プロローグ
拙い文章ですが、暖かい目で頂けると嬉しいです!
(突然だが、俺、寿修也には妹がいる。
妹と言ってもただの妹ではない。天使のような妹だ。
寿朱里、俺の妹の名前だ。
透き通るような白い肌に、肩口で切り揃えられた艶やかな黒髪。
表情を浮かべることは少ないが、それでいて人を魅了する魅力を持っている。
身長は150センチ半ばくらいだ。
我ながら、本当に血が繋がっているのか疑ってしまうほどである。
まあ、繋がっているんですけど。
とにかく、朱里は天使なのだ。容姿だけでなく、性格もまた天使である。
面倒見が良くて、いつも周りには友達がいる。
え?兄が妹を形容するには細かすぎないかって?
無論、足りないくらいだ。
俺は、朱里のことが好き、いや大好きだ!
妹の為なら何でも出来るとか、世界を敵に回せるとか·····
まぁ、そんなのも安いくらい朱里のことが好きなのだ。
そんな俺に、最近悩み事が出来た。
朱里が、素っ気ないのである。
朱里は、今年で中3になる。ちなみに、俺は高2である。
元々、朱里から話しかけてくることは少なかったが、今では必要最低限の事しか話しかけてきてくれない。
恐らく、思春期なのだろう。俺も思春期は経験済みなので分かる。
分かっている、分かってはいるが、妹が素っ気ないというのは、悲しいものである。)
「兄さん、夜ご飯出来ました」
朱里の、心地いい声が鼓膜を震わす。もう、そんな時間か。
「具合、悪いの?」
朱里が、ソファで考え込んでいる俺を不思議そうな顔で覗き込んでいる。
「え?」
「あ、いや、難しい顔…してたので」
そう言うと、朱里は顔を逸らす。
「あぁ、ごめん、何でもないよ!ご飯頂こうか」
いかんいかん、朱里のことで悩んでいるとはいえ、朱里に心配をかけさせるのは本末転倒だ。
それにしても、今の朱里可愛かったなぁ。
緩みそうになる頬をパシッと叩いてソファを立つと、晩飯の並ぶ机へと向かう。
「「ご馳走様でした。」」
「じゃあ、俺片付けとくから先お風呂入っておいで」
「分かりました」
そう言うと、朱里は微笑んで風呂へと向かっていった。
我が家では、家事は分担している。
俺が小2の頃に母親を事故で亡くしてから、父親は俺達2人を養うために仕事に力を入れて、今は海外にいる。
なので、今この家にいるのは俺と朱里だけだ。
本当は、朱里に家事などさせたくないのだが、朱里がそれは嫌だと言うので、料理を担当してもらっている。
それ以外は、基本的に俺がしている。
朱里の為なら、何でも出来るってもんだ。
皿を片付けた俺は、ソファで一息つく。
この時間のテレビはイマイチなんだよなぁ。
適当につけたテレビを見ていると、髪をタオルでまとめパジャマに体を包んだ朱里がリビングへとやって来る。
「お先、頂きました」
「ん、俺も入ってくるか」
短く言葉を交わすと風呂へと向かう。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「はぁ·····」
長い溜息をつく。
今日も兄さん、かっこよかったな。
最後まで見ていただきありがとうございます!
少し忙しいので、2話以降は遅くなるかもしれません·····