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「悠斗っ!」


 バヂィィィッ


 電撃のような音が鳴り、火花がほとばしった。

 霊体を捕らえようとする力と、抵抗する悪霊の力がぶつかりあう。


 普段、学校で使っているような子供用にダウングレードさせたものとは違う。プロが捕縛用に使う道具だ。やすやすと扱えるものじゃない。

 相手だって、こちらに協力してくれる気のいい霊達じゃない。人を害する悪霊だ。

 悠斗の体は、容器と悪霊の拮抗する力に引きずられて振り回された。


「あの馬鹿っ!」


 橋に向かって走る涼が、悠斗に向かって手をかざした。

 悠斗の手から容器が離れ、力に引きずられていた悠斗の体が橋の上に倒れ込んだ。


「ちぃっ……」


 念動力でもぎ取った容器を投げ捨て、涼が今度は自由になった悪霊に手をかざす。


「時音!俺が動きを止めるから、お前が容器を拾って悪霊を閉じこめろ!お前の能力が一番、霊に対して強い!」

「ーーっ、わかった!」


 怖いなんて言ってられない。

 あたしと涼は橋にたどりつき、倒れた悠斗と悪霊の間に立った。涼は悪霊をにらみつけ、あたしは霊体捕獲保存容器を拾って構えた。


「やるぞ、時音!」

「はい!」


 悪霊があたし達に襲いかかってこようとした。だが、涼がその動きを止める。


『グオオオオオォォ……』

「ぐっ……」


 悪霊は獣のような声で吠えて暴れ回った。涼のおかげでこちらに向かってはこないが、完全に動きを止められていない。


「頑張れ、涼!」

「まかせろっ!」


 涼は額に汗をにじませながらも不敵に笑った。

 悪霊と涼のせめぎ合いは、どうやら涼の勝ちだ。じょじょに涼の力によって悪霊の動きがおさえられていく。


(よし、これなら……)


 勝てる、と思った時だった。


「う……」


 悪霊の背後で、目を覚ましたエリサが起き上がった。

 悪霊が、ニタリと笑ったような気がした。


「え……?」


 何が起きたかわからないようにこちらを見たエリサに、悪霊が飛びかかった。


「くそっ!」


 力をふりほどかれた涼が呻いた。


「きゃああっ!」


 悪霊がエリサにからみつき、彼女を橋から落とそうとした。


「危ない!」


 あたしは咄嗟に、エリサの腕をつかんでいた。

 だが、子どものあたしの力では、エリサを引き上げられない。バランスを崩したあたしの体ごと、悪霊はエリサを橋から引きずり落とした。


「時音!」


 涼の叫び声が聞こえて、次の瞬間、あたしはごおごおという激しい水音を聞いていた。







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