第四話!2度目の夢!(1)
あれ、ここはどこだろう。
視界が真っ暗で何も見えない。
「ああ!神よ!我が国を救う勇者が!」
ざわざわ
え、何?沢山の人の声が聞こえる。
「ついに召喚が成功したぞ!」
召喚?何の話?
コソコソと少年が話しかける
「いちかさん。第2の夢に入りました。今、外が見られるようにするね。」
パアアア 効果音だっさ。
「う。」
眩しくて思わず手を目に当てる。
「勇者様。」
今まで聞いたことのないような低く太い声。
そこには、〜一匹の小さなチワワがいました〜
「え!?ワンコー!?」
大きな声で叫んでしまった。
「いや、ワンコじゃなくて王様だよ。この国の。」
少年が再びコソコソと話しかける。
「え!?王様ー!?」
もう一度大きな声で叫んでしまった。
ここは犬の国?てか、本当にどこだろう。
ポカーンとしていると、少年が
「全く飲み込みが遅いなあ。第2の夢の中だって。」
あの話は本当だったということか。にわかに信じがたい。
「第1の夢見ただろう。」
たしかに、佐藤美羽になる夢を見た。
「ひとまず、ここはどこですか。みたいな感じで王様たちに聞いて、話をしてもらおう。」
頷く。
王様が物理的にキュルルンとした目でこちらを見てくる。勇者召喚でお決まりのセリフを言ってみる。
「こ...ここは?」
思った以上に低い声が出た。男の子みたいな。
まあ、こういうセリフはイケボのほうがいいよね。
「勇者様。ここは、ロージスト帝国です。あなたは、私達が魔王を倒してもらうために異世界から召喚しました。」
かわいい顔で、おっさんの声を出すチワワに困惑しながらも話を聞く。
若い男性が出て来た。
「勇者様。詳しい話はこちらで...。」
部屋に案内された。
うっわー。この部屋すげえ。
キラキラなシャンデリイア☆。
いかにも高そうな絵いい画☆。
高級そうなテーブルクロッス☆。
テンション上がってすべての語尾が巻き舌になってしまうほどだ...。
「こちらの椅子にお座りください。」
...。
椅子に宝石が散りばめられているだと...!?
緊張で足が震えてしまう。おしりで宝石を潰してしまいそうで、椅子に体重をかけられない。
もう、空気椅子しかないよね...。
足がプルプルする。
「突然のことですが、我が国を救ってください。」
チワwじゃなくて王様が頭を下げる。
チワワが頭下げてる...。お願いしてる...w
なんて面白い光景だろう。
チワワは椅子に座り頭を下げ、チワワのバックにいる、いかつい鎧を着た護衛っぽい人も一緒に頭を下げ、若い家臣っぽい人も頭を下げている。
少年がヒソヒソと声をかけてくる。
「王様に...wなぜチワワの格好してるのか聞いてみて...w」
こいつめっちゃ笑うやん。人のことを笑うのは...wよくない...w
まあいいだろう。
「ところで王様はなぜ犬の格好をしているのですか?」
ハアッハアッっと呼吸をしているチワワに聞いてみる。
あ、チワワじゃない。王様に。
「...呪いです。魔王の。」
!?こんな可愛いものが呪いだと...!?
「では、その魔王を倒して呪いを解けばいいのですか?」
チワワはワアっと笑顔になった。
「やってくれるのですか!?」
犬飼おうかな...めっちゃ可愛いやん。
声可愛くないけど。
「もちろんです。困ったときはお互い様ですからね...。」
あたりがシーンとなる。
え?偽善者なのばれた?
「なんと!?お優しいのですか!?勇者様は!」
あ、よかった。感動しただけね。
「勇者様のお名前をお聞きしてもいいでしょうか!」
そっか。名前教えてなかった。
「私の名前は...もr」
バッ。少年にいきなり口を塞がれる。
「え?何?」
「ボク教えてなかったけど、君今男だよ。」
あれれん。異世界転生系って性別変わることあんまりない気がするんだけどん。
第2の夢、勇者編15話分以内に終わればちょうどいいかなーって思ってます!!!
たくさん読んでね!