続けてただろう。
護りたい。温めてやりたい。痺れだって痛みだって引き受けてやる。俺には効かないんだ。
なんか周りが騒がしい。うるさいな、弟妹達よりもうるさいかも。あぁ今日も帰ったら弟妹達が、出迎えてくれるのだろうか、心地よいうるささだ。
眩しっ!何かのライトが近づいてくる。それにぷっぷっぷうるさいし。
あぁでも何だろうこの安心感は、やっとこの夢から解放される安堵だろうか。
痛みが心地よい。やっと弟妹達が待つ家に帰れる気がするよ。
ただいま。
[了解しました。all耐性MAXを取得します。-成功しました。]
[了解しました。大賢人の頭を取得します。-成功しました。]
[了解しました。絶対の守護を取得します。-成功しました。]
[了解しました。捕食者を取得します。-成功しました。]
[絶対の守護の副作用で防御力が全て失われます。]
暗い、狭い、身動きがとれない。
怖い、俺はまた閉じ込められたのか?
あれ?閉じ込められた事なんてあったか?
なかったよな、頭どうかしちゃったのかな?
とりあえず怖い、なんか嫌だ、一生このままなんて、やだ。帰りたい。
俺の頭上から光が漏れる。
助かった、また助けが来たんだ。また俺一人助かったんだ。
なんか、さっきから自分で言ってることがわからない。
もういい、とりあえず漏れた一筋の光に向かって必死に進む。
狭くて周りから押しつぶされそうな中を必死に進む。必死に必死に必死に。
その光の向こうで僕が見たものとは………
犬の足、犬の顔、そして犬になった自分が映った水面…………
あれ?え?えぇぇぇぇぇぇぇ!?
何故でしょう?とりあえず記憶を探る。
えっと、普段と何も変わらず家に帰って……あれ?その後のこと全く覚えてない。思い出そうとすると、ズキンと頭に鈍痛が走る。僅かに覚えているのは、どんどん近づいてくる光と、それに伴って起こる痛み。それに家族の名前が思い出せない。
3人弟妹がいたはずなんだけど。
親友の名前は覚えてるのに弟妹忘れるってどう言うことなのだろうか。
とりあえずだんだんと状況を理解して来ました。
これが夢で無い限り、俺は一回死んで転生とやらをしたのだろう、犬に。信じたくは無いが、俺だって夢だと信じたいのだが、だけど、今まで生きてた方が夢だったんじゃないか?って思うぐらい感覚が前より冴え渡っている。
こんな事になったのに、最初の驚き以降比較的冷静でいられた。
そんな冷静な俺があたりの状況を確認した結果。
俺より先に生まれたらしい、ちょっと大きめの子犬が5匹。
俺の母親らしき1匹の大きな犬。
計7匹がいる場所は森の中なのかな?ふかふかの草のベットの上にいる。
問題はここが地球なのかどうかだ。俺は高校2年だったわけで、中二病も経験済みであり、やっぱりこーゆーテンプレな人外転生は異世界では!?って思ったりしてます。
あの時は、なんで、異世界に来てチートを手にいれて帰りたいなんて思ったの?なんて思っていたが、こんな状況になるとやっぱり帰りたいって思うんだな。
帰りたい。
そんな俺に追い打ちがかかる。空を飛ぶ巨大な鳥…鳥?……ドラゴン!!!
はぁ、異世界確定です。
名前 名無し
種族 サーロスウルフドッグ (犬種)
順位 300000000位
能力 絶対の守護
ーー 賢者
ーー 無限進化
ーー 嗅覚強化
ーー 捕食者
耐性 熱耐性MX
ーー 麻痺耐性MX
ーー雷耐性MX
ーー 寒耐性MX
はい、勢いで書き始めました
すいません
まぁ、頑張りますわ
かなり改訂しました。
まぁ、吉と出るか凶と出るか。