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眼球

作者: たかぴょん

火鉢に入った眼球が燃えている

うっかり左目から落としてしまった

黒い瞳孔からは脂が表れ

炎はたたみかけていか

メラニン色素が迫り来る真っ赤な海をオーシャンブルーに輝かせ

真っ赤なヴェールの隙間から

眼球が僕を見つめていた


誰だって歳を取りたくないよな

左目の窪みが懐かしいよ

かつて眼孔が寝床であった

それにしても目も目である

もっと燃えたぎった情熱を見つめているんだった

懲りずに希望を探すんだった

からっぽの窪みには涙を溜めておいてくれ



答える返辞はなかった

間違っても義眼なんか作るか

左目の窪みには雨水を溜めてやろう

どうにかさいばしを取る

炎の嵐がせせら笑っている

あと三センチ足りない

燃やしちまえ 燃やしちまえ

懐かしの眼球はシラミのようになって転がっていた

眼球は一億光年先の宇宙を黙って見つめていた

さいばしは届きそうにもなく

目の前の宇宙はまんざらでもない

やめた やめた

火鉢の燃料にしてしまおう


ただ眼球が燃え尽きるのを見とれていた

ただ見とれていた










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