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外れ者共は今を生きる  作者: 春夏 フユ
第二章 報復せよ、勝利の顔したあいつを
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重力は体を広げさせる



 〈鈍化〉ーーーーー相手を鈍くするデバフ。

 〈弱体〉ーーーーー相手を弱くするデバフ。


 付与魔法であるデバフは全部で6つ。

 俺は6つのデバフを全て使えるが・・・・その全てのデバフに共通しているのは、付与相手に何らかの一時的なディスアドバンテージを持たせるという点だ。


 そして俺が今ゴールドスライムにかけたデバフ、〈重荷〉。

 このデバフをかけられた対象は、体が何かにのしかかられたかのように重くなるのだ。

 正確に言えば付与対象そのものが重くなるのでなく、付与対象だけに普通の重力に追加で仮の重力を発生させるといったものだが・・・・別にそこは気にしなくていい。


 そしてゴールドスライムは金が持つ性質通り体を広げる展延性に優れている、だから人1人覆えるほど体を大きく出来るのだ。

 現在ゴールドスライムがラスイを押し倒して膜のように広がっているので、ラスイは完全に覆われて見えない状態になっている。


 そして金と同等の性質なら、ゴールドスライムは液状の体だろうが金と同じで密度が大きく普通に重い。

 触った感じからしても絶対にシクスに腕相撲で瞬殺された俺の筋力じゃ持てない。

 故に〈触手〉で一番パワーがあるテクルにゴールドスライムを剥がしてもらうしかない。

 しかしゴールドスライムがラスイと完全に密着しているのだ、だからテクルは触手が当たるのを恐れ手を・・・・じゃなくて触手が出せない。


 だから、俺が何とかして持つのではなく、テクルがゴールドスライムに触手を出せるようにした方が確実だ。 

 だからこのデバフをかける。


 『キュキュキュキュュ!?』


 重荷デバフをかけられた直後、膜のようにラスイにピッタリ上から被さっていたゴールドスライムに異変が生じる。

 重荷デバフで下へ向かう圧力がかけられたゴールドスライムは、意図せずとも体が更に広がってしまったのだ。

 展延性に優れているのを利用し、上から圧をかけるデバフを付与する事で大きく広げさせたのだよ。

 更に密度も大きいので、仮とはいえデバフで発生する重力の影響をモロに受ける。

 この二つの要因も重なり、ゴールドスライムはかなり薄く大きく平べったく広がった。


 そしてそれ程広がったという事は、だ。

 ゴールドスライムの全身がラスイと密着している状態、ではなくなったという事。


 「かなりスライムの体が広がったからラスイと密着してない部位が出来たぞ。 ここを持ち手にすれば引っぺがせるだろ」


 「え? あぁ! ホントだ!」


 俺によってゴールドスライムの変化に気づいたテクルが、広がったことによりラスイから離れたゴールドスライムの端っこの部位に強引に触手を下からねじ込んだ。


 そしてシールを剥がすかのように、ゴールドスライムを上に持ち上げる!

 端っこの方だけを引っ掛け持ち上げようとしているので、一見簡単にスルッとゴールドスライムが抜け落ちてしまいそうに見えるが、実際はそのままゴールドスライ厶を完全にラスイから引きはがせそうだ。


 ゴールドスライムは未だ効果時間が切れない〈重荷〉によって常に触手がある下向きの方に押さえつけられており、触手自体もテクルにより釣り針の返しみたいに曲げられているので抜け出せない。


 だが、ゴールドスライムは実質人1人広がれば余裕を持って覆えるぐらいの質量を持つ半液状の金、そして重荷デバフによって更に重くなってる。

 触手を端に引っ掛けてるだけでテクルは持てるのか・・・・


「・・・・割と重い!! でも、引っペがせたぞ!!」


 いやテクルのパワーやっぱりエグいな!!


 「ごほっ! あ、ありがとう、テクル・・・・ちゃん それに、クロイさん、も」


 助けられたラスイが、さっきまで呼吸が出来なかったので苦しそうにしつつも開口一番にお礼を述べる。

 

 だが。

 ゴールドスライムを倒した訳ではなく、まだあくまで持ち上げただけ!


 ゴールドスライムは今テクルの触手の先っぽに持ち上げられ、その触手はテクルが一気に引き剥がした事でかなり上に持ち上げられ、テクルの頭より高い位置にいる状態だ。


 ・・・・ゴールドスライムは重くなっている体を逆に利用し、下に向かって広がり始める!


 「あ! まずい!」


 どんどん触手が下向きに広がっていくゴールドスライムに取り込まれていく。

このままでは触手を伝ってテクルの体に到達し、今度はテクルが取り込まれてしまう。


 そしたら終わりだ、俺達のパーティではテクル以外に密着したゴールドスライムを引がせそうな筋力を持つ人はいないし、テクル自身はピッタリ密着されたら剥がそうにも剥がせない。


 ・・・そうこう考えるうちにゴールドスライムが触手の半分まで達する。


 テクルは既に触手を下に向けて、重さを利用できない上向きでなければ広がれないようにしているが・・・・ロープを手繰り寄せるかのように触手をゆっくりと、ゆっくりと落ちないように張り付きながら登っている。


 重荷のデバフによる上からの力で動きをかなり抑えられてるが・・・このままじゃジリ貧だ。


 かといってゴールドスライムは先述の高密度も相まりかなり頑丈なはず、テクル以外の俺達は普通に殴っても効かないだろうし、強い攻撃魔法もないので倒せない。

 テクルが触手をゴールドスライムごと壁にぶつけて倒せるかもしれないが・・・・もしかするとテクルの力だと壁にぶつければダンジョンが崩れる可能性があるので迂闊に行えない。


 ど、どうにかしてこのゴールドスライムを剥がして倒す方法は・・・・

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