表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

自己紹介

転職活動怖くて眠れないです。

こんにちは。


前世での名前は林治夫、今世ではハルオース・ミランです。


私にはどうやら前世の記憶というものがありまして、以前に住んでいたのは地球という星の日本、今住んでいるのはカララ・カル・ガ・デリヤと呼ばれる星のバルハという国です。


カララ・カルガ・デリヤとは、唯一の青い星という意味です。やっぱり、人間が生きている星って、青いんですね。また人間に産まれられて良かった。


ふふっ、良かった。


「って手放しには言えないんだよなぁ、はぁ」


正直、異世界に転生した瞬間は、うわやったぁと思いました。


前世では転職に失敗し、失意と決意で敢行した冬のソロキャンの末に死んだのですが、まさか自分が異世界転生するとは思っていませんでした。


よし、今度は頑張って英雄になっちゃうぞ!王女と結婚して、ハーレムなんて築いちゃうぞ!なんて息巻いてたんですが、何というか、その、あんまり、うまく行かなったです。はい。そんなこんなで、結局ずるずると死んだ歳と同じになってしまいました。


この世界には、魔法があります。魔物が居て、魔王も居るらしいです。王国もあって、主な装備は剣、騎士団なんてのも居るわけですが、私はあんまりそれらに馴染む事はありませんでした。


というか、剣も魔法も才能がありませんでした。頑張ってはみたんですが、割と駄目な方でした。結果、学校も行かず、というか行ける学校も無くて、冒険者になって故郷を離れてみたけれど、なんか、駄目でした。その結果、それなりに離れた土地で、何とか木材で家を建てて、暮らしている次第です。


とりあえず落ち着いた我が家がただで手に入っただけ、マシな生活はしているな、なんて思ってたりします。国境も定かでは無く、尚且つ滅多に人の通らない場所に居を構えたので、税金とか考えなくて良いのは、前世では遥かに楽です。転職活動中、それが一番辛かったものですから。


「釣りでも行こうかな」


私の生活は、基本釣りをして、自宅から少し離れた場所の森で、木の実やマタンゴを狩って、怪鳥と狼から逃げる、そんな生活です。たまに怪鳥と狼が争った後を漁夫の利して防寒具を作ったりしてます。そんな感じで、此処に住み続けて、もう、二十年になりますかね。慣れたものです。


「でも飽きた、正直飽きた。俺後、何年こんな生活するんだろ……」


かと言って、今更街や故郷に戻るのも……戻ってどうするの?家無いし、職無いし、税金払えないし。どうしようも出来なくない?マタンゴの食べ過ぎで中性脂肪も気になっちゃってるし、最近どんどん前世の自分に似て来たんだよ……結婚なんて出来そうにないよぉ。


「……よし、寝よう」


なんて焦燥感だけが募る日々。このまま老いていく事への恐怖、不安。ああでも。


やっぱり税金が無い生活って良いなぁ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ